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不動産投資セミナー「FP・MBAホルダーが伝授!初心者が不動産投資を始める前に練るべき大事な戦略」 | モーニングスターセミナー採録 不動産投資セミナー「FP・MBAホルダーが伝授!初心者が不動産投資を始める前に練るべき大事な戦略」 | モーニングスターセミナー採録

第1部
資産運用のひとつとして考える
不動産投資の魅力&注意点

ファイナンシャル・プランナー 
北野 琴奈 氏

マイナス金利と
資産運用を取り巻く環境

 昨今の経済状況を概観してみたい。日銀のマイナス金利導入から1年半が経過した。この間の変化として、住宅ローン金利や国内金利は昨年9月の日銀の政策変更によって、10年国債の利回りがゼロ%程度に浮上し、マイナスの状況から変わりつつある。J−REIT市場は最近では調整ぎみだ。ただ、価格の調整により、利回りの平均は4%を超えてきている。

 東京の平均地価は緩やかな動きになっている。もともとリーマンショック前の2006年〜07年頃はミニバブルといわれるくらいに価格が上がったが、リーマンショック時の下落を経て、2011年頃から少し上向いてきているというのが現状だ。ただ、物件による価格差は開く傾向にあり、「2極化」が進んでいるといわれている。

 ここ数年の不動産市場の特徴は、購入者が増加していることだ。個人の資産運用、J−REIT、相続税対策での購入、そして、外国人と買い手が増えることによって、東京の不動産市場が拡大している。価格も上向いてきたのだが、昨年くらいから、一部で変化が表れている。

ファイナンシャル・プランナー
北野 琴奈

 アパート向けの融資が一部減少している。金融機関の対応は一様ではないが、年収制限を厳しくし、預金を預け入れることを条件にするなど、一部の銀行ではアパート融資を渋るような動きが出ていることは事実だ。

 また、不動産投資のメリットとして家賃収入を得られるということがあるが、これまでの不動産投資の経験から、「家賃が上がるのは簡単ではない」という思いがある。強い景気が続き、賃金が安定的に上昇しないと難しい。基本的に家賃上昇は期待しない方が良い。

不動産投資の
コストを把握する

 金融商品と不動産の違いは、購入した後にあると思う。購入するしないを決めるまでは、不動産も金融商品も似ているが、購入した後は、金融商品は運用会社に運用を任せきりになる一方、不動産は自分の裁量でいろんな決定権を持っている。

 また、不動産投資を上手くやるためには、不動産の中で分散していくことが大事。物件の立地や築年数を分散すること、また、現物不動産とREITを合わせて持つなど、不動産の種類を分けて持つことも大事だと思う。

不動産で資産形成・運用

不動産で資産形成・運用

 そして、不動産のコストは正確に予測するのが難しい。たとえば、退去時の設備の更新費用は、基本的に大家が負担する。エアコンや給湯器などの経年劣化による買い替えは大家の負担だし、入居募集をする際のコストは実際その場にならないとわからないことも。突発的な出費がある場合もあるので、見えにくい。

 賃料があまりに低い物件は採算が合いにくいことも。あまりに家賃が低いと借入金の返済を家賃で賄えないということになってしまう。そして、融資が付かない物件は、安く購入できたとしても売却する時に売りにくいというデメリットがある。

 木造の物件は、金融機関によっては耐用年数22年以下でしか融資をつけないといった制限がある。たとえば、ローンを組んで10年が経過すると、残る耐用年数は12年になっているので、次に購入する人は12年以内のローンしか組めないということになる。

 不動産は、自身の工夫次第で収益を安定させ、向上させることもできる。保有していたマンションで、小まめにリフォームしていたところ、口コミで内部がきれいという評判になって、企業が社宅として複数の部屋をまとめて借り上げてくれたことがある。社宅として借りてもらえると、収益が安定する。半面、1社だけと社宅の契約をしてしまうと、その企業の業績が悪くなった場合に、リストラ等で一挙に社宅の借り上げがなくなるというリスクがある。リーマンショックなどのような強烈な不況の時に大変な思いをした。

不動産投資のポイントは
「立地」と「管理」

 不動産投資のポイントは、「立地」と「管理」だ。管理については、トラブルなどが起きた時に、しっかりした管理会社が付いていてくれると、交渉事を管理会社に任せておくことができる。また、管理会社は入居者の募集などでも力を貸してくれるので、良い管理会社と付き合うことは重要だ。

 不動産業界は意外とITに弱いところもある。基本的に管理会社とはメールのやり取りで、たまに電話をするくらいで不動産の運用はできるが、ITに弱いところとは、連絡のやり取りが大変になる。ただ、連絡方法はともかく、管理会社とのやり取りは必須なので、対人関係をしっかりできることも必要な能力といえる。

