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12/17
16:43
WSTS(世界半導体市場統計)によれば、来年の半導体市場の規模は過去最高を更新する見通し。カギを握る台湾IT企業の11月売上も絶好調だ。関連銘柄の動きが再び活性化しそうだ。
WSTSは来年の世界の半導体市場が今年の見込み比で8.4%増の4694億ドル(48.5兆円)に拡大すると予想している。自動車の電動化加速のほか、高速・大容量の通信規格5G分野でチップを必要とする幅広い製品の需要が拡大に貢献するとみている。
今年は新型コロナウイルスの影響で半導体の市況も悪化するとみられていたが、テレワークをはじめとするリモートのニーズがパソコン(PC)やクラウド、サーバーに向かい、記憶媒体のメモリーの需給はひっ迫した。
一方、中国の通信機器大手ファーウェイが米国の規制強化を前に半導体在庫の積み増しに動いたことを受け、反動を懸念する見方もあった。しかし、直近では米半導体大手マイクロン・テクノロジーの台湾工場で停電が起き、供給不安が浮上。これを受け、メモリーの主要品種であるDRAMのスポット価格は上昇に転じている。
車載市場の勢いにも弾みが付いている。世界各国の政府が脱炭素化に舵(かじ)を切る中で、EV(電気自動車)用の半導体の需要も増加傾向にある。先進運転システムに絡んでも、新車1台当たりの電子部品の搭載数は増える流れにある。半導体不足が自動車メーカーの生産に影響を及ぼす事態もみられ、供給能力の拡大は必至の状況だ。
技術面では電子回路を微細化するための「EUV(極端紫外線)」露光に絡んだ投資がリード役になる。半導体ファウンドリー(受託生産)世界最大手の台湾TSMCや韓国のサムスン電子に続き、韓国SKハイニックスも参入するとみられ、設備の拡充が装置メーカーの商機を一段と高めそうだ。
半導体回路原版(フォトマスク)の欠陥検出装置大手のレーザーテック<6920.T>は、EUV露光のマスク欠陥検査装置で圧倒的な地位を占める。株価は9日に上場来高値1万1920円を付け、一服を挟んで再び上値を追う態勢だ。半導体電子ビームの日本電子<6951.T>、ホロン<7748.T>なども押さえておきたい。
ウエハーでは、大手の信越化学工業<4063.T>の好業績が光る。現値(16日終値は1万7075円)に対し、JPモルガン証券やゴールドマン・サックス証券が相次いで2万円台の目標株価を打ち出した。このほか、製造装置のSCREENホールディングス<7735.T>、アドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>などもマークしたい。
提供:モーニングスター社
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12/4
08:54
「EUV(極端紫外線)」を用いた半導体製造における最先端露光技術への関心が再燃している。この日は装置メーカーの東京エレクトロン<8035.T>が連日で上場来高値を更新。中核銘柄のレーザーテック<6920.T>もピーク奪回を視野に入れた値運びだ。
半導体はチップ当たりのデータ容量を増やしていくために、パターンを描く回路の線幅を微細化する努力が続けられている。10年以上前から使われてきた「ArF液浸」の露光技術で可能な細さの限界に達したことで、実用段階を迎えたのがEUV。5ナノメートル(ナノは十億分の一)線幅のチップ量産へ向け、設備投資が本格化している。
5Gの普及やコロナ後の新常態に絡んだリモート需要もあり、半導体は数量ベースでも出荷が旺盛だ。これに対応し、製造装置の今年7−9月の世界販売額は前年同期比3割増の194億ドル(約2兆円、SEMI=国際半導体製造装置材料協会調べ)に拡大。EUVがけん引役になっている。
EUV露光装置を世界で唯一生産しているオランダのASMLホールディングスは、7−9月の受注高が前四半期比で2.6倍に増加。半導体ファウンドリー(受託生産)世界最大手の台湾TSMCや、韓国のサムスン電子による投資も活性化しているようだ。
こうした中、日本の半導体関連株も上昇している。東エレクはこの日、前日比2.4%高の3万7740円まで買われた。アナリストからも4万円を大きく上回る目標株価が相次ぎ打ち出されるなど、相場はまだまだ余力を残した雰囲気だ。EUV向け検査装置のレーザーテクも7月の上場来高値1万1750円まで500円に迫った。アドバンテスト<6857.T>も年初来高値を更新した。
<ホロンやダイトーケミも>
EUV露光に使う感光性樹脂のフォトレジスト世界首位の東京応化工業<4186.T>や、電子ビーム描画装置の日本電子<6951.T>、回路パターンの描画に必要なフォトマスクブランクスで攻勢を掛けるAGC<5201.T>などにも上値余地を期待する見方が強い。また、東洋合成工業<4970.T>やホロン<7748.T>も中・小型の有力EUV関連銘柄として知られる。
穴株的な存在はダイトーケミックス<4366.T>。同社は半導体用の感光性材料を手掛け、微細化の波に乗るべくEUV向けの開発を進めてきた。時価総額が小さく、今回の相場では相対的に出遅れ感がある。
提供:モーニングスター社
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12/2
11:10
日本電子<6951.T>が続伸、405円高の4670円まで買われ、連日の上場来高値更新。東海東京調査センターでは1日付で、投資判断「アウトパフォーム」(強気)、目標株価6400円でカバーを開始している。
EUV露光装置市場の拡大につれて、マルチビーム方式の電子ビームマスク描画装置が牽引役となり、連結営業利益が21年3月期80億円(前期比13.8%増、会社側計画は51億円)、22年3月期110億円、23年3月期140億円になると試算している。
産業機器事業の営業利益は21年3月期86億円、22年3月期112億円、23年3月期138億円を見込んでいる。目標株価は、EUV露光装置メーカーであるASMLの22年12月期市場コンセンサス予想PER30倍と同センター予想23年3月期予想連結一株利益212円を踏まえて6400円に設定するとしている。
生産能力は電子ビームマスク描画装置が年産十数台だが、新工場の取得による増強で25−30台の拡張が可能になり、同装置が含まれる産業機器事業は、営業利益率が20年3月期30.9%と高水準であるものの、量産効果により23年3月期には34.5%に上昇すると予想している。
午前11時6分時点の株価は前日比185円高の4450円。
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12/2
09:52
◎東海東京証券(3段階・アウトパフォーム>ニュートラル>アンダーパフォーム)
日電子<6951.T>――新規「アウトパフォーム」、6400円
◎岩井コスモ証券(5段階・A>B+>B>B−>C)
IMV<7760.T>――新規「B+」、600円
◎モルガン・スタンレーMUFG証券(3段階・オーバーウエート>イコールウエート>アンダーウエート)
SUMCO<3436.T>――「イコールウエート」→「オーバーウエート」、1600円→2800円
フジクラ<5803.T>――「イコールウエート」→「オーバーウエート」、320円→530円
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12/2
09:21
◎新規
★日電子<6951.T>、IMV<7760.T>
◎格上げ
★トヨタ紡織<3116.T>、★SUMCO<3436.T>、★フジクラ<5803.T>、★ダイヘン<6622.T>、◇★スタンレー<6923.T>、★めぶきFG<7167.T>、NOK<7240.T>
*★は最上位、×は最下位、◇は2段階以上の変更、未確認情報を含む。
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