投信エキスポ2016投信エキスポ2016

パネルディスカッション

つみたてでおこなう資産運用

パネリスト

  • コモンズ投信株式会社
    取締役会長 
    渋澤 健氏
  • セゾン投信株式会社
    代表取締役社長 
    中野 晴啓氏
  • レオス・キャピタルワークス株式会社
    取締役 運用本部長 シニア・ファンドマネージャー 
    湯浅 光裕氏

コーディネーター

  • 株式会社横浜銀行
    個人営業部長 
    都田 ゆか氏

人生100年時代への備えの考え方は? 従来の60歳定年の常識を抜本的に見直す

都田氏:
「人生100年時代」に備えておくべき資産作りについて、どうすれば良いのかお考えをお聞かせください。
渋澤氏:
私が生まれた1961年に「国民皆保険制度」が始まりました。60年代当時の日本人の平均寿命は65歳くらいでした。ですから当時の社会保障制度は、65歳くらいで亡くなることを前提に設計されていたのです。
さて、日本人の収入を曲線で表すと、10代の頃は少ないのですが、20代になって就職してから上がり始め、50代くらいでピークを付けて下がります。一方、支出の曲線は、緩やかに上がってきて、結婚や子供の就学などで一時的に上がっていくのですが、後年になって、収入を上回り、そして、90歳以降に終末期医療などの関係で支出が上がるという曲線になります。人生100年時代を考えるということは、この働いて得る収入が減少し、支出が収入を上回っている期間の生活に備えることを考えることです。
私たちにできることは、現役の時に、未来のために貯えるということです。1960年代に現在の社会保障の枠組みができた時には、貸出金利が8%、国債の利回り7%、預金金利が5%という時代でした。当時の金利があるのであれば、単純に預金していれば十分な備えが作れたかもしれない。しかし、現在は預金金利がゼロ%。しかも、インフレになっているので、預金に預けていると逆ザヤです。単純に貯めるだけではだめで、増やすことを考える必要があります。
どうやって増やすのかというと、成長しているところにお金を振り向けるという考え方が良いと思います。株式投資は、その一つの方法です。
対談用写真

コモンズ投信株式会社
取締役会長

渋澤 健氏

「投資」というと、投げる資金と書くので、何か良くないことに感じられるようですが、英語では「invest」といいます。「in」は「入れる」ということで、「vest」は「チョッキ」です。成長へのチケットをチョッキにいれて持っているというのが、「invest」が意味するところです。貯金ではなく、インベストが必要だと思います。
中野氏:
「人生100年」という言葉がすっかり定着しましたが、この言葉を聞いても、自分には関係ないと思っている人が多いのではないでしょうか? 自分は老い先長くはないからと考えてはいませんか?
私は身近に人生100年を感じています。私は3人兄弟の末っ子で、父親が40歳の時に生まれた子供なのですが、父は今、95歳で存命です。まさか自分が50歳を過ぎてまで父親が生きているとは思ってもいませんでした。父も、「こんなに生きるとは思わなかった」と言っています。そして、母は89歳ですが、極めて元気です。110歳くらいまで生きているのではないかと思います。
対談用写真

