さわかみ投信×星野リゾートセミナー採録さわかみ投信×星野リゾートセミナー採録

第一部 講演

星野リゾート・リート投資法人の説明

  • 星野リゾート・アセットマネジメント
    IRディレクター 
    菊池 昌枝氏

訪日外国人旅行者で成長する日本の観光産業に投資する

 星野リゾート・リート投資法人は、成長する日本の観光産業に投資することをコンセプトに、ホテルや旅館に特化した投資を行っている。星野リゾート・アセットマネジメントに100%出資している星野リゾートの強みは、集客や生産性の仕組みにあり、世界で通用するホテル・旅館の運営会社であることだ。リートの設立から5年間が経過したが、現在は56物件6884室に投資している。物件は地方に広く分布している。

 訪日外国人の増加によって日本の観光産業が注目されている。日本の観光市場は、2017年で約27兆円。日本の国内旅行市場は、年間20兆円規模で安定的な市場だったが、ここに近年、訪日外国人旅行が加わって市場全体の成長要因になっている。

 「インバウンド」といわれる訪日外国人旅行者は、2017年に2869万人。政府は観光を日本の基幹産業へという目標を掲げ、2030年に6000万人を呼び込もうと計画している。この訪日外国人が観光・レジャー目的で訪問している地域は、大阪府がトップで、東京都、千葉県、京都府などとなっている。関西国際空港で降り立ち、大阪−京都−奈良−東京というゴールデンルートと呼ばれる観光地への訪問が多いのは事実だが、近年では福岡県や北海道など、ゴールデンルート以外の地方都市への観光が伸びている。日本へリピーターの旅行者が増えていることで、旅のバリエーションが広がってきていることが特徴だ。

星野リゾートの運営力で多様化する観光需要に対応する

 大正3年(1904年)に軽井沢で温泉開発を始めたのが、星野リゾートの始まりだ。10年後に星野温泉旅館を開業、そして、1995年に星野リゾートに社名変更した。2001年にはマイカルグループからリゾナーレ八ヶ岳の運営を引き継ぎ、2005年にはゴールドマン・サックス社とパートナーを組んで温泉旅館の再生事業を開始した。2013年に、星野リゾート・リート投資法人を東証に上場。その後、タヒチやバリなど海外展開を実施。都市型観光施設のOMOブランドを展開。新しい観光施設として2019年にカジュアルリゾートのBEB軽井沢の開業を計画している。

 現在、4つのブランドを展開している。リゾート観光では「星のや」と「リゾナーレ」。温泉観光では「界」、都市観光では「OMO」だ。それぞれに明確なコンセプトがある。「星のや」は、もし明治維新がなかったらという前提で開発したもうひとつの日本がコンセプト。「脱欧米」で非日常の滞在を提供するラグジュアリーホテルだ。「リゾナーレ」はファミリーと若いカップルを対象とし、大人も子供も飽きない西洋型リゾート。

 「界」は、「王道なのにあたらしい」をコンセプトにした温泉旅館。「OMO(おも)」は、「旅のテンションを上げるホテル」をコンセプトにした都市観光ホテル。現在は、東京・大塚と北海道・旭川の2カ所だがOMOレンジャーという観光案内人がディープなその街の魅力を紹介している。

 星野リゾートの運営物件は、海外のタヒチ、バリも含めて37施設。「旅産業は、世界で最も大切な平和維持産業になっている」と考え、世界の人たちを友人として結ぶ、次ぎの100年の事業に取り組んでいる。「夢は大きく、運営は地道に」がモットーだ。

星野リゾート・リート投資法人は、安定した分配金をめざす

 星野リゾート・リート投資法人で保有している56物件のうち、15物件は星野リゾートが運営している物件だ。「星のや」は全6物件のうち、4物件をリートで保有している。「界」は、全15物件のうち、8物件。「リゾナーレ」は全3物件のうち、八ヶ岳と熱海の2物件をにリートが保有。「OMO」は2物件のうち、旭川の1物件をリートで保有している。

 その他の保有物件は、都市観光に関わる物件がほとんどだ。また、保有施設は、北海道から沖縄まで分散している。災害リスクを分散させる効果もある。また、保有物件の約82%を星野リゾートグループが賃借しており、約28%を星野リゾートグループが運営している。

 2018年4月期の運用実績は、営業収益が55億4,000万円で、営業費用が前期比でマイナスになったため、営業利益等が大きく伸びた。1口当たり分配金は12,338円だ。個別の物件の売上高では、星野リゾートグループの運営物件については、リゾナーレ八ヶ岳が客室改装の効果が現れ、売上高が大きく伸びた。外部運営の物件では、ハイアットリージェンシー大阪が、売上高は伸びたが外注人件費が膨らんだために収益はマイナスになった。

 ホテル・旅館の運営指標としては、客室稼働率(販売客室数÷販売可能客室数)、平均客室単価ADR(宿泊売上高÷販売客室数)、そして、RevPAR(販売可能客室1室あたり売上)(客室稼働率×ADR)で管理しているが、中でも、RevPARの最大化をめざしている。ここには星野リゾートのノウハウもある。たとえば、星のや軽井沢は、冬の季節のインバウンド需要を取り込んだことで客室稼働率が3.5ポイント向上し、売上高が伸びた。ハイアットリージェンシー大阪では、ADRが下がっているが、クラブラウンジの設置など、ラグジュアリーリゾートのニーズを取り込めるような投資をしている。ANAクラウンプラザホテル広島は、ADRが下がっているがシングルルームをツインルームに改装をして、観光ニーズに対応するための転換を図っている。

 財務戦略では、安定を重視している。借り入れ平均金利は低下を続けている。LTV(不動産の評価額に占める借入金の割合)は25%〜35%の範囲で収まるようにコントロールしている。また、返済期限を分散することでリファイナンスリスクの低減を図っている。また、ホテルリートでは初のコミットメントラインを設定することで、より安定的な財務基盤の構築を目指している。

 運用戦略としては、新規の物件を取得することによる外部成長と、星野リゾートの運営ノウハウを活かして物件ごとの収益性を向上させる内部成長の両面での成長をめざしていく。外部成長の面では、過去10期5年間で資産規模は約10倍になったが、引き続き優良な物件の取得を進め、現在約1,467億円の資産規模を2020年を目途に2,000億円に拡大していきたい。規模が2,000億円を超えると、グローバルインデックスへの組み入れの可能性が高まるなど、一段と流動性が高まる期待がある。内部成長については適切な時期に修繕や魅力投資を行うことで、稼働率やADR等の改善につなげていく。

 分配金は安定、かつ、成長を基本に実施し、これまで1口あたりの分配金を着実に成長させてきた。現在の計画では、第11期、12期も分配金額は上がっていく予定だ。

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

広告企画・制作=モーニングスター株式会社

Copyright© Morningstar Japan K.K.All rights reserved.