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特別講演1

〜人生100年時代の資産運用〜
200年を生き抜いた資産運用術に学ぶ

  • ピクテ投信投資顧問株式会社
    執行役員 運用・商品本部 投資戦略部長 
    塚本 卓治氏

「欲張らない投資」から始める人生100年時代の資産運用

 現在は、「イギリスのEU離脱」「世界経済見通しの急速な減速」「貿易摩擦」などがあり、リスクをはらんだ不透明な時期です。2008年のリーマンショック、ブラックマンデー、第1次・第2次世界大戦など、ピクテ200年の歴史には、様々な大波乱がありました。そこで培ってきたノウハウを、日本の人生100年といわれる時代に、お役にたてるのではないかと思っています。

 ピクテは、1805年にスイス・ジュネーブに設立されたプライベートバンクです。サンピエール大聖堂の目の前に最初のオフィスを構え、以来214年の間、古くはヨーロッパの王侯貴族、最近では世界の投資家の皆さまにプライベートバンクサービス、資産管理・運用サービスを提供しています。昨年末のグループの運用資産総額は約55兆円になりました。

 日本と米国の家計資産の構成を比較すると、日本はリスク資産で運用されている資産が約16%に対し、米国は53.9%となっています。この違いが、95年からの家計資産の残高の伸びが日本は1.47倍で米国は3.11倍という差になっています。2000万円あったとしたら、日本では2940万円に増えましたが、米国は6200万円になっています。

 リスクをとって運用しなくて預貯金で良いという方が日本には多いのです。資産の半分が預貯金になっています。

 米国の物価は過去20年間で1.5倍超になっています。日本はアメリカと同じような物価上昇をめざして日銀や政府が頑張っています。もし、米国と同じような物価上昇になると、これまで同様の資産の持ち方では財産が目減りしてしまうことになります。

 今年は消費増税も控えています。米国・英国・ユーロ圏では2%のインフレ目標で運営されてきました。日銀も2%のインフレ目標を掲げていますので、目標が達成されたとすると、資産全体が少なくとも2%以上の運用ができないと、資産の価値が目減りしてしまいます。

 海外は、インフレもあり、資産の運用も行っていたことから、どんどん豊かになりました。一方、日本はデフレでしたので、過去20年間で日本は相対的に貧しくなってしまいました。日本が世界の工場といわれていた1995年当時は世界第2位の豊かな国でしたが、今では世界22位になっています。この最大の要因は、少子高齢化です。

 ピクテが200年間にわたって、お客さまの資産を守ってきた方法は、「欲張らない投資」です。日本では、投資というと大きな収益をめざす投資がイメージされています。人生100年時代は、いかにお金を減らさずに長生きさせるか、長生きさせるだけではなく、堅実に増やしていけるかです。この「資産保全」が、ピクテが200年にわたってやってきたことです。日銀の掲げるインフレ率2%程度に相当するリターンを、いかに堅実に実現していくかということが資産保全の出発点です。

図表1:人生100年時代の資産運用=「欲張らない投資」から始める

図表1:人生100年時代の資産運用=「欲張らない投資」から始める
  • ※上記はイメージ図です

安定的な資産運用を実現する3つのポイント

 資産運用の安定を生み出す3原則は「グローバル分散」「資産分散」「限定的時間分散」です。「限定時間分散」とは、マーケットが不透明な時、つまり、安くなっている時に始めましょうということです。

 なぜ、地域分散の必要があるのか? たとえば、各国株式のリスク・リターンをみると、「世界株式」というパッケージは、個別国の株式よりもリスクが低くなります。良いものを選びながらリスクを抑えることが重要です。

 日本の経済は30年近く横ばいでした。株式投資に対し、日本人は横ばいのイメージですが、この間世界の株価は上昇していましたので、世界の人は右肩上がりの上昇をイメージします。グローバル分散投資が一番大切です。

