モーニングスターセミナー採録 今、ひそかに市場の注目を集める、太陽光発電ファンドの魅力に迫る!モーニングスターセミナー採録 今、ひそかに市場の注目を集める、太陽光発電ファンドの魅力に迫る!

第二部 講演

日本再生可能エネルギーインフラ投資法人の特徴と戦略

  • アールジェイ・インベストメント株式会社
    代表取締役社長 
    三原 淳一郎氏

再生可能エネルギー開発の専門会社がスポンサー

 「日本再生可能エネルギーインフラ投資法人」(9283)は、東証のインフラ市場に3番目に上場したインフラファンドになる。2017年3月29日に上場したので、ちょうど上場から1年が経過したところだ。

 インフラファンドの仕組みは、概ねJ−REITと同じ。J−REITは投資する物件のテナント収入を投資家にお返しする仕組みだが、インフラファンドは、投資する物件をオペレーターに賃貸し、賃貸収入を得て、投資家に分配金を出している。オペレーターは、電力会社に電力を販売して売電収入を得るという仕組みだ。

 当ファンドの特徴は、まず、スポンサーがリニューアブル・ジャパンという設立6年目のベンチャー企業であり、再生可能エネルギー発電所の開発を専門としている事業者である。スポンサーが設立間もない企業であるため、そのスポンサーの信用力にファンドが依存しないような仕組みをつくっている。

 まず、当ファンドとオペレーターの間にSPC(特別目的会社)を置いて、そこに賃料等積立口座を設けている。ここに賃料3カ月分に相当する現金と、予備費として1カ月分、合計4カ月分の現金を貯えている。太陽光発電の売電収入は日照時間が短いと予定の収入に届かない場合があるが、そのような不調の時には、この積立金を取り崩して補てんする仕組みにしている。

 また、オペレーター業務をスポンサーが担っているが、スポンサーが経営破たんなどをした場合、バックアップオペレーターとして、NTTファシリティーズが業務を速やかに代行する仕組みも用意している。

地域分散により安定的な売電収入を確保

 賃料は、過去30年間の日照データに基づく平均日照から試算される売電価格から必要経費を差し引いた金額を基本賃料として定めている。基本賃料に満たなかった場合は、賃料等積立口座から補てんするが、平均日照時間よりも日照が多かった場合、100〜110%であれば、超過分を積立口座に補てんする。また、110%を超えた場合は、その半分を変動賃料として配当に上乗せするルールにしている。

 上場来の1年間(2決算期)の毎月の売電収入額は結構凸凹している。昨年9月、11月には台風が日本列島を縦断し、発電量が落ちた。ただ、決算期を通して見ると、第1期は基本水準の108%、第2期は102%、上場来105%と基準を上回っている。近年の温暖化等の影響から、上振れするリスクが高いと思っている。

 また、売電量を発電所ごとに確認すると、上場時に取得していた8カ所の発電量は、月によって凸凹がある。ただ、トータルして上場来の発電実績は予想比合計で104%と予想を上回る実績になった。地域を分散することによる効果が確認できた。

図表1:J-REITの時価総額と銘柄数の推移

 今後の売電収入の増加を支える発電所の開発計画は、スポンサーの開発案件だけで、47物件、約450メガワット分がある。1メガワットで約4億円に相当するので、450メガワットで約2,000億円分の新規取得可能な物件がある。

 スポンサーの特徴は、新しい企業なので、発電所の開発にあたってその地域や地元住民への対応に丁寧に当たっている。既に、岩手県一関市、宮城県気仙沼市など8自治体と「立地協定」を結び、発電所の建設が地域や地元住民にメリットがあるように、地域に密着した交渉を行っている。また、立地協定を結んだ自治体のあるエリアを中心に、全国に10の地方事務所を置いて、地域の声を直接聞くようにしている。

 また、スポンサーは東急不動産と資本業務提携を結んでいる。現在、認可を受けた450メガワットの発電所開発に共同であたるなど、資金や開発面で互いにメリットがある提携になっている。

中期的に資産規模1,000億円をめざす

 スポンサーが予定している450億メガワットの発電所は、2019年から2020年以降に着工される予定だ。今年2月に公募増資をして9物件を追加した結果、17物件、140億円の資産規模になっているが、今後、5年間程度で徐々に資産を積み上げて中期的に資産規模1,000億円をめざしていきたい。

図表2:主要先進国の長期金利推移

 現在の17物件は、北海道から九州の大分まで日本全国に分散している。東西に長い日本列島は、日照の良いところと悪いところがあり、全体に広く分散することで安定的な売電事業が展開できる。2月の増資によって北海道、関東、中部、九州なども加わって地域の分散が進んだ。また、物件の売り主も当初はスポンサーだけだったが、現在は東急不動産の開発物件も取得している。

 ESGへの対応も積極的に進めている。環境認定の国際格付けであるGRESBのインフラ版が2016年に創設されているが、当投資法人は日本で初めてGRESBのレーティングを取得している。

アールジェイ・インベストメント株式会社 代表取締役社長 三原 淳一郎氏

アールジェイ・インベストメント株式会社
代表取締役社長

三原 淳一郎氏

 太陽光発電以外に再生可能エネルギーは風力、バイオマス、小水力、地熱など様々な電源の開発が可能だ。太陽光の場合は、各地域の過去30年間の日照などのデータがすぐに揃って簡単につくることができる。また、パネルの値段も下がっている。このため、上場インフラファンドは、太陽光発電を中心に物件を取得している。

 風力は、日照データのようなデータがない。このため、風力測定など数年間にわたる環境アセスメントのプロセスが必要になる。この検証期間の収益は生まないので資金調達が難しい。バイオマスの場合は、木材チップや廃材などを20年間といった長期にわたって安定的に供給可能かどうかという問題が大きい。それぞれに簡単ではない理由があるが、電源の多様化によってリスク分散もできるので、引き続き検討していきたい。

 第2期の1口当たり分配金は3,258円だった。3,200円の分配を基本方針にして運営しているため、年間の分配額は6,400円。投資法人の価格が10万4,000円程度であるので、配当利回りは6.1%程度になっている。今後も安定的な分配金が出せるようにしていきたい。

<協賛>

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