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投信エキスポ2016投信エキスポ2016

パネルディスカッション

資産運用新時代を勝ち抜く真の運用戦略とは
〜インデックス運用とアクティブ運用が徹底討論!〜

パネリスト

  • コモンズ投信株式会社
    取締役会長 
    渋澤 健氏
  • バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
    投資戦略部長 
    塚本 俊太郎氏

コーディネーター

  • モーニングスター株式会社
    代表取締役社長 
    朝倉 智也

アメリカで顕著なインデックスファンドへの資金流入

朝倉:
投信EXPOオープニングのパネルディスカッションは、混とんとする世界情勢の中で、どのような運用が良いのか? インデックス運用とアクティブ運用の2つの運用手法のそれぞれリーディングカンパニーからパネリストを迎えて意見を闘わせていただく。
インデックス運用とは、市場平均と同じような動きをする運用をめざすもの。アクティブ運用は指数プラスの成績を求める運用をいう。運用コストは、インデックスの方が低いという特徴がある。運用成績は、インデックス運用は運用会社による差がほとんど出ないが、アクティブ運用は運用会社ごとに差がでてくる。
アメリカではアクティブからインデックスへという選好の流れが明らかだ。特に、リーマンショック後にインデックスへの大幅な資金流入が続いている。既に、米国でのインデックス比率はETFを除くベースで24.5%にまでなった。
まずは、議論を始める前に、バンガードの塚本さん、そして、コモンズの渋澤さん、それぞれ簡単な自己紹介をお願いする。
塚本氏:
バンガードは、世界最大の投資信託運用会社だ。低コストでの運用商品の提供をモットーに、会社の規模や収益を経営目標にするのではなく、「投資家のために正しいことを実行する」というただひとつのことを目的に経営している会社。
渋澤氏:
アクティブは、いろんなアクティブがある。私は、米系のインベストメントバンクからヘッジファンドを経てコモンズ投信を立ち上げた。創業の際、子どもの誕生と同時に始めた積み立て投資の魅力に気づき、積立投資の魅力を広めることができるような運用サービスを提供したいという思いが強くあった。
対談用写真

コモンズ投信株式会社
取締役会長

渋澤 健氏

朝倉:
バンガードはインデックスファンドで圧倒的ナンバーワンの会社だ。1975年に創業者のジョン・ボーグル氏が会社を興した時には「ボーグルの愚行」とまで言われたが、見事に世界一の運用会社に成長した。バンガード社とは?

図表1:バンガード運用ファンドの資金流出入推移

図表1:バンガード運用ファンドの資金流出入推移
  • 出所:モーニングスター作成
  • ※ 米国籍投信(ETF含む)
  • ※ 期間:1993年-2017年。2017年は1-7月。
塚本氏:
バンガードへの資金流入は、2014年ごろから急速に進んでいる。2017年は8月までに昨年並みの28兆円の資金が入ってきた。
バンガードは、全ての投資家に公平に向き合うということを真剣に、愚直に行っている。現在、約500兆円の資金を運用し、世界に1万5,000人の従業員がいる。
バンガードには、「明確で適切な投資目標を設定する」「広く分散されたファンド」「投資コストの最小化」「長期的な視点を持つ」という4つの投資指針がある。長期・分散・積立投資を低コストで継続できるような運用サービスに徹している。
対談用写真

バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
投資戦略部長

塚本 俊太郎氏

塚本氏:
低コストについては構造的な理由がある。まず、会社の保有構造について、一般の会社には株主に収益を配分する必要があるが、バンガードはファンドがバンガードの株主になっているため、株主還元も含めて収益の全てがファンドの投資家に還元される仕組みになっている。また、バンガード独自の取り組みとしてインデックスファンドとETFを合同で運用することでコストを下げている。この合同運用の仕組みはバンガードが特許を持っているため、他社にまねのできない仕組みになっている。
そして、バンガードの飛躍の法則は、優れた低コストの商品を提供し、それが、成長することでスケールメリットを得て、さらに低コストの商品を提供する。このサイクルが回ることで、成長を続けることができる。実際に、米国籍のファンドの総経費率は1985年には0.61%だったが、現在では0.17%になっている。
対談用写真

