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特別対談 フランクリン・テンプルトンのESG〜グローバル債券〜 特別対談 フランクリン・テンプルトンのESG〜グローバル債券〜

フランクリン・テンプルトンのESG 〜グローバル債券〜

 70年以上の歴史を持ち、世界30カ国超に拠点を構える大手独立系資産運用会社フランクリン・テンプルトン(以下、FT)は、様々な資産クラスの運用プロダクトを提供しており、豊富な経験を有する運用プロフェッショナルが長期的な視点で運用を行っている。FTでは、全社的に投資意思決定プロセスにおいてESG (環境、社会、ガバナンス)要因についての分析を組み入れる取り組みを行っており、ESG投資ではなじみの薄い債券分野の投資判断においてもESG要因を考慮しているという。同社で世界の債券・通貨を主な投資対象とした運用を行う「テンプルトン・グローバル・マクロ・グループ」が運用する債券ファンドは、日本を含む世界で個人投資家や機関投資家へ提供されている。その運用の魅力と投資判断においてESG要因も考慮する狙いや活用方法について、同グループの機関投資家向けポートフォリオ・マネージャーのエルサ・ゴールドバーグ氏にモーニングスターの朝倉がお話を伺った。

フランクリン・テンプルトンのESGへの取り組みについて

朝倉:
昨今、日本の資産運用業界でもESG投資への関心が高まっており、責任投資原則(PRI)への署名機関も増加しています。ESGが企業価値の評価においてますます重視され、グローバルでもESG投資が注目される中、FTのESGへの取組みについて伺えますか。
エルサ:
昨今、世界中でESG投資への関心が高まっていますが、これは、国の政策運営や企業経営におけるESG要因の重要性について投資家の認識が高まってきたためだと思われます。
国においては、誠実で効果的な政策の実施や社会的結束と安定の維持が、企業においては持続可能で責任ある資源政策が求められています。フランクリン・テンプルトンでは、全ての資産クラスおよび投資戦略の投資意思決定プロセスにおいてESG要因を考慮する取り組みを行っています。
各運用チームでは、最も効果的と考えるESG分析を運用プロセスのなかに取り込むことが、従来のファンダメンタルズ分析の強化につながり、新たな投資機会の発掘、リスクの低減、長期的な運用パフォーマンスの向上につながると考えています。

フランクリン・テンプルトンのESGを考慮した債券投資について

エルサ・ゴールドバーグ氏
フランクリン・テンプルトン
テンプルトン・グローバル・マクロ・グループ
機関投資家向けポートフォリオ・マネージャー
エルサ・ゴールドバーグ
朝倉:
御社はESG投資では株式に比べてなじみの薄い債券分野の投資判断にもESG要因を組み入れています。テンプルトン・グローバル・マクロ・グループが行っているESGを考慮した債券投資について伺えますか。
エルサ:
ESG要因は、これまでも運用チームの各国のマクロ経済分析において分析対象として投資判断に影響を与えてきましたが、先頃、独自のESGスコアリングシステムである、テンプルトン・グローバル・マクロ・ESG指数として、我々のESG分析手法を纏めました。この指数は、世界60カ国近くの先進国・新興国のESGスコアを算出・評価しています。
ESG要因は、各国のマクロファンダメンタルズに中長期的に影響するため、ESG分析を効果的に活用するには、実際の運用も中長期的な視点で行う必要があります。
一方、我々のポートフォリオは、中長期的な見通しに基づいた運用を行っています。このようにESG要因について今後数年の予想を行っていることは、我々の目標とする投資の時間軸と概ね一致しています。
朝倉:
ESG要因を債券投資に用いることに対し、『株式ほど馴染まないのではないか?』という見方もありますが、どのようにお考えですか。
エルサ:
ESG要因が債券に馴染まないというのは、一部の投資家による誤解だと思います。特にソブリン債については、ESG要因を分析することは非常に有効だと考えています。
ESGへの対応が改善している国々は、様々な外的ショックに対して、より耐久性のある国々だと思われます。ESG要因は、各国の経済成長、投資、インフレ、財政といったマクロ経済に影響を与えうるものです。効果的なガバナンスは、政策の予見可能性や好ましいビジネス環境につながる透明性の向上に寄与します。社会的結束やインフラの強化は、社会的問題の解決や生産性の向上につながります。
自然災害や資源不足といった環境問題は、サプライチェーンの断絶や電力不足、財政の悪化やインフレの上昇圧力につながります。しかし、ESG分析が投資機会や、社会の構造的変化の可能性やリスクを捉えるためにいかに重要かということは、今もって正しく認識されていないと考えています。我々運用チームでは、マクロ経済分析とファンダメンタルズ重視の長期的な運用を行う投資戦略においては、ESG要因を考慮することが重要だと考えています。
債券投資においてもESG要因は、投資対象国が投資対象として適切か、長期投資に耐えうるか、といった判断の一つの材料となります。徹底したマクロ経済分析に加えて、ESG要因を考慮することで、長期にわたる国のリスクと信用力をより正しく理解することが可能になり、ひいては投資判断の精度とリスク調整後リターンの向上につながると考えています。