セゾン投信株式会社
代表取締役社長

中野 晴啓氏

私は人生100年を実感しているのですが、ここに来られている多くの方々も100歳まで生きるということを前提に考えた方が良いと思います。
たとえば、今年始まったつみたてNISAについて、70歳の方は「自分には関係ない」とおっしゃるかもしれませんが、100年を考えると30年間あるのですから、つみたてNISAの20年間を十分に活用できるのです。
発想の転換が必要です。これまでは、60歳になると、そこから死へのカウントダウンのような考え方でしたが、100歳を考えると、まだまだ先が長いのです。100歳までの期間をプラスに転じるような考え方が必要でしょう。資産運用もライフプランも抜本的に変わります。
これまでは60歳までにいくら作るかを問題にし、数千万円を老後に取り崩すという考えでした。しかし、これからは大きく変わります。向こう5年くらい先には、多くの企業で定年がなくなると思います。65歳でも70歳でも元気で働ける人は働いているでしょう。65歳を過ぎても働いているということは、富を生み出すことができているのですから、投資を止める必要がないのです。
これまでは、60歳までに投資を止めるというのが前提でしたが、60歳からも資産運用を続けることが新しい常識になると思います。運用しながら取り崩すという考え方です。
お金を成長資産で育てながら取り崩すと、一定金額以上の資産があれば、取り崩しても減らなくなります。安心して老後の生活を送れるのです。人生100年をポジティブに考えるということは、エンドレスに運用を続けるということだと思います。
湯浅氏:
100年という時間を有効に使う、時間を味方に付け、加えて投資をするということが大事なのだと思います。時間を味方にした投資というのは、ご存知の方も多いと思います。
日米欧の個人金融資産の資産配分の状況を調べると、日本では現金・預金の比率が高いことがわかります。資産の内訳を、現金・預金、有価証券、保険・年金と3つの分けて考えると、日米欧ともに保険・年金が概ね30%程度を占めます。残る70%の資金の振り分け方が異なるのです。日本は70のうち、50〜55が現預金です。米国は13%しかありません。ヨーロッパは、だいたい3つの資産を3分の1ずつ持っています。
対談用写真

レオス・キャピタルワークス株式会社
取締役 運用本部長 シニア・ファンドマネージャー

湯浅 光裕氏

時間を味方に投資するというのは、投資の中味をバランス良く配分するということも大事です。このような投資の仕方は昔から変わっていないと思いますが、改めて資産の中味を分散して投資するということが重要になってきます。

資産運用に踏み出すポイントは? 少しずつ、分かっているものに投資する

都田氏:
運用はしなくてはならないと思っているのに、今一歩踏み出せないという人もいます。一歩踏み出すために何が必要でしょう?
渋澤氏:
少額から始めるということが一つの解決策になると思います。退職金でまとまったお金があったとしても、投資の経験がない方は、全部ではなく、少額から始めてみるのです。
時間を味方にという話がありましたが、時間は資産だと思います。ただ、毎日1日ずつ減っていきます。人生100年時代でも、毎日減ることには変わりがないので、早めに使うことを考えましょう。
つみたてNISAは、1年間の限度額が40万円ですから、毎月3.33万円。1年で40万円に世界の株式市場の平均リターンである年8%で運用すると、1年間で3.2万円の収益ですが、毎月3.33万円を40年間積み立て、平均年8%の利回りで運用ができたとすると、いくらになると思いますか? ゼロ%金利であれば、40万円の40年分ですから、1,600万円です。これを年8%で運用すると1億円を超えます。
40年という時間を資産として活用することを考えてください。時間を味方につけることが大事。一方で、この時間という資産は毎日減っていきますから、早く使った方が良いのです。
中野氏:
一歩を踏み出すためには、ちょっとでも行動することが全てだと思います。投資を本で勉強してから始めるというのは間違いです。
昨日、女性活躍支援セミナーで話をして、多くの女性の方の意見を聞いたが、投資に対するイメージは悪いものでした。「怖い」「損しそう」「下品」「ダーティ」など、これは大半の人が持っている共通認識だと思います。ここには大きな誤解があります。
投資を品がない、損をすると思っている人は、投資がギャンブルだと思っているのです。投機的な行動を投資と混同していると思います。
皆さんの投資のイメージとして、証券会社に行って、上がる株を教えてもらって、うまく上がったらすぐに利益を確定して、次の株を探す。相場で勝負して勝ちに行くことが投資で、勝ち続けることが投資の極意だと思っている人はいませんか? これは、大きな勘違いです。そのような行為は、トレーディングといって、単なる取引に過ぎません。日々の値動きを予測するという偶然性に賭ける行為はギャンブルです。
投資の本質は、自分のお金を通じて経済活動に参加する行為です。自分のお金が事業の支えとなって使われ、世の中に笑顔や幸せをつくり出す糧となるのです。豊かさを生み出して、経済が成長し、そのお礼としてリターンを得る。これが投資です。多くの人が投資を勘違いしているのですが、投資とは、世の中を豊かにすることに参加することであるということを、知っていただきたい。私たちは、これを徹底して広めていく必要があると思っています。
実際に投資の一歩を踏み出すということには、つみたてNISAの活用が一番いいと思います。少額で積み立て投資をしていきますから、入口としては怖くもなく入りやすいと思います。
湯浅氏:
ここに登壇している3社は、信念を持って投資に取り組むことで会社を経営し、ミッションを持った投資をするということで行動を起こしていますが、これまでの金融界には、必ずしも投資について正しいメッセージを伝えていないということが多くあったのだと思います。だからこそ、私たちは、自分たちで運用会社を作っています。
私たちが行った調査で、国民の70%が金融のことは積極的に知りたくないと思っているという調査結果があります。金融のことは聞きたくないと皆さんに思われているということは、金融界として反省する必要があると思います。
「投資」については、「自己投資」「教育投資」、あるいは、企業の「設備投資」など、投資ということは普通に行われていることです。その中で、自己投資は一番大きな投資だと思います。そのように普通にやっている投資を、金融についてもやっていくということだと思います。
運用を始めるといいますが、まずは投資があると思います。投資をして後に運用が始まります。私たちと一緒に是非、投資を始めていただきたいと思います。

