投信エキスポ2016投信エキスポ2016

講演4

世界の投資家が注目する米国金融市場

  • 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
    担当部長 
    百瀬 順治氏

米国景気の現状と見通しと米国の金融政策

 米国の4半期ごとのGDP成長率は2018年の第1四半期(1月〜3月)まで2%以上の高い成長を続けてきたが、第2四半期(4月〜6月)では4.1%と非常に高い成長を記録した。

 経済成長への貢献度を見てみると、個人消費を表す民間最終消費支出が好調を持続している。また、法人減税が効果をあげて民間設備投資もプラスを維持している。今後の米国経済を考える上では、この好調が続くかどうかがポイントだ。

 ISM(米供給管理協会)景況指数という企業の仕入れ担当役員のアンケート結果から算出した指数では50が景気の良し悪しの分岐点となるが、足もと、製造業も非製造業も50を大きく上回っており、今後も景気拡大が続くとみている。現時点では貿易戦争の影響は出ていない。また、消費者信頼感指数も上昇を続けていて消費者も先行きを楽観的に見ている。これら先行指標から、企業、消費者ともに米国経済は拡大が続くとみている。

 米国のFRBは物価の安定と雇用の最大化のために金融政策を実施している。米国の金融政策を決めるFOMCが重視している消費者物価指数、コアPCEデフレーターは2%に向かって上昇しており、米国の利上げはもう少し続くと考えられる。そして、雇用状況は、失業率がFRBが考える完全雇用の状態4.5%を下回っている。雇用の最大化の目標は達成しているといえる。

 米国は、2017年12月〜2018年の6月まで3回の利上げを実施した。現在の政策金利は1.75%〜2.0%の水準。FOMCメンバーの政策金利の予想では2018年末は2.375%であり、0.25%ずつの引き上げ2回に相当する。このため、9月と12月に金利が引き上げられると見ている。一方、市場参加者のなかには1回程度と見る向きもある。

対談用写真

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
担当部長

百瀬 順治氏

 いずれにしろ、経済が好調で、これを持続させる金融政策がとられていくと考えられ、株式投資や債券投資には非常に良い環境にあるといえる。

世界の市場で活躍する30社で構成するNYダウの成長力は健在

 NYダウは、1896年から算出が始まり、米国の経済成長とともに歩んできた米国の株式市場を代表する株価指数。NYダウは30社で構成されているが、日本の株式市場、約3600社の時価総額とほぼ同じ規模。また米国株式市場全体の22%を占める大きな規模。時価総額が大きいからこそ流動性が高く、世界中の投資家が注目している。

 NYダウは昨年から上昇し、既に高値圏ではないかという懸念もあるだろう。しかし、同じ騰落率を同じメモリ幅で表す対数グラフでみると、長期で安定的に上昇していることがわかる。実数でみると急激に大きく上昇し、大きなリターンをあげているようにみえるが、騰落率でみると長期間一定の収益を獲得し続けているのだ。

 現在のNYダウ採用の30銘柄は、ボーイング、ウォルトディズニーなど、良く知られている企業が多い。海外売上高比率が高い企業が多いのも特徴だ。世界中で売上を伸ばしている企業であるため、海外での知名度も高いといえる。株式投資をする際に、会社名を知っていれば、何をしているのかが分かるので投資の不安が小さくなる。NYダウは世界中で活躍する企業の集まりであり世界の投資家が投資をするのだ。

 今年6月、世界最大のドラッグストアチェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが、1896年のNYダウ誕生時から採用されていたGEに替わって採用された。NYダウは、このように、その時々の米国の産業構造に合わせて銘柄の入れ替えを行うため、指数でありながら、成長が期待できる米国を代表する銘柄に投資するアクティブ運用を行う投資信託に似ている。

 NYダウ採用銘柄の今後の業績について1株当たり利益で見てみると、2020年末まで順調な拡大が予想されている。PERは過去の平均を上回る水準にあるが、企業業績の拡大によって割高とはいえない水準であり、PBRについても現状はそれほど心配する水準とはいえない。