テンプルトン・グローバル・マクロ・ESG指数について

豊田 一弘氏
モーニングスター株式会社
代表取締役社長
朝倉 智也
朝倉:
同グループが開発したテンプルトン・グローバル・マクロ・ESG指数と呼ばれる独自の指標は具体的にはどのようなもので、どのように投資判断に活用されているのですか。
エルサ:
はじめに、長期にわたってマクロ経済やバリュエーションに大きな影響を与えると考える合計13の評価項目を設定し、調査対象国ごとに、この13の評価項目について現在のスコアと将来の予測スコアを付与します。環境は3つ、社会とガバナンスは各々5つの評価項目があります。
各国の現在の状況と将来の予測スコアは、0点〜100点で100を最高点としてスコアリングします。環境、社会、ガバナンスの評価項目について平均点を算出し、環境は20%、社会とガバナンスは各々40%のウエイトで加重平均し、総合スコアを算出します。ちなみに環境のウエイトが他の2つと比べて低い理由は、環境要因が経済的な影響を及ぼすためには、社会やガバナンス要因より、長い時間を要するためです。
しかし、我々の分析の特徴は、ESG分析における各国の現在のスコアが将来に亘ってどのように変化するかという点に着目している点です。国ごとに現在と将来のスコアを算出しますが、我々はスコアの改善・悪化に着目し、現在の水準に比べ改善傾向にある国、および現状が維持される国を高く評価します。
単にESGの絶対スコアを基準として、スコアが高い国に投資する、となると総じて所得の高い裕福な国に投資することになってしまいます。我々はスコアの絶対水準ではなく、将来に亘ってのスコアの変化こそが、運用パフォーマンスに与える影響としては重要であると考えており、変化に向けて正しい方向に向いている国に注目しています。

図表1:テンプルトン・グローバル・マクロ・ESG指数(TGM-ESG指数)− 13の評価項目

図表1:テンプルトン・グローバル・マクロ・ESG指数(TGM-ESG指数)−  13の評価項目
  • ※上図はイメージ図です。

注目している国について

朝倉:
運用チームはこの指標から現在どのような国に注目しているのでしょうか。
エルサ:
世界の主要先進国については、多くの国で予想ESGスコアの変化はそれほど大きくありません。一方、新興国に関しては、政策動向やマクロ経済に与える影響の観点から、ESG要因の分析はより重要であると考えています。投資の観点では、3年後のESGスコアの改善が見込まれる国に着目します。
現在、ESGスコアの改善が見込まれる国の上位はアルゼンチン、次いでブラジルなど新興国が並んでいます。中でもアルゼンチンのESGスコアの改善が際立っていますが、2015年末に就任したマクリ大統領政権下で健全な財政政策が継続されており、今後様々な政策の強化が見込まれます。
今後の政策には、税制改革や労働市場改革などの重要な課題が含まれ、さらなる競争力の改善、投資促進、失業率の低下等につながると期待されます。堅固な経済のファンダメンタルズが適切な政策の実施と相まって、アルゼンチンはESGスコアの改善が見込まれています。

