ハイ・インカム(イールド)債券ファンド

利回りが高く、多様化が進むハイイールド債ファンド

2012-2-20

利回りの高いハイイールド債

 高い分配金利回りなどを背景に、ハイイールド(高利回り)債に投資するファンド(以下、ハイイールド債ファンド)は、非常に人気が高い。ハイイールド債とは、一般的にはS&P社からBB以下、Moody's社からBa以下の格付けが付与されている低格付け債券を指す。発行体の信用力が低く、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性、つまり信用リスクが投資適格債より高いものの、利回りは高い点が特徴である(図1参照)。

図1:各国、地域別の債券利回り

図1:各国、地域別の債券利回り

出所:モーニングスター作成、2011年12月末時点
ハイイールド債=「バンク・オブ・アメリカ メリルリンチ US ハイイールドマスター II 」、新興国債券=「JPモルガン EMBI グローバル・ディバーシファイド」、世界債券平均=「バークレイズ・キャピタル グローバル・アグリゲート」、米国債=10年債単純利回り、欧州債=ユーロ圏10年債単純利回り、日本債=10年債単純利回り

 こうした高い利回りを背景に、2012年1月末時点におけるモーニングスター類似ファンド分類「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」の分配金利回りの平均値は12.76%と、モーニングスター類似ファンド分類(100分類)の中で最も高い。ハイイールド債ファンドの分配金利回りはここ数年、一貫して高い状態にある。高い分配金利回りを背景に、2011年のハイイールド債ファンドの純資金流入額は1兆1,939億円と、モーニングスター類似ファンド分類の中で2番目に大きい規模となっている。

図2:ハイイールド債ファンドの分配金利回り推移

図2:ハイイールド債ファンドの分配金利回り推移

出所:モーニングスター作成

一般的な債券とは異なる特徴を有するハイイールド債ファンド

 ハイイールド債には利回りが高いという特徴に加えて、景気拡大局面において一般的な債券よりも価格下落率が抑えられる、または上昇するという特徴があげられる。一般的な債券の価格は景気拡大局面では下落するが、ハイイールド債券の価格は景気拡大に伴って発行体の信用力が高まるため一般的な債券よりも下落率が抑えられる、または上昇する傾向にある。一方で、景気の後退局面では一般的な債券の価格が上昇したとしても、ハイイールド債の価格は発行体の信用力低下とデフォルト率の上昇によって一般的な債券よりも上昇率が抑えられる、または下落する傾向がある点には留意すべきだろう。ハイイールド債ファンドへの投資にあたっては、こうした特徴などを理解したうえで、他の債券や資産と組み合わせて分散投資を行いたい。

様々なハイイールド債ファンドが登場

 ここ最近、設定されるハイイールド債ファンドとしては、先進国だけでなくアジアや新興国のハイイールド債を主要投資対象とするものが増加しており、設定本数ベースで見たシェアも拡大している。実際、先進国のハイイールド債よりもアジアや新興国のハイイールド債は利回りが高く、魅力的である。ただ、相場環境が悪化した時には大きく下落するリスクもあるので注意が必要となる。さらに、「通貨選択型」ファンドの設定も目立っており、事前に投資対象などを含めた商品設計、コスト、リスクなどをきちんと把握した上で投資することが求められる。

図3:ハイイールド債ファンドにおける
アジア・新興国ファンドのシェア(本数ベース)

図3:ハイイールド債ファンドにおけるアジア・新興国ファンドのシェア(本数ベース)

出所:モーニングスター作成
2012年1月末時点

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