
2011-8-31
純資産額の増加が続くJ-REIT市場
モーニングスターカテゴリー「国内REIT」(以下、J-REITファンド)全体の純資産額は、2009年2月末時点で1,886億円まで落ち込んだものの、2011年7月末時点では7,541億円にまで増加している。J-REIT市場が上昇基調にあることや継続的な資金流入が続いていることが要因となっている。
月次の資金流出入の推移を見ると、J-REITファンドは足元ではやや落ち込んでいるものの、2009年5月以降、投資家から継続的に資金を集めている。特に、2010年10月に、日銀が金融緩和策の一環としてJ-REITやETF(上場投資信託)などの金融資産を買い取る基金の設立を発表したことをきっかけに、J-REITファンドの純資産額が急増した。また、同月に通貨選択型ファンドが設定されたことなども、純資産額を増やす結果となった。
(図1)J-REITファンドの純資産額の推移

出所:モーニングスター作成。2008年7月末〜2011年7月末。
J-REITファンドの特徴
REITは、投資家から集めた資金で商業施設やオフィスビルなど不動産を購入し、そこから得られる賃貸収入や売却益を投資家に分配する仕組みとなっている。そのため、REITの分配金利回りは非常に高く、国債との比較では、J-REITは日本国債を大きく上回っている。J-REITファンドはこうしたJ-REITへ分散投資しており、J-REITの分配金を源泉とすることによって、高い分配利回りが期待できる。実際、2011年7月末時点で、毎月分配型のJ-REITファンドについて、分配金利回りの平均値を算出すると10.64%となっている。他のモーニングスターカテゴリーと比較して、非常に高いものとなっている。
一方で、2011年7月末時点の過去1年間では、J-REITは国内株式市場と同様に景気動向の影響を受けやすく、国内株式市場の動きと一定程度の連動性がみられた。モーニングスター大分類インデックス間で国内株式型に対する相関係数(期間は2010年7月〜2011年7月の1年間)を比較すると、他の資産クラスでは国際株式型が30.88%、国際債券型が8.82%にとどまるのに対し、国内REIT型は59.41%にも達する。図2をみても、東証REIT指数(配当込み)とTOPIX(東証株価指数)の動きが近似していることが分かる。そのため、国内株式とあわせ持つ場合には、その保有比率を確認する必要があるだろう。
(図2)東証REIT指数とTOPIX(東証株価指数)の推移

出所:モーニングスター作成。2007年末を100として指数化
また、J-REITファンドは現状、必ずしも設定本数が多いとは言えないが、投資方針などについてファンドごとに違いがある。例えば、「東証REIT指数」などベンチマークからの超過収益を目指すアクティブファンドの中でも、ベンチマークとの連動を目指すインデックスファンドと銘柄の組入比率が近いファンドもある。このほか、財務面で優良な銘柄を中心に組み入れるファンド、割安性を重視した銘柄選別を行うファンドや、J-REITだけでなくJ-REITを投資対象とするETFや社債に複合的に投資するファンドなども存在する。投資目的やポートフォリオについて十分に調べた上で、投資するファンドを選びたい。