モーニングスターセミナー採録 今、ひそかに市場の注目を集める、太陽光発電ファンドの魅力に迫る!モーニングスターセミナー採録 今、ひそかに市場の注目を集める、太陽光発電ファンドの魅力に迫る!

第五部 パネルディスカッション

パネルディスカッション

パネリスト(会社名50音順)

  • アールジェイ・インベストメント株式会社
    代表取締役社長 
    三原 淳一郎氏
  • いちご投資顧問株式会社
    上席執行役 グリーンインフラ本部長 
    日色 隆善氏
  • タカラアセットマネジメント株式会社
    代表取締役社長 
    橋 衛氏

モデレーター

  • モーニングスター株式会社
    プロダクト開発本部 ファンド分析部 マネージャー 
    坂本 浩明

3社それぞれの特徴は?

坂本:
3ファンドそれぞれの特徴、差別化のポイントは?
三原氏:
「日本再生可能エネルギーインフラ投資法人」の特徴のひとつは、スポンサーパイプラインが450メガワットあり、これに優先交渉権を持っている。組み入れを増やして外部成長の余力が大きいことがある。
また、スポンサーが東急不動産と共同で発電所の開発にあたり、資金的なバックアップもある。独立系でありながら、共同で開発する安心感がある。
そして、発電所が全国に分散していること。東西に広く分散して発電所を保有しているが、今後も分散したポートフォリオを維持していきたい。
日色氏:
「いちごグリーン」は、長期保有に資するしっかりとした管理、安定的な運用を行っている。発電所にライブモニターを設置し、リアルタイムの発電量を報告し、10カ年予想を公表するなど、安心して長期保有していただける環境づくりをおこなっている。
また、利益超過分配金を積極的に分配し、手元に資金を残さないというのも特徴だ。保有資産については、固定価格買取制度の残存期間(17年−18年)で減価償却を行っており、固定価格買取制度終了時には減価償却が残らない。資金が流出しない費用である、減価償却費のおよそ35%を利益超過分配金として投資主に還元し、残りを銀行ローンの返済に充てている。
高橋氏:
「タカラレーベン・インフラ投資法人」は、分配構造として利益超過分配金を除く利益部分でいかに分配していくのかということを強く意識して分配を実施している。
また、電力需要を意識したポートフォリオをつくっている。将来的には全国に分散したポートフォリオになってくると思うが、その過程においても電力需要が多いところを中心にポートフォリオを組んでいくということが特徴だ。

インフラファンドにあるリスク要因は?

坂本:
リスク要因を聞きたい。一般に電力買取価格について、買取価格が下がることに対して懸念する人が多い。また、金利上昇に対する利払いの影響、減価償却費の分配など、どのようなリスクがあるのか?
高橋氏:
固定価格買取制度(FIT)に裏付けられた資産の買取価格は、当初の40円から、36円、32円、21円と下がって、今年度は18円になっている。今後も価格の低下は進んでいく。東日本大震災をターニングポイントとし、電源を再生可能エネルギーに多様化する中で、それを促すためにFITができたため、導入が優先される当初は価格が高く設定され、その後、徐々に低下するのは当然のことだと思う。
この買取価格の低下が、分配金に影響するのではないかという懸念を持たれる方が少なくないが、買取価格の低下は事前に分かっていることなので、それに対応しているため、買取価格の低下が分配金に影響することはない。
「タカラレーベン」では、買取価格の低下に応じた資産の買い入れをしている。40円の物件と21円の物件では物件の購入価格が違う。買取価格の水準に応じた買い入れによって分配金のパフォーマンスに影響が出ないようにしている。
日色氏:
インフラファンドは、各ファンドともに安定的な投資主還元を行う構造になっている。インフレには弱く、デフレに強いという側面があると思うが、安定的な分配であるがゆえに、金利の動向には影響を受ける傾向は否めない。
各社で借入は固定金利であったり、金利スワップを活用するなどの手法によって金利上昇が収益を圧迫することがないように取り組んでいる。非常に安定的な商品である故に、金利上昇局面では、投資口価格が軟調に推移する傾向が出てくるであろう。その点では、インフレに弱いといえる。
いちごグループでは、「いちごオフィス」「いちごホテル」「いちごグリーン」という3つのファンドがあるが、安定的なREITと比較しても「いちごグリーン」はもっとも安定している。「いちごオフィス」は、今はオフィスの賃貸が好調だが、景気によって空室リスクや減賃リスクが高まる。「いちごホテル」もインバウンドの好調に支えられて業績が良いが、地域紛争などによって一気にインバウンド需要が減退するということを経験している。一般的に安定しているといわれるREITよりも安定しているのがインフラファンドだ。
今後の経済の見通しは人それぞれだと思うが、デフレの心配がある場合はインフラファンド、景気が拡大する見通しであればREITという使い分けもできると思う。
三原氏:
買取価格の低下について、40円だったものが18円になっているが、この間、パネルやパワコンなど開発コストも劇的に下がっている。買取価格の決定にあたっては、業者へのヒアリングも踏まえ、マージンが取れる水準で設定されているので、買取価格が下がるからといって関連事業者が倒産するなどといったことにはならない。
一方、火力発電などの化石燃料による発電コストは13円−14円といわれている。この水準まで買取価格が下がってくると、グリッドパリティと言われるが、電力を電力会社だけではなく、ガス会社や一般の事業会社でも買ってくれるようになる。
また、パネルについてはメーカー保証で25年などがあり、買取制度の20年間を超えても発電する能力はある。設備は20年間で減価償却をしてしまうが、減価償却が終わってもバリューが残ることも忘れてはならない。