 不動産の投資も金融商品と同じで、分散が大事。立地や築年数、また現物と証券化されたもの(REITなど)といった様々な視点で柔軟に考えたい。金融商品については、NISAやiDeCoなどの税制優遇講座を有効に活用したい。金融資産も含めて、自身のポートフォリオ全体をバランスよく運用するということを考えたい。

セミナー風景

第2部
不動産投資を成功に導く為の
“経営戦略的思考”

プロパティエージェント 
常務取締役 野呂田 義尚 氏

不動産投資のメリット

 不動産投資とは、物件を購入し、家賃収入を得ながらローンを返済し、最終的には物件を売却することで利益確定をするという流れ。家賃収入に対して、ローンの支払い+管理費+修繕積立金などが費用になる。

 リスクとしては大きく分けて8つ想定しているが、最も大きなもので、空室のリスクがある。東京23区の入居率は現在88.9%だが、都心から外れると一段と空室のリスクが高くなる。空室リスクも乗り越えてローンの返済が終わってしまうと、家賃収入が年金+αの不労所得として見込める。また、不動産投資のメリットとして、ローンには団体信用生命保険が付くので、生命保険としての効果がある。

プロパティエージェント株式会社 
常務取締役

野呂田 義尚

リスクを客観的に理解する

 空室や家賃の下落が、どの程度のリスクになるのだろうか?たとえば、10.5万円の家賃収入がある物件について、毎月のローンの支払いが10万円だとすると、毎月の収支は0.5万円の黒字になる。ところが、1年間に1カ月の空室があった場合、収支は1カ月当たり0.5万円の赤字になる。35年ローンとして考えると、合計210万円の赤字になる。

 また、10.5万円の家賃、10万円のローン支払いという同じ条件で、家賃を1万円減額する必要に迫られると、毎月の収支は0.5万円の赤字になる。しかも、一度引き下げた家賃の値上げは難しく、家賃を下げるような物件では、売却の時の条件も悪くなってしまう。

 一方、管理費について、エントランスなどの共用部分は管理組合の責任で修繕積立金を積み立てて修繕費にあてる。この管理組合がずさんな場合、ある日突然、修繕積立金を引き上げるということになる場合もある。また、全国平均で家賃の滞納率は37%になっている。この滞納に対して、管理組合の運営が健全に行なわれているかも重要になってくる。

 金利上昇の影響も大きい。たとえば、家賃10.5万円の物件を3,000万円のローンで金利1.7%で借りていた場合の毎月の返済額は9.5万円だが、金利が3.0%になると返済額は11万円になってしまう。もっとも金利が上がる時には景気が良く、家賃の引き上げ交渉などが通りやすい。ただ、家賃は基本的には2年ごとの更新時に交渉することになるので、緩やかにしか変化しない。

 その他に、地震や火災などの災害リスクもあるが、これは保険でカバーするようにする。圧倒的に多いのは、家賃の滞納などの人災なので、そこは管理会社との連携で問題を解決するようにしたい。

不動産投資に活かす
経営戦略の視点

 不動産投資を経営戦略の視点で考えてみよう。3C分析(customer顧客/competitor競合/company自社)で物件を客観的に見極めたい。「顧客」の面では、立地が適当なのか? 地域の人口動態はどうなっているのか? 近隣の駅の乗降者数はどうかなどを調べる。「競合」は、近隣物件と比較して、家賃の水準や物件のデザインや仕様などは劣っていないかを客観的に見る。「自社」とは、自分自身の家計の収支を考えて無理のないローンを組んでいるのかなど。

 SWOT分析(Strength強み/Weakness弱み/Opportunity機会/Threat脅威)、あるいは、4P分析(Product物件/Price賃料/Place立地/Promotion販促)などといったマーケティングの基本的な考え方がある。このような手法を、購入を検討している物件に当てはめて考えることによって、物件の価値を俯瞰的に見ることが大事だ。

 不動産投資は、安定的な家賃収入が入ってくるが、購入当初は、ローンの支払いやその他の経費負担によって実質赤字状態が続くだろうが、ローンの完済によって、それ以降は安定的な家賃収入を積み上げていくことができる。空室率が低く資産価値の高い立地の物件を選び、金利等を考えて無理のないローンを組みたい。

 また、物件の価値は、自分自身の好き嫌いではなく、借りて住む人の価値観に沿ったマーケットインの考え方で評価するようにしたい。そして、収益を得るのは、ある程度保有した後に売却を考える方が成功確率は高くなる。

 当社が管理している物件の入居率は99.6%。2年連続満足度の高いデベロッパー総合第1位の評価もいただいている。ぜひ、安心してお付き合いいただけるパートナーとしてご検討いただきたい。

セミナー風景

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