

投信販売に逆風が吹くなか、ゆうちょ銀行が「原点回帰」と「アフターフォロー」をキーワードに巻き返しを図っている。投信取り扱い後初めて直面した相場下落局面で、全国1552カ所の取扱店舗網と開始2年で1兆円販売した営業力をどう活かすのか。
今回、店舗取材と投信販売戦略のキーマンインタビューを行い、「信頼」のゆうちょブランドとリスク商品である投信販売を両立するための工夫がすでに随所で動き出していることがわかった。
ゆうちょ銀行青森店では、各販売担当者が「経済感覚」を磨いて顧客対応、一方、首都圏の戸塚店(神奈川県)では顧客への声かけの際にあえて「投資信託」という言葉を使わない。霞が関の本部では、販売担当者のコンサルティングスキルを支援する「ポートフォリオ提案サービス」を首都圏50店舗で試行している。
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1998年の銀行窓販解禁から10年経った。この間に販売員と投資家が培った“はず”の金融リテラシーは、2008年後半からの金融危機でもろくも崩れ去ったかのようだ。
投信評価会社のモーニングスターでは、主力の投信評価業務のほか、銀行オリジナルの金融フリーマガジンを発行するなど、日本の金融リテラシーの底上げに積極的に取り組んでいる。
代表取締役COOの朝倉智也氏は、「販売員が相場観を語ると投資家、販売員双方が不幸になる。『中国は成長しそう』と話し、それを鵜呑みにした投資家が中国株ファンドを購入。基準価額が大幅に下がると『おまえのせいだ』『いや、お客様の自己責任です』という不毛の応酬に陥る」と指摘したうえで、「顧客から信頼される販売員は、顧客の運用目的を聞いて、『債券ファンドと組み合わせると運用の安定度を高めることができます』など、具体的なポートフォリオのシナリオを提示できる人といえる」と話す。
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金融危機の影響で投信販売が急激に落ち込んでいる。純資産残高は、2009年1月末には50兆円を一時、割り込んだ。投資信託協会会長の樋口三千人氏は、「1998年の窓販開始から10年で、投信は『貯蓄から投資へ』の入門商品としての位置づけは固まってきた。次の10年の第2ステージで、個人の資産形成の中核的な役割を果たしていく」と強調する。
樋口氏は、「従来は、投信という商品や経済状況の理解が完全ではなく、販売担当者のリテラシーにばらつきがあった。個別の商品や経済状況についての要因分析を行い、投資家にじっくりと説明してほしい。いまのように相場が下がっているときは、投資家に耳を傾けてもらえるチャンス。現在は、正しい理解と冷静な対応が求められている。大切なのは何よりも“わかりやすさ”だ」とアドバイスする。
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ニュースレター【金融リテラシー・マーケティング】とは
「リテラシー・マーケティング」とは、投資家のリテラシーをいち早く把握し、そのレベルに合わせた販売手法を確立しようとするものです。金融リテラシー研究所では、投信販売を顧客リテラシーから考えることをテーマに、ニュースレター『金融リテラシー・マーケティング』を季刊で発行しています。
本ニュースレターの制作を行う株式会社エディトは、モーニングスターが発行する金融フリーマガジンを編集している制作会社です。
※ご登場していただいた方々の肩書および掲載されている見解は、発行当時のものです。