図表2:TGM-ESG指数スコア:将来にわたっての変化(将来−現在)
2019年3月末現在

図表2:TGM-ESG指数スコア:将来にわたっての変化(将来−現在)<br>
2019年3月末現在
  • 出所:TGM-ESG指数 中期予想は、向こう3年間の予想を意味します。いかなる見通し、予想が実現するという保証はありません。上記は説明およびディスカッションのみを目的に作成されたものです。

新興国債券の組み入れについて

朝倉:
組入れ上位は新興国の債券となっていますが、この理由を教えていただけますか?
エルサ:
グローバルに投資機会を追求するなか、現時点においては一部の新興国、単に金利水準が高いだけでなく、構造改革を実施し、正しい政策を遂行している国に着目しています。そのような国への投資においては、リターンの向上が期待されると考えています。また、経済がより内需主導型で、貿易摩擦や海外情勢の影響を受けにくい国にも着目しています。ここで重要なことは、金利の上昇や市場の変動からの影響を吸収しうる強い状況にある国と、その影響を実際に受けてしまう脆弱な国とを峻別することです。
すなわち、金利水準が低い国、あるいは構造的に大きな経済的不均衡を抱える脆弱な国は、外的ショックによって不安定な状況に陥る可能性があります。しかし、経常収支が黒字の国や金利水準が比較的高い国は、そのような影響を受けにくい状況にあると考えています。
新興国のなかには、トルコのように誤った政策を繰り返し実施し、そのような政策から脱却することのできない非常に脆弱な国もあります。一方、ブラジルやアルゼンチンのように、10年に及ぶポピュリズムや高インフレ、巨額の財政赤字、通貨安を招いた失策から転換する過程にある国もあります。これらの国々は、信頼できる金融政策を実施し、ビジネス寄りの政策を行い、より正しい方向に向かった政策運営を行っています。

日本のご投資家の皆様へのメッセージ

朝倉:
最後に、日本の投資家の皆様へメッセージをお伝えください。
エルサ:
日本のESGスコアは、高いガバナンススコアがけん引役となり、他国に比べて比較的高水準となっています。しかし、我々はESGスコアの今後予想される変化に着目しており、人口動態など、いくつかの点で懸念される点がみられます。
我々はESGスコアの改善と魅力的な利回りを享受できる国を追求しているので、現在のところ日本はソブリン債市場において投資妙味があまりないと考えています。一方、我々は世界中から投資機会を見出します。日本の投資家の皆様も、日本以外の市場で相対的に魅力のある投資機会を見出すことができると思います。
我々は、ESGスコアも活用し、様々な国における投資機会を見出しています。グローバル債券運用において、ESG要因を組み入れた各国についての分析は、他の運用会社と比べ非常にユニークな手法ではないかと考えています。このような運用プロセスにより、徹底した分析とリスク管理に基づき、あらゆる市場環境において、長期的なリスク調整後リターンを生み出すことのできる、質の高い商品をご提供できると考えています。

リスクについて

投資信託は、国内外の株式や債券など値動きのある資産に投資しますので、基準価額が変動します。したがって、投資者の皆様の投資元本は保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。投資信託の運用により生じた利益および損失はすべて投資者の皆様に帰属します。なお、投資信託は預貯金とは異なります。

費用について

ご投資頂くお客様には以下の費用をご負担いただきます。

(ご留意事項)

■申込時に直接ご負担いただく費用・・・申込手数料上限3.78%(税抜3.5%)
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・
運用管理報酬(信託報酬) 上限年1.242% (税抜1.15%)
なお、ファンド・オブ・ファンズの場合には、この他に投資対象ファンドの運用報酬等がかかります。
詳しくは、個別の投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
■その他費用・・・上記の他に、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、信託財産にかかる監査費用、有価証券の保管費用、等、保有期間等に応じてご負担頂く費用があります。運用状況等により変動するものであり、事前に金額、上限等を表示することができません。

(ご注意)
上記のリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ株式会社が運用するすべての公募投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最も高い料率を記載しております。 投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)や契約前交付書面をご覧下さい。


  • 本資料は、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ株式会社が作成した資料です。
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