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第一部 講演

これからの不動産投資を成功に導く“経営戦略的思考”

  • プロパティエージェント株式会社
    常務取締役 
    野呂田 義尚氏

不動産投資6つのメリット

 不動産投資の全体像を俯瞰すると、不動産の購入に始まり、家賃収入を得るステージがあって、最後に売却して利益を確定することで終わる。購入に当たっては、「頭金」が必要で、フルローンで考える場合も最低でも10万円の頭金が必要となる。その他、仲介手数料などの諸費用、また、不動産取得税も必要になる。また、家賃収入を得る段階になると、家賃を得ながら、ローンを返済することになるが、この際に建物の管理費と修繕積立金の支出がある。最終的に物件を売却することで利益が確定する。これらの資金の出入りの全体像を把握することが大事だ。

 不動産投資のメリットは、いくつもある。(1)長期で安定したインカムゲイン(家賃収入)、(2)インフレ対策、(3)レバレッジ効果、(4)生命保険効果、(5)節税効果、(6)相続税対策など。このうち、「安定したインカムゲイン」については、現在でも毎月の家賃収入によって4%程度の利回りが得られる。このため、年金対策として不動産の取得を考える方が多い。しかし、空室になると家賃が入ってこないというリスクがある。現在、東京23区の平均入居率は88.9%で、10室に1室は空室になっていることになる。

 また、「生命保険効果」については、住宅ローンを組んだ場合に団体信用生命保険に加入する。死亡した場合は、ローンの返済が全額免除される保険で、この保険に高度障害・介護保険・3大疾病などの保障を付け加えることもできる。団体信用保険のおかげで、万が一のことがあった場合は、ローンが完済されるとともに、ご家族にはマンションと家賃収入という安定収入が残される。

不動産投資の8つのリスク

 一方、リスクについては、しっかり把握していただきたい。最も大きなリスクは、「空室」と「家賃下落」だ。たとえば、購入時に家賃10.5万円でローンの支払い10万円として、毎月の収支が5,000円のプラスだったとする。この物件が、1年に1カ月は空室だった場合、毎月の支出が約5,000円の赤字になってしまう。あるいは、同じ条件で始めたものが、家賃が1万円下落しても毎月の収支は5,000円の赤字だ。1カ月に5,000円なので、35年間では210万円の赤字になってしまう。また、マイナス収支の物件は、売却価格にも悪影響を与えることになるので注意が必要だ。

 「管理費・修繕費の上昇」というリスクもある。物件の日常的なメンテナンス費用としての管理費と、大規模修繕の準備のための修繕費だが、管理費の積算が不十分で日々の管理業務がずさんになってしまった場合、想定異常に管理費が値上がりする場合がある。また、全国で管理費・修繕費の滞納率が37%というデータがある。物件の管理を親身になって代行してくれる会社に委託することが重要となる。

対談用写真

プロパティエージェント株式会社
常務取締役

野呂田 義尚氏

 「設備の故障」も、経年劣化によるものはオーナー負担になる。キッチンの水洗や備え付けのガスコンロ、エアコン、ガス給湯器など設備の交換費用がかかる。特に中古マンションにおいては、既に入居者がいる場合、設備をチェックできないこともある。長く持つほどにリスクが上がることも注意点だ。

 「金利上昇」も収支を悪化させる。自分ではコントロールできないリスクのひとつだ。たとえば、家賃10.5万円の物件を3,000万円で購入し、金利1.7%で借りて毎月の返済額が9.5万円だったとすると毎月1万円の黒字だが、金利が3%に上がると毎月の返済額が11万円になり、収支が5,000円の赤字になる。もっとも金利が上昇するのは、景気が良い時なので、家賃を上げる交渉もできるが、基本的に2年ごとの更新を待たなければならないし、上げられるかどうかも明確ではない。

 「天災」もある。地震や火災などだが、これらは保険でカバーするしかない。ただ、中古物件を購入する場合は、1981年以前の建物は旧耐震で震災などに弱いので注意が必要だ。また、家賃等の滞納などの「人災」もある。管理会社が助けてくれないと、賃料を踏み倒されたり、裁判になって余計な費用が発生したりすることがある。さらに、「会社」のリスクもある。購入時に家賃保証のサブリースの約束だったのに数年で取りやめになったり、管理がずさんだったりすることがある。あるいは、頭金を払った後に開発会社が倒産して頭金が返ってこないなどのトラブルもある。これらの8つが、よくあるリスクといえる。