インフラファンドの将来展望

坂本:
市場の展望は? 別のエネルギー源、風力、バイオマスなど新電源への取り組みは?
高橋氏:
インフラファンド市場の見通しとしては、政府が総電源の比率を2030年に水力を含めた再生可能エネルギーの比率を22%―24%まで高めるという計画を持っている。太陽光発電は7%で、バイオマスや風力の比率も高まってくる。現在は、太陽光発電は作りやすい発電所なので設置が多いが、今後はそれ以外の発電所も広がってくると思う。ファンドとしても取得を進めたい。
今後は、全般的な傾向として再生可能エネルギーが拡大する方向なので、ファンドの事業環境は明るいといえる。
日色氏:
日本の再生可能エネルギーは、太陽光から開発が始まり、陸上風力、洋上風力へと広がってきている。バイオマスの事業化には、チップの安定的な供給先を確保できないと難しい。チップの価格上昇なども考えられるため、インフラファンドとしてバイオマスは簡単ではないと考えている。
今後の技術発展の可能性は大きいが、今の技術の水準では、インフラファンドとして組み入れられるのは、太陽光、次に、陸上風力、洋上風力ということになるだろう。陸上風力の後に、洋上風力、地熱、バイオマスなどが5年、10年という単位で新たな対象に加わることになるのではないだろうか。
三原氏:
少し違った観点から展望すると、インフラファンドには年金基金など大きな金融機関が市場に入ってくることが想像できる。今は、マーケットが小さいので投資対象にみなされていない。また、インフラファンドのインデックスもなく、インフラファンドにまとめて投資するETFなども存在しない。このようなことが整備されると、いろんなお金が入ってくるマーケットになる。
お金が集まって来ると、インフラファンドの購買力も大きくなる。これまでは、バイオマスや地熱など銀行のプロジェクトファイナンスが付かないと開発できないような大きな案件も、自前のキャッシュフローで開発できるようになるだろう。これによって、マーケットも一段と拡大すると思う。今は、J−REITの黎明期と同じ段階なので、これからいろんな展開がある。東証も市場の成長に非常に力を入れている。今後、J−REITのように発展していくと確信している。
坂本:
政府の後押しもあって、今後も大きく成長する期待のあるマーケットであることがわかった。また、各ファンドは、資産の買い入れによる外部成長を伴って、大きな成長の余地があることもわかった。
市場の変動が大きい中にあって、分散投資先の一つとして、また、低金利が続く中で魅力的な利回りを確保する手段としてインフラファンドに注目していただきたい。

<協賛>

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

広告企画・制作=モーニングスター株式会社

Copyright© Morningstar Japan K.K.All rights reserved.