運用商品の選び方は? 顔の見える運用会社と長く付き合うこと

都田氏:
運用を始めたいと思っている方に、どんな商品が良いのか? そして、メッセージをお願いします。
渋澤氏:
商品選びのポイントは、「成長」だと思います。たとえば、今、トルコの国債には20%程度の利回りがありますが、この利回りは、トルコが破たんするかもしれないということを懸念した利回りです。タイミングよく投資できれば、儲かる可能性もありますが、一般的には破たんするかもしれないというものに手を出すべきではないと思います。
もうひとつ、金融商品を勧める方に、その商品をあなたも買っていますか? と聞いてみてください。ここの3社は、それぞれに、「もちろんです!」と答えます。自分たちが信念を持ってやっている投資に、一緒に参加していただきたいと思っています。
そして、運用者の顔が見えない、良くわからないものにも投資をしない方が良いと思います。
私が長期の積立投資について、熱心にお勧めするのは、自分自身の経験があるからです。40歳の時に子どもが生まれ、この子が大人になった時に、新しいことにチャレンジする未来があればいいと考えて積立投資を始めました。自分自身がやってみて、積立投資は、下がっても口数が増えるのでうれしいという投資だということが良くわかりました。
私たちは、今日より明日のために、良い成長のために投資していますが、投資を成功させるポイントも、未来を信じる力だと思います。未来を信じたいと思うこと、その信じる力を合わせれば、大きな力になります。より良い明日のために投資をしていただきたいと思います。
中野氏:
金融機関に相談することは悪いことではないが、何より、自分で考えて最終的には自分で判断するということをやっていただきたい。誰かに判断を任せるということが日本人の弱点だと思うのです。自分で考えて良いものを選ぶということで、選ぶ目も磨かれると思います。
自分で選ばなかったために、毎月高分配型のファンドが売れたということがありました。リート系のファンドの中には、分配率が年10%以上のものもありました。実際の不動産投資を考えれば、せいぜい3%〜4%の利回りなのに、リートファンドだけは12%といわれれば、普通に考えればおかしいと思うと思います。これが、自分の判断で投資することの大事なところです。
また、運用者の顔が見えているということも大事です。どんな思いで運用しているのか、同じ方向を向いている人と一緒に投資をするというのが、本来の投資だと思います。
湯浅氏:
繰り返しになりますが、顔が見える運用は大事だと思います。金融機関に対する不信感があるのだとしたら、それは金融機関側のアプローチの仕方が間違っていたということもあるでしょうし、投資家の皆さんにも知ろうとする意欲が小さかったという部分もあると思います。
今でもニュースで様々な詐欺の話が出てきます。被害額は、100億円とは1,000億円とか時には極めて大きな被害額となり、それが世界中にあります。これなどは、お互いのことを知らないから起こることだと思います。
私たちは、投資の考え方や投資の内容について、直接お客さまに説明することをやり続けていきます。投資家の方々も、ぜひ、どういう運用会社なのか、どんな考えで投資をしているのかということについて調べていただきたい。そして、ご自身で共感できるところを選んでいただきたい。そして、時間をかけてつき合って言っていただきたいと思います。

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