モーニングスターカンファレンス2019採録モーニングスターカンファレンス2019採録

特別講演1

Jリートをコアとしたリート投資戦略
〜Jリートにアジアリートをミックス〜

  • 三井住友アセットマネジメント株式会社
    株式運用グループ シニアファンドマネージャー 
    秋山 悦朗氏

Jリートの魅力に成長するアジアリートを加える

 2018年は、Jリートが年間で11%上昇し、世界のリート市場でもっとも高いリターンをあげた。日本株は9.1%マイナスで、株式市場の価格が大きく変動する中で、リート市場は底堅く推移した。これは、Jリートに限らず、世界的にリート市場が株式市場をアウトパフォームした1年だったといえる。

 アジアのリートと世界のリートを比較すると、利回りでは、オーストラリア、シンガポールは5%を超えて高い利回りになる。また、香港とオーストラリア、シンガポールの負債比率は、非常に低いことがわかる。つまり、財務が健全である。財務の健全性が高く、利回りが高いことがアジアリートの特徴だ。

 そこで、魅力あるJリートを50%程度投資し、そして、50%程度をJリートにない魅力を持ったアジア・オセアニアリートに投資することを提案したい。これによって、リターンをより良くして分散を図っていくことができる。

図表1:Jリートにアジアリートをミックスした投資

図表1:Jリートにアジアリートをミックスした投資

※上記は、2018年11月末現在の組入比率です。

 Jリートの魅力は、不動産市場が非常に好調な点だ。一部では不動産価格が十分に上がったという見方もあるが、空室率は前回の好調時と同じくらいの2%程度まで下がっているが、賃料は前回の水準と比べて低いままだ。これがポイントになる。今回は、息の長い景気回復局面にあり、かつ、リーマンショック後に保守的に運用されてきた不動産ということで、まだ、市場が下がるには早いと思う。

 そして、世界の先進国の中で緩和しているのは日本くらいしかないという金融緩和を続けている。アメリカは利上げ局面にはいり、ヨーロッパも出口に向かっている。世界の中で日本の長期金利は低い状態にとどまっていることが世界的に注目されている。これが、外国人投資家がJリートを魅力的に感じている理由の一つになっている。金融緩和政策が長引き、長期金利もゼロ近辺に低いことが、Jリートを魅力的に見せている。

 3つ目の魅力は、自助努力だ。2017年のJリートは、不動産市況が良かったにもかかわらずマイナスリターンになってしまった。この局面でJリートの経営者は努力の必要性を感じた。たとえば、自己投資口買い、資産の入替などをしている。不動産マーケットが盛り上がっているので、地方の物件を高く売却することも可能で入替がやりやすい環境になってもいる。

対談用写真

三井住友アセットマネジメント株式会社
株式運用グループ シニアファンドマネージャー

秋山 悦朗氏

アジアリートの魅力は成長性だけではない

 一方、業績は良くても2017年のように需給で売られてしまうことがある。このリスクヘッジの意味でも、Jリートにない魅力があるアジアリートを組み入れていこうと考えている。アジアの魅力は、人口が増えてインフレの国であることだ。日本は人口減少に直面し、やっとデフレから抜け出たところとは大きな違いだ。

 アジアは、人口増大によって経済が成長し、不動産市場が拡大している。ポイントは。中間所得層が爆発的に増えていることだ。働くオフィスが必要になり、住宅が必要となり、車・家具・家電などが欲しくなり、個人消費が盛り上がっていく。そして、商業施設ができ、それを支える物流施設が必要になり、そして、豊かになった人たちがラグジュアリーを求めるようになると、高級ショッピングモールが必要になり、また、旅行に行きたくなり、観光産業やホテルが必要になる。中間所得層の増大が不動産市場の成長を後押しする。このような好循環がある。国によってスピード感に差はあるが、Jリートにない成長性をアジアリートが持っている。

 また、Jリートが投資していないような不動産にもリートが投資しているというのも魅力だ。オーストラリアの農業リートや育児施設リートなどは日本にはない。そして、投資不動産の多様性の面でも魅力がある。シンガポールリートは、アジア、オセアニア、欧米の不動産にも投資している。シンガポールリートに投資することは、アジアのリート全体に投資するということにもなる。

地域を分散することの重要性も強調したい

 魅力あるJリートとアジアリートに選別投資していくこと「Jリート・アジアミックス・オープン」は、東証REIT指数より良いリターンが上がっている。2017年にJリートがマイナスでもプラスのリターンを上げられ、中長期で安定したリターンをあげている。

図表2:この文章はダミーです。

(注1)上記は、2013年3月21日を10,000として指数化。
(注2)税引前分配金再投資基準価額は、1万口当たり、信託報酬控除後。
(注3)税引前分配金再投資基準価額は、分配金(税引前)を分配時に再投資したものと仮定して計算しており、実際の基準価額とは異なります。
※出所:Bloombergのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
※ファンド購入時には、購入時手数料がかかる場合があります。また、換金時にも費用・税金などがかかる場合があります。詳しくは22ページおよび投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
※東証REIT指数は参考情報として記載した指数の実績であり、当ファンドのベンチマークおよび参考指数ではありません。
※上記は過去の実績であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。また、当ファンドの将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものでもありません。

 運用チームは、平成元年に国土交通省(当時は建設省)の土地対策部門に出向してからずっと不動産に関わってきている私がリーダーとなり、不動産株のリサーチのキャリアが長い大場純一と李文哲が支えてくれている。香港拠点のデレク・チャンは香港と中国の不動産の調査を。そして、新川淳之介と能勢知弥がシンガポールのオフィスで海外リートの調査をやっている。

 このメンバーは最初は全員東京にいたが、アジアリートの運用を深めるためシンガポールにも拠点を置いた。毎月、情報交換会や投資政策委員会、ポートフォリオ会議と3回のテレビ会議をやり、意思の疎通も図っている。

 最後に、24年前の1月17日の阪神大震災について思い起こしていただきたい。都市機能が崩壊するということを目の当たりにした。その後も東日本大震災、熊本の地震などいろんな震災が起こった。防災の観点でもリートが機能できると思っている。たとえば、大阪の地震で外壁が崩れて小学生が亡くなったことがあったが、Jリートの中には、自分たちが組み入れている物件の外壁が基準を満たさないものはないかと丁寧に調べているところもある。

 1月17日を迎えた時、私は資産が特定の国や地域に偏っていないかをチェックするように心がけている。分散という観点で、是非、1月17日に資産形成の点でも、地域分散を見直していただければと考える。リート運用チームは、ノーリート・ノーライフで取り組んでいる。人生の中で重要な資産形成に、ぜひ、リートの活用をご検討いただきたい。

協賛

主催

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

Copyright© Morningstar Japan K.K.All rights reserved.