モーニングスターETFカンファレンス2016採録モーニングスターETFカンファレンス2016採録

特別講演2

バンガードの考える、ETF活用法

  • バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
    投資戦略部長 
    塚本 俊太郎氏

構造的に低コストを実現するバンガード

 バンガードは世界最大の投信会社で、世界最大のインデックスファンドの運用者。そして、高い品質を保ちながら低コストの商品を提供している会社だ。運用資産残高は500兆円を超える。本社は、米国ペンシルベニア州バレーフォージという場所にある。フィラデルフィアから車で40分くらいの静かな郊外だ。

 バンガードの低コストは、構造的なものだ。まず、所有構造が「ファンドの投資家がバンガードを所有」するという独自の構造になっており、ファンドの運用で得た利益をファンドの運営コストの引下げなどにあてている。一般には、運用会社には第三者の株主が存在し、外部の株主に対し配当などを支払っているが、バンガードはファンドの所有者に対して利益を還元するという構造的な仕組みがある。

 また、バンガードは、ETFも個人投資家向けや機関投資家向けの運用も合同のファンドで運用するという方法をとっており、規模の優位性を活かし全体の運用コストを抑えるとともに、運用の安定化をはかっている。加えて、バンガードでは、優れた運用を行うことで多くのお客さまに利用していただき、そのスケールメリットをファンドのコスト削減等に活かし、さらにお客さまの満足度を高めて規模が拡大する循環の法則がある。このことによってもコストが押し下げられている。

 この結果、バンガードの平均エクスペンス・レシオ(総経費率)は、1985年当時に0.61%だったものが、現在では0.17%になっている。米国籍のETFの平均は0.10%になっている。

図表1:運用コストの推移

図表1:運用コストの推移

※ エクスペンス・レシオは2016年12月31日現在。ファンド純資産に対するパーセンテージで表示。
※ 出所:バンガード及びLipper、Thomson Reuters Company。
※ 運用会社大手(除くバンガード)は、バンガードを除く投資信託運用会社上位20社(毎年12月末時点のファンド純資産合計ベース)の加重エクスペンス・レシオ。バンガード・ファンドのエクスペンス・レシオの範囲は0.01%〜1.46% 。
※ 注:上記は米国籍の投資信託に関する情報です。上記のパフォーマンス比較は過去の実績を表したものであり、将来の運用成績を保証するものではありません。すべての投資はリスクにさらされています。

 100万円を投資し、年6%の平均リターンを実現した場合、35年後の純資産額は信託報酬(経費率)によって大きく異なる。日本のアクティブ投信の平均である1.19%で計算すると35年後の残高は518万円。パッシブ投信の平均0.49%では654万円、バンガードのETF0.10%だと744万円になる。アクティブ投信との差は226万円だ。長期になるほど、この差は大きくなるため、運用コストには十分に気をつけていただきたい。

「VT」「BND」「BNDX」で全世界の株式・債券に分散投資

 バンガードの投資指針は、ずっと変わっていない。(1)明確な投資目標を設定する、(2)広く分散する、(3)投資コストを最小化する、(4)長期で投資を継続する。

 たとえば、楽天証券の海外ETFの保有残高ランキングは、全口座でバンガードのETFがトップ3を占めている。全世界の株式に幅広く投資する「VT」、新興国株式に投資する「VWO」、米国株式に投資する「VTI」の3銘柄だ。NISA口座だけを見ると、「VT」「VTI」「VWO」以外に、米S&P500に連動する「VOO」、米国高配当株に投資する「VYM」もベスト10に入る。

対談用写真

バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社
投資戦略部長

塚本 俊太郎氏

 長期的な投資目標を達成するためのポートフォリオをETFで作ると、たとえば、前述の「VT」、米国債券に投資する「BND」、米国を除く世界の債券に投資する「BNDX」を組み合わせて世界中の株式と債券に投資するポートフォリオができる。インカムを重視した組み合わせであれば、「VT」を30%にし、「BND」+「BNDX」を70%。株式型なら「VT」70%と「BND」+「BNDX」を30%というポートフォリオもできる。

図表2:バランス型ポートフォリオ構築案

図表2:バランス型ポートフォリオ構築案

「楽天・バンガード・ファンド」で100円から世界分散投資を実現

 バンガードは今年、楽天投信投資顧問と共に公募投信「楽天・バンガード・ファンド」を立ち上げた。販売手数料ゼロのノーロード投信で、かつ、業界最低水準の信託報酬に設定している。また、分配金は再投資して複利効果があることに加え、公募投信としたことで100円から投資することができ、金額指定での投資や円での投資も可能になった。

 現在、3本のファンドを設定している。「VT」を通じて全世界株式8,000銘柄程度に投資する「楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)」、「VTI」を通じて米国株式4,000銘柄程度に投資する「同(全米株式)」の2銘柄はつみたてNISAの対象商品でもある。そして、「VWO」を通じて、新興国株式5,000銘柄程度に投資する「同(新興国株式)」だ。いずれも、同類のインデックスファンドの中で最も低い水準の信託報酬になっている。投資の選択肢として是非ご検討いただきたい。

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