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国内株式中小型 部門 最優秀ファンド賞

配当利回りに注目した中長期運用

受賞ファンド名:三井住友・配当フォーカスオープン

  • 三井住友アセットマネジメント株式会社
    株式運用グループ シニアファンドマネージャー 
    木村 忠央氏

誰もが注目する成長性を重視しない投資戦略

 「三井住友・配当フォーカスオープン」は、国内株を投資対象とし、配当に注目して投資銘柄選定をしています。ファンドマネージャーとしての運用の考え方を中心に話をしたいと思います。

 20年くらい国内株式の運用をやっていると、東証に上場している約3,500銘柄の動きには「物色」があることがわかります。その物色は、手掛かりは成長性によるところが大きいと考えています。たとえば、決算が良いということで株式が買われることはよくあります。これは、足元の業績の成長性を評価して銘柄が物色されたということです。

 一方で、「テーマ」による物色もあります。最近では、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、自動運転などのテーマがあります。テーマに乗って将来の成長が期待される銘柄が物色されるということもあります。

 足元の業績をみたり、将来をみたり、いろいろとありますが、結局のところ「成長性」を見ているということになります。株式市場では、成長性の高いものは評価されやすく株価も高くなりやすいという傾向があると思います。確かに、成長性の高い銘柄は、マスコミにも取り上げられ、証券会社のアナリストがレポートを書く時にも高い成長性に注目します。

 一方、成長性に乏しい銘柄も数多くあります。株価は評価されないために割安になっています。たとえば、財務体質が良く、利益も安定的な業績を出している。そこで、無理せず、安定的に配当も出している銘柄があったとします。成長性に乏しいため、株価は割安に放置されます。放置された結果、配当利回りが高くなっているという銘柄があります。このような銘柄は、どういった環境下でも必ず存在します。私は、このファンドで、ずばり、こういった銘柄に投資をしています。

 もっとも重視しているのは、高水準の配当を、かつ、それを継続することができると期待できる銘柄に厳選投資しています。成長性や増配などは重視していません。重視しているのは唯一、今の株価に対して高い水準にある現在の配当を今後も継続してくれるかどうかということだけです。

徹底したボトムアップと幅広い銘柄選択

 これを行うために、徹底したボトムアップアプローチと幅広い投資対象の中からの銘柄選択を行っています。 

図表1:高水準の配当を継続することが期待される銘柄に厳選投資

図表1:高水準の配当を継続することが期待される銘柄に厳選投資

 まず、ボトムアップアプローチですが、配当利回りの高い銘柄は、今の時代、誰でも簡単にスクリーニングができます。高いものを順番に買っていくようなやり方はしません。予想通り配当が支払われるか、配当に継続性はあるかということを調べます。

 業績の見通しは、利益がちゃんと出るかを調べます。成長性ではなく、安定性の観点から調べ、財務状況を確認し、業績が一時的に悪くなっても配当を継続できる体力があるかを調べます。そして、経営戦略として「利益を何に使う?」という点を聞きます。利益で大きな工場を建てるところもあります。内部留保で貯めている企業もあります。株主に配当する企業もあります。どのように利益を使うのかという方針は、直接経営者に聞いてみないと分かりません。年間にのべ400社に企業訪問し、各企業の考え方を聞いて、銘柄選定に活かしています。

対談用写真

三井住友アセットマネジメント株式会社
株式運用グループ シニアファンドマネージャー

木村 忠央氏

 また、東証1部2部上場銘柄の時価総額別の配当利回り分布をみると、企業の規模別に配当利回りの分布を出すと、大型株で配当利回りが高いものは少なく、中小型銘柄に配当利回りの高い銘柄が多いことが分かります。中小型株に着目することによって投資機会が大きくなります。

 また、大型株で高配当の銘柄は、銘柄数が少ないだけでなく、業種が偏っています。自動車、銀行、大手商社などに固まっています。中小型株を組み入れることによって、銘柄数が増えるだけでなく、業種の分散ができるようになります。結果的にリスクを抑えられるというメリットがあります。ですから、中小型株を積極的に組み入れています。

図表2:中小型銘柄に着目することで投資機会が広がる可能性

図表2:中小型銘柄に着目することで投資機会が広がる可能性
  • (注)当ページにおける「中小型銘柄」の定義は、時価総額1,000億円未満。
  • 出所:QUICKのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
  • ※上記は過去の実績であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。また、当ファンドの将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものでもありません。

配当の継続性に注目すると、リスクを抑えて良いリターンを得る

 このように投資方針を説明すると、疑問に思われる方がいらっしゃると思います。成長が期待されていない万年割安な銘柄を買って、リターンは出るのだろうかと疑問に思われるようです。「大丈夫なのか?」ということですが、はっきり、「大丈夫です」とお答えしたいと思います。

 成長性のある銘柄は、すでに評価され、株価がもともと高くなっています。期待通りに業績が伸びると良いのですが、期待通りにいかないと株価は下落します。つまり、成長性に注目すると、うまくいくとリターンも大きいのですが、失敗すると株価の下落も大きくなります。反対に、成長性がなくても、配当の継続性に着目すると、大きな値上がりを得る機会は少ないのですが、大きく下落することも少なく、トータルとして成長株投資に負けないということができます。さらに、ポートフォリオのリスクを抑えることができます。リスクを抑えつつ、それ以上のリターンが得られることができます。今回、最優秀賞に選ばれたのも、リスクを抑えつつ、リターンも出せたということが背景にあると考えています。

 投資の有名な格言に、「人の行く 裏に道あり 花の山」というものがあります。株式投資をしていると、多くの人が、どうしても大きなリターンを狙って、成長性を追いかけてしまいがちです。それは、大多数の方々の考え方なのです。そのウラの道を行く運用方法で、これからも安定したリターンを獲得していきたいと思っています。

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