
2011-10-13
新興国株式ファンドのコストは徐々に低下傾向
ここ数年、中国やブラジルなど新興国21ヵ国の株式市場の動きを反映した「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ベース)」へ連動を目指すファンド(以下、新興国株式インデックスファンド)の設定が増えている。新興国の株価指数に連動するファンドとしては、ブラジル・ボベスパ指数など特定の新興国の株価指数への連動を目指すファンドも設定されており、多様化が進んでいる。
新興国株式インデックスファンドのコストについて比較すると、新興国株式インデックスファンドの信託報酬等(税込)は0.66%と、新興国株式ファンドの1.49%に対して2分の1以下となっている。つまり、インデックスファンドは圧倒的にコストが低く抑えられている。また、新興国株式インデックスファンドは設定本数が増加するにつれて、信託報酬等(税込)が低下する傾向にある。
図1:新興国インデックスファンドと新興国株式ファンドの信託報酬等の推移
(単位:%)

出所:モーニングスター作成
数値は信託報酬等(税込み)、2001年から2010年までは年末時点。2011年のみ9月末時点。
新興国株式:カテゴリー「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」のうち、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ベース)への連動を目指すファンドを除いたファンドの平均値
新興国株式インデックス:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ベース)への連動を目指すファンド
の平均値
新興国21ヵ国、600以上の銘柄に分散投資
「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円ベース)」は先述のように新興国21ヵ国、600以上の銘柄で構成されており、新興国株式へ幅広く分散されている。組入比率上位国としては、中国、韓国、ブラジル、台湾、南アフリカなどとなっている。「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」はMSCI社がインデックスの算出や銘柄入れ替えなどの判断を行っているため、韓国やメキシコなど他のインデックスでは新興国と位置づけられていない国も入っている点には留意が必要である。
図2:新興国株式インデックスの国別構成比率

出所:「Morningstar Direct」よりモーニングスター作成
2011年9月末時点
新興国株式インデックス=「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」
また、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」は先進国株式を代表するベンチマークである「MSCIコクサイ・インデックス」と比較して、景気動向に敏感な金融や素材などのセクターの組入比率が高い一方で、景気動向に対して抵抗力のあると見られるヘルスケアや生活必需品などのセクターの組入比率が低いことなども影響して、景気動向に影響を受けやすい傾向がある。実際、過去3年間の「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」と「MSCIコクサイ・インデックス」の標準偏差(リターンのばらつきを表す指標で、大きいほどリスクが高い)を比較すると、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」が大きく上回っている。
図3:新興国株式インデックスと先進国株式インデックスのセクター比較
(単位:%)

出所:「Morningstar Direct」よりモーニングスター作成
2011年9月末時点
新興国株式インデックス=「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」
先進国株式インデックス=「MSCIコクサイ・インデックス」
新興国株式インデックスファンドのメリット・デメリット
新興国株式インデックスファンドに投資するメリットは、幅広い新興国への分散投資、安いコスト、ベンチマークの設定にみられる明確な運用方針などが挙げられる。一方、デメリットとして、新興国株式へ投資するため、他の資産クラスと比較して、リターンの変動が大きいことなどには留意したい。また、新興国株式インデックスファンドは、先進国株式インデックスファンドなどと比較して、設定本数が少なく、選択肢が狭められている。今後、さらに設定本数が増加することが望まれる。