MORNINGSTAR

モーニングスターカンファレンス2015〜2015年の投資環境〜採録モーニングスターカンファレンス2015〜2015年の投資環境〜採録

第4部 特別講演「新潮流 拡大するリキッド・オルタナティブ」

第4部 特別講演「新潮流 拡大するリキッド・オルタナティブ」

個人投資家からの需要を受けて米リキッド・オルタナティブ市場は5年で5倍以上に拡大

 第4部では、ニューバーガー・バーマン代表取締役社長 マネージング・ディレクターの大平亮氏と 投資戦略営業部 ヴァイス・プレジデント 藤波新氏が、ヘッジファンドへの投資で投信業界の新たなトレンドとして注目を浴びる“リキッド・オルタナティブ”について講演した。

  大平氏は、個人投資家向けにヘッジファンドの運用手法を提供するリキッド・オルタナティブのマーケット規模が米国において2009年の約6兆円から2014年の約31兆円と5年間で5倍以上に拡大したと述べた。ヘッジファンドは、従来、機関投資家や一部の富裕層のみを対象とした商品であったが、「米国だけでなく日本の個人投資家にとっても新たな選択肢として定着し始めるだろう」と語った。同社では、1939年以来の公募投信の運用ノウハウや2002年以来のヘッジファンドの運用ノウハウを活かした“リキッド・オルタナティブ”の先駆者的存在として、今後さらに関連情報を投資家に伝えていく方針だ。

従来の投資手法では限界、ヘッジファンドでリスク抑制

 続いて、藤波氏がヘッジファンドとリキッド・オルタナティブについての詳しい説明を行った。藤波氏は冒頭、「ヘッジファンドと聞くとハイリスクハイリターンで怖いと思っている方もいるだろう。しかし、ヘッジファンドは元々”ヘッジ(抑制)する”という言葉が示す通り、金融市場の不安定なブレを抑えることを目指す運用手法であり、決して怖いものではない」と述べた。また、米国株式市場の上昇基調が続く中で高値警戒感が台頭しており、従来通り買い続ける手法では限界があると指摘した。

 ヘッジファンドでは、値下がりするほど収益が増えるショート(売り建て)を組み合わせることでリターンを追求する戦略もあり、リスクを抑制することが可能だ。藤波氏によると、ITバブル崩壊時や2008年の金融危機時にはヘッジファンドは株式市場よりも下落幅を小幅にとどめており、長期で見るとヘッジファンドは株式市場よりも優れた運用実績を残している(図表7参照)。

対談用写真

ニューバーガー・バーマン株式会社社
代表取締役社長 マネージング・ディレクター

大平 亮氏

図表7:ヘッジファンドと株式市場の累積リターン

図表7:ヘッジファンドと株式市場の累積リターン

※ ヘッジファンド(全戦略):HFRIファンド比重コンポジット指数、米国株式市場:S&P500指数。
出所:Bloomberg

手数料を抑えて流動性が高い“リキッド・オルタナティブ”

 藤波氏は「リキッド・オルタナティブができてから個人投資家はヘッジファンドに投資しやすくなった」と説明した。リキッド・オルタナティブとはヘッジファンドの運用戦略を用いる投資信託やETF(上場投資信託)のことを指し、“リキッド”とは“流動性が高い“ことを意味する。従来のヘッジファンドは成功報酬などのコストが高いほか、ファンドの買付・解約の時期が制限されているといった問題があった。一方、リキッド・オルタナティブは成功報酬がなく、手数料も抑えられているほか、日次で買い付け・解約が可能とされる。また、少額から投資が可能であることから米国においては個人投資家層に幅広く普及し、さらに確定拠出年金の運用対象としてヘッジファンドが選ばれていることもあり、リキッド・オルタナティブの運用資産残高は年間で平均40%成長しているという。

対談用写真

ニューバーガー・バーマン株式会社
投資戦略営業部 ヴァイス・プレジデント

藤波 新氏

図表8:リキッド・オルタナティブ運用資産残高推移

図表8:リキッド・オルタナティブ運用資産残高推移

※ リキッド・オルタナティブは非伝統債券を含む、1米ドル= 100円換算。2014年9月末時点。
出所:モーニングスター

 藤波氏は最後に、「2015年は米国の金融政策が緩和から引き締めへと大きく変わっており、用心深くマーケットを見る必要がある。リキッド・オルタナティブを資産の一部にして頂くべく、負けにくい運用を心掛けたい」と締めくくった。

リスクと手数料について
投資信託は預金等や保険契約と異なり、預金保険機構、保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
登録金融機関が扱う投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
運用により信託財産に生じた損益はすべて投資家のみなさまに帰属します。
資産運用にあたりましては、商品によって為替や価格の変動等により損失が生じるおそれがあるほか、所定の手数料や諸経費などをご負担いただく場合があります。ご検討の際は、該当商品の契約締結前交付書面(交付目論見書等)をよくお読み下さい。

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

Copyright© 2015 Morningstar Japan K.K.All rights reserved.