図表1:NYダウと1株当たり利益の推移
(2008年6月末〜2018年6月末、月次)

図表1:NYダウと1株当たり利益の推移(2008年6月末〜2018年6月末、月次)
  • ※ 1株当たり利益はNYダウ採用銘柄の1株当たり当期純利益(各月直近12カ月の実績値)の合計。
  • ※ 1株当たり利益の2018年末以降の予測は当資料作成時点のBloomberg予測値。
  • 出所:Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
  • ※ 上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。

 このNYダウに投資するファンドとして「SMTAMダウ・ジョーンズ インデックスファンド」がある。この投資信託は、NYダウの30社に投資するファンドで、円評価したNYダウに連動する投資成果をめざしている。NYダウが堅調に上昇していることを反映して、設定来、概ね好調なパフォーマンスを残している。

米国地方債は、収益性・安全性・安定性で優れた投資先

 米国の政策金利の引き上げにより、米国10年債の利回りが足もと3%台に上昇してきたことにより、米国の高利回り債券への投資が見直されてきている。なかでも、米国の地方債は、収益性、安全性、安定性の3つの側面で注目される。

図表2:米国地方債の3つの投資魅力

米国地方債の3つの投資魅力
  • ※ 上記はイメージ図であり、米国地方債の特徴の全てを表すものではありません。

 収益性では、2018年6月末現在で比較すると、米国地方債の利回りは3.6%と米国国債の2.9%を上回り、米国債券の中でも比較的高い利回りである。過去の推移を見ても、相対的に高い水準にあることがわかる。

 また、安全性では、米国地方債は一般的な社債と比較して高い信用力を有しいる。デフォルト率でみても米国地方債のトリプルB格のデフォルト率が0.40%と、トリプルA格の社債の0.38%とほぼ同じ水準である。つまり、米国地方債は収益性が高く、安全性も高い資産といえる。

 最後に安定性をみてみよう。米国地方債のパフォーマンスは、過去、安定的に上昇し、ハイイールド社債に次ぐリターンをあげている。リスクとリターンの関係からみた投資効率は、地方債が最も効率が良かったことがわかる。

 このように安定的な収益が期待できる米国地方債に投資をする投資信託として「米国地方債ファンド」がある。為替ヘッジありと為替ヘッジなしのタイプがあり、過去のパフォーマンスを振り返ると、為替ヘッジありのタイプは安定的に基準価額が推移している。為替ヘッジなしは、為替の変動分だけ基準価額のブレがみられるもののヘッジありより高い収益を獲得している。

為替の安定見通しも米国市場投資を後押し

 米国に投資するにあたっては、為替についても考えておきたい。米国が金利を引き上げている一方、日本では金利を据え置いているため、日米の金利差は拡大傾向にある。本来は円安に向かうところであろうが、2017年の年末から2018年3月までは円高だった。その後、円安方向に動いているが、これらは投機筋の動きによると考えられる。

 シカゴの通貨先物ポジションをみると、投機筋は2018年にはいってから円売りポジションを解消する動きをし、それが円高を推し進める動きにつながった。その後は、円安に戻って、再び円売りのポジションが増えている。しかし、まだ大きな動きにはなっていない。市場はアメリカの利上げ継続、一方、日銀は金利を据え置くという見方でも一致している。つまり、現在のドル円は、12月にかけて金利差が拡大することを織り込んでいるといえる。したがって現在の110円〜111円を中心に108円〜115円程度の水準でしばらくは推移していくと予想される。

 為替の面からも、米国金融市場に投資するには、非常に良いタイミングではないのかと考えられる。ぜひ、今後も上昇が期待できる米国NYダウ、そして、安定的な収益が期待できる米国地方債への投資をご検討いただきたい。

Platinum Sponsors

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

広告企画・制作=モーニングスター株式会社

Copyright© Morningstar Japan K.K.All rights reserved.