経営戦略の視点で不動産投資のリスクを低減させる

 不動産投資のリスクについて事前に確認し、その対策を事前に考えておくことが大事だ。そして、不動産投資のリスクを減らし、不動産投資で失敗しないために、経営戦略の視点を取り入れたい。

 たとえば、「3C分析」という手法がある。Costomer(入居者)、Competiter(周辺物件)、Company(自分の物件を含む自分自身)の3要素について分析する。入居者にとって最寄駅は魅力的か、乗降者数は十分にあるか、地域の人口動態は上昇しているかなどを検討する。駅から物件までの間に、競合する物件はどの程度あるのか。その物件と比較してデザインや仕様は見劣りしないかなど。そして、自分の資産や収入の状況、融資を受けられる与信枠はあるのかなどの状況を検討する。購入を検討している物件と自分の状況について客観視して可視化できることがポイントだ。

 「SWOT分析」によって、物件の「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」、また、外部要因の「機会(Opportunities)」と「脅威(Threats)」を俯瞰的にチェックすることも重要。これをすることによって、物件について捉えるポイントや「質問項目」が整理され、物件への理解度が向上する。

 また、「4P分析」によって購入後に円滑に不動産投資を進めるためのポイントを押さえたい。「Price(家賃設定)」は、利回りに直結するため慎重に考えたい。周辺物件と比べて妥当か、賃料相場は上昇傾向か下降傾向かなど客観的に判断する。「Product(物件)」は入居者ニーズを満たしているか客観視する。「Place(立地)」は需要が高いか、リセールバリューがあるかを見る。そして、「Promotion(販売促進)」については、ターゲットとする入居者は絞り込まれているか、管理会社は信用できるかなどをチェックする。

 さらに商品戦略として「マーケットイン」「プロダクトアウト」という2つの考え方がある。不動産のように競合他社が多い場合は、市場やユーザーのニーズを調査・分析した上でニーズを反映した商品を提供するマーケットインの考え方で作られた物件の方が良い。

 実際の不動産物件においては、市場調整能力が働き、リスクとリターンが釣り合う水準にほぼ全ての物件が集まる。そのような中でもいわゆる優良物件と言われるのは、リターンがリスクを「少し」上回るゾーンに位置する物件だ。3C、4P、SWOTなどの分析手法によって、購入を検討している物件が優良物件と言えるかどうかを客観的に見極めることによって、より成功に近づけることができる。

顧客満足度が高いプロパティエージェント

 物件を選ぶ際には、3C、4P、SWOTなどのポイントをフレームワークにあてはめて、メリットとデメリットを客観的に把握するようにすべきだ。必ず優良物件を購入したい。そして、マーケットインの観点で検討し、市場にマッチした物件を選びたい。

 プロパティエージェントは、マーケットインを具現化するために「スコアリング」と「モデリング」という独自の手法を用いている。用地の仕入れの段階から、立地や周辺環境を徹底的に調べ上げ、地域の入居属性に基づく設計と建築を実施している。このため、年間平均入居率は99.3%(2018年度実績)と東京平均の88.9%を大きく上回っている。また家賃保証物件で保証賃料金額が下がったことは一度もないという実績を残している。管理業務についての評価も、第3者機関の満足度調査で、2年連続で顧客満足度1の評価を得ている。

 オーナー様にご満足いただくため、プロパティエージェントでは、仕入れから、設計、販売、管理まで一気通貫のサポート体制を敷いている。また、不動産投資が初めての方が不安に思う確定申告についても専門の税理士がサポート。さらに、賃貸手数料は業界平均が5%程度のところ、最低水準の3.5%で、うち1%はリフォーム費用として積み立てているので実質2.5%にしている。

 不動産投資は、高い買い物になる。分からないことをそのままにしないで、一つひとつ確認した上で、購入の是非を判断するようにしてほしい。

 また、不動産の購入を検討する時に、昔住んでいた地域で愛着があるなど、自分の個人的な好みは考えないで判断したい。投資用不動産には自分は住まないので、住む人の立場に立って、客観的に判断することが大事だ。

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