モーニングスター株式会社
代表取締役社長

朝倉 智也

図表2:運用コストの推移

図表2:運用コストの推移
  • 出所:バンガード及びLipper, a Thomson Reuters Company。
  • ※ * エクスペンス・レシオは2016年12月31日現在。ファンド純資産に対するパーセンテージで表示。
  • ※ ** 運用会社大手 (除くバンガード) は、バンガードを除く投資信託運用会社上位20社 (毎年12月末時点のファンド純資産合計ベース) の加重エクスペンス・レシオ。バンガード・ファンドのエクスペンス・レシオの範囲は0.01%〜1.46% 。
朝倉:
運用会社にある利益相反で、株主が販売会社である場合に、株主と投資家とどっちの利益を優先するのかということが問われるケースがでてくるが、株主と投資家を一致させることで、全ての利益を投資家のためにというのは、非常に分かりやすい説明だった。

玉石混交のアクティブファンドから優れたファンドの条件は

朝倉:
アクティブファンドである「コモンズ30ファンド」は、千差万別のアクティブファンドの1つ。パフォーマンスもコストも玉石混交だが、モーニングスターレーティングでは、「コモンズ30ファンド」は3つ★から5つ★の間で常に上位を占めて安定したポジションにある。コモンズとは?

図表3:「コモンズ30ファンド」のレーティング推移

図表3:「コモンズ30ファンド」のレーティング推移
  • 出所:モーニングスター作成
  • ※ 期間:2012年1月〜2017年7月
渋澤氏:
「コモンズ」とは、コモングラウンドという人が集まる場所を意味している。人々が集まって、「今日より、良い明日をつくろう」と希望を持てる場だ。そして、投資家と投資先企業、運用会社の3者がともに世代を超えて幸せになることを考えている。三者が幸せになれるポイントは「成長」だ。
2009年から運用を始めた「コモンズ30ファンド」のコスト控除後のパフォーマンスとTOPIX(配当込み)を比較すると、リターンはTOPIXの年率10.4%に比較してコモンズは同12.7%、リスク(標準偏差)はTOPIXよりコモンズの方が小さくなっている。TOPIXよりローリスクで、ハイ・リターンを実現している。
朝倉:
リターンが高ければリスクも高いのが一般的。インデックスよりリスクを抑えるには銘柄選定の能力に係ること。エンゲージメントという観点からも、銘柄選定についてどのようにしている?
渋澤氏:
価値判断を5つの軸で行っている。企業の収益力という見える価値は氷山の一角にすぎない。決算など数値で現れているのは過去の話。これからの見通しは数値化できない、見えない価値が重要。トップの言葉を聞き、従業員も同じことを言っているのかということに注目することで、企業文化のような見えない価値の把握もできる。投資先との対話が大事だ。
図表4
渋澤氏:
コモンズでは、企業の「統合レポート」を読み解くというイベントを開催している。「コモンズ30ファンド」の投資家の方々が集まって、企業の担当者に統合レポートの内容で分かりやすいところ、分かりにくいところなどをフィードバックしている。投資先の見える化の一環だ。また、投資先企業から人材の採用や育成について話をしてもらう機会などを設けている。人材についてはバランスシートには載っていないが、非常に重要な要素だ。
また、投資先企業にお声がけをして定期的に「企業価値研究会」を開き、非財務情報を見える化するためにどのような取り組みができるかについて話し合いをしている。
朝倉:
アクティブにはいろんな考え方がある。コモンズは非常に魅力的な取り組みをしているといえる。ところで、インデックスのメリットは?
塚本氏:
第一に、低コストで市場全体に投資することができる。VTという「バンガード・トータル・ワールドETF」は、先進国から新興国まで、大型・中型・小型も含め47カ国8000銘柄に投資しているが、経費率は0.11%だ。また、アクティブ運用だと、マネージャーを選ぶことが難しいが、インデックスファンドはマネージャーを選ぶという難しい作業は不要だ。これもインデックスの魅力だと思う。
朝倉:
インデックス運用のコストが注目されがちだが、アクティブ運用はコストでは勝てない?
渋澤氏:
市場の変動率を表すβ(ベータ)にはコストをかけるべきではないと思うが、超過収益である(アルファ)には適切な報酬があってよいと考える。
たとえば、1990年代にヘッジファンドには、信託報酬が1.0〜1.5%で成功報酬が20〜25%だったが、2000年頃には信託報酬3.0〜3.5%で成功報酬が30〜50%になった。これは行き過ぎた事例だと思うが、信託報酬が1%で成功報酬がないというコストはがしっかり出ているのであれば、高すぎるというものではないのではないかと思っている。