対談用写真

ピクテ投信投資顧問株式会社
執行役員 運用商品本部 投資戦略部長

塚本 卓治氏

 日本は21世紀になってから年々人口のマイナス率が大きくなってきています。それに合わせて、日本経済も伸びにくくなってきています。根本問題である人口減少に歯止めがかからないと、安定的な経済成長は難しいといえます。人口が減少すると不動産の価格も安くなります。また、日本の貿易収支は、足元では日本の輸出競争力が落ちて貿易赤字になる年もあります。日本企業が工場を海外に移転してしまっているのも一因です。少子高齢化で経済が伸びにくい日本だからこそ、若い人が多い国、イノベーションが活発に起きている国に投資することで、財産を育てていくことが必要です。

 世界株式にしっかり分散投資すると、85年2月から足元まで8倍になっています。しかし、人間の心理として、株価が下がって半分になったりすると耐えられなくなって投資をやめてしまいがちです。途中で投資を止めてしまうのが、最大のリスクです。このため、下落する時の下落幅を抑える必要があります。そのために資産分散を行います。

 たとえば、世界株式と世界国債に分散投資すると、リーマンショックの時のように、株価が大きく下がった時でも、下落幅を抑えることができます。資産分散によるリスク低減効果は、グローバル分散し、資産分散することによって、単一資産として20%を超えるリスクのある資産を組み入れたとしても10%程度のリスクに抑えることができます。

図表2:グローバル分散+資産分散によるリスク低減効果

図表2:グローバル分散+資産分散によるリスク低減効果
  • ※中国株式:MSCI中国株価指数(配当込み)、新興国株式MSCI新興国株価指数(配当込み)、世界株式:MSCI全世界株価指数(配当込み)、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、円ベース
  • 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

「限定的時間分散」は不透明な時期にスタートすることがポイント

 10%程度のリスクとはいえ、1年間で10%下がることもあるのです。そこで、「限定的時間分散」という方法を使います。経済も株式も必ずサイクルがあります。そして、株式は上がってくるとより魅力的に見えます。ピークに近づくほど人気が高まり、大きく値上がりします。そして、ピークの時は、一番割高になっています。

 経済は10年サイクル、あるいは、短期的には4年サイクルで好況・不況のサイクルがあります。今は、ピークに近いところか、下落に転じようとしているところです。昨年の10月から株価が大きく下落しました。バーゲンハンティングの時に投資を始めることが望ましいのです。例えば、過去に値上がりしている資産の比率を調べると、2018年は世界の資産の79%が値下がりしました。アメリカは利上げを始め、世界の景気が落ち込み、米中貿易戦争がはじまり、ブレグジットもありました。

 過去にこれほど悪かった年は、1990年、94年、2002年、08年です。こういった時に、下がった翌年から毎月1万円をコツコツ2年間にわたって投資をした場合の成績を見ます。1990年の下落の後、1991年1月から1993年1月まで、世界国債(70%)と世界株式(30%)で分散投資した場合、2019年1月末には約3倍になりました。年率リターンは4.3%でした。そして、この間の最大下落率は0.7%でした。

図表3:市場が不透明な時期はポートフォリオ構築開始の好機?

図表3:市場が不透明な時期はポートフォリオ構築開始の好機?
  • ※34の資産クラス:株式(グローバル、地域別、業種別)、国債、社債、現金、金
  • 出所:トムソン・ロイター・データストリーム、ピクテ・アセット・マネジメントのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 同じように、95年、03年、09年にスタートして2年間の積み立て投資をした結果を検証しても、リスクを抑えて4%〜5%の年率リターンが獲得できました。逆に、株価が値上がりしている良い時に同じことを始めても、結構下がってしまいます。

 分散投資をするにしても、スタートする時期が重要です。今のように世の中が不安な時にスタートすることが大事です。この3つの原則に基づいて運用しているのが当社が運用している「ノアリザーブ」というファンドです。不透明な時期こそ、時間分散で欲張らない投資を開始していただきたいと思います。

<共催>

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