インデックスとアクティブの使い分けのポイント

朝倉:
バンガードというとインデックスで有名だが、実はアクティブ運用もやっている。
塚本氏:
運用資産残高の23%はアクティブ運用で、約131兆円を受託している。世界でもトップクラスといえる。米債での運用が半分くらいを占める。アクティブ度合の強い性格のファンドは外部委託で任せている。アクティブでも長期運用が大事で、低コストの商品を提供している。バンガードのアクティブ運用ファンドの運用成績は、1年間の平均リターンがインデックスに勝っているのは60〜70%程度だが、3年以上の長期になると90%程度以上はインデックスを上回っている。
外部委託をする際にも、ある程度の残高を任せることを条件に交渉し、低いコストで商品提供を受けるようにしているため、平均で0.20%となっている。
朝倉:
モーニングスターは3年以上でスターレーティングを付与している。運用期間についての考え方は?
渋澤氏:
世代を超えられる運用をめざしている。5年保有リターンで評価してもらえるようにしたい。自分が何に投資しているのかを学びたいという方も多いはずだ。30社と対話ができることをメリットとして感じていただきたい。一般的には価格だけを見て上がると売ってしまう投資家も多いのが現状だ。投資先と対話することによってじっくり持つことができるようになるのではないかと考えている。
朝倉:
インデックスとアクティブについて、その特徴は理解していただけたと思う。どのように使っていけば良いのだろう?
塚本氏:
インデックスか、アクティブかというのは、よいアクティブ運用会社を選ぶ能力を投資家が持ち合わせているか次第で、持ち合わせていなければ100%インデックス運用がよいということになる。投資に関する知識がある方で、が出ていることが確認できるのであればアクティブの選択もあると思う。その場合でも弊社の定量分析によると、ファンドのコストが低くなければ、アクティブ運用の比率は高くはならない。
渋澤氏:
消費する時に、百貨店もセレクトショップも使っていると思う。全てを百貨店で揃えることはない。石鹸はここで買うことに決めている、などそれぞれ消費にはこだわりがある。これまでのファンドは百貨店ばかりが出していた。現在は、良いものを安いコストで提供している独立系の会社があることを知ってほしい。
朝倉:
ポイントは、パッシブもアクティブも併用できるということにあると思う。どのように使い分ければよいか、最後にメッセージを。
塚本氏:
アクティブファンドは、コスト控除後のがキチンとでているか、スキルに見合ったフィーなのかということをしっかり評価する必要がある。ポートフォリオにはβが大事。ここはインデックスでしっかり分散したポートフォリオを組みたい。インデックスをコアに、アクティブを補完的な手段として使うという使い方があると思う。
渋澤氏:
投資ではが大事だ。私たちは子ども向けのセミナーも開いているが、は何も儲けのことだけではない。好きだけでは挫折する。楽しければ続けられる。長期投資は楽しくなければ続かない。長期投資は楽しいというを伝えていきたい。
セミナー風景

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