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特別パネル対談

「つみたて投資の魅力」
〜夢からはじめる積立投信〜

  • パネリスト
  • 日興アセットマネジメント株式会社
    資産運用サポート推進部 シニアアドバイザー 
    岩瀬 幸雄氏
  • 野村アセットマネジメント株式会社
    投資信託営業部 共同部長 地域金融機関担当 
    青柳 篤宜氏
  • フィデリティ投信株式会社
    代投信営業部 シニア・マネージャー 
    藤井 麻紀子氏
  • コーディネーター
  • フィデリティ投信株式会社
    投信営業部長 
    山口 亜紀氏

日本経済の見通し、日本企業の稼ぐ力が拡大

山口氏:
価格変動のある資産に投資すると、短期的には損失が発生してしまうことがあります。これを恐れて運用に二の足を踏んでしまっている方もいらっしゃると思います。残念ながら、このリスクをゼロにすることはできません。ただ、リスクを小さくする方法はあります。その一つが「積立」です。
まず、足元の投資環境について各運用会社の見通しをお話しいただきたいと思います。日興アセットマネジメントの岩瀬さんから日本経済の見通しについてお話しください。
岩瀬氏:
日本の経済と投資環境についてお伝えしたいと思います。まず、注目する政策は2点あります。「一億総活躍社会」と「未来投資戦略」です。
岩瀬氏:
一億総活躍社会は、新・3本の矢ともいわれていますが、まず、「希望を生み出す強い経済」として来年2020年にGDPを600兆円台に乗せる目標があります。
次に、「夢をつむぐ子育て支援」、そして、「安心につながる社会保障」です。日本は世界最速で少子高齢化が進んでいます。その中で、若い人も高齢者も男女も障害のある人も、1回失敗してしまった人も、皆が活躍できる社会を作っていこうとしています。
そして、「未来投資戦略」として、「Society5.0」という人類史上5番目の新しい社会をつくろうという構想があります。たとえば、AI(人工知能)やロボット、IoT(モノのインターネット化)などを駆使してデータ駆動型社会を作っていこうという構想です。具体的には、金融とテクノロジーが融合した「フィンテック」、無人自動運転による移動サービスなどの発展が期待されています。
対談用写真

日興アセットマネジメント株式会社
資産運用サポート推進部 シニアアドバイザー

岩瀬 幸雄氏

岩瀬氏:
一方、日経平均株価は、1989年末の史上最高値3万8,915円から、平成時代がスタートし、長らく低迷してきました。安値は2009年前半に7,054円をつけています。その後、第2次安倍政権が発足した後、安値から約3倍に値上がりする上昇のトレンドを描いています。
そんな中で、市場関係者は日本企業の稼ぐ力に注目しています。株価の推移と企業の利益(経常利益の合計)を重ねてみると、株価は3倍になりましたが、利益は3倍以上の増益です。今回の株高は、利益成長を伴う健全な株価形成だったと見て取れます。
そして、配当総額と自社株買いの総額を2000年から見てみると、近年では配当総額も自社株買いも増加傾向にあります。しっかり稼いでいるからこそ、増配もできるのです。米中貿易摩擦の問題等で景況感が不安定になっていますが、市場関係者は企業業績、稼ぐ力を評価し始めているということをお伝えしたいと思います。

アメリカ経済の現状と展望、米国の企業成長は力強く継続

山口氏:
次に、フィデリティ投信の藤井さんからアメリカ経済についてお話しいただきたいと思います。
藤井氏:
まず、お伝えしたいのは、米国は「景気減速」であって、「景気後退ではない」ということです。アメリカ企業の業績は、来年、再来年と2ケタ増益の見通しです。
アメリカの景気回復で戦後一番長かったのは、1991年からの10年間で、今の景気回復も今年で10年目に入ることとなり、戦後最長が視野に入っています。さすがに景気拡大の成熟期に入ってきて伸び率は緩やかになっているのは事実です。
しかしながら事実として、成長継続の兆しも確認できます。まず、トランプ政権の下で設備投資減税、法人税減税、アメリカに資金を戻す政策などが取られました。アメリカに潤沢な資金が存在し、この資金によって設備投資が活発に実施されています。ソフトウエア、研究開発など次の成長につながる生産性を上げる投資も活発に行われています。
対談用写真

フィデリティ投信株式会社
代投信営業部 シニア・マネージャー

藤井 麻紀子氏

藤井氏:
また、需要と物を作る能力(供給)のバランスを見たGDPギャップは、過去の景気後退局面では、景気後退の前にGDPギャップが1.5%を超えるピークを迎えています。ところが現在のギャップは0.8%で、景気に過熱感がありません。経済成長は成熟期にはあるけれど、決して後退ではない、まだまだ景気後退まで猶予があるというのが現状です。

図表1:米国経済 プラス成長が続く見通し/GDPギャップに過熱感なし

GDPギャップには過去と比べても過熱感はなく、さらなる改善余地がある

図表1:米国経済 プラス成長が続く見通し/GDPギャップに過熱感なし
  • ※GDPギャップとは、一国の経済全体の総需要と供給力の差を示し、需要は消費などから構成されるGDP、供給は労働力や設備稼働などの推計から算出し、需要が供給を上回っていればプラスとなる。
  • 出所:Refinitiv 2018年、2019年、2020年はAMECO予想
  • ※フィデリティ投信作成
藤井氏:
ただ、リスク要因として米中貿易摩擦で市場が揺れ動くことはあります。この摩擦は、すぐに終わる問題ではありません。日米貿易摩擦も10年以上の長い問題でした。米政権にあるのは、政権を継続する再選戦略と、米国の強みであるテクノロジーを守るという意識です。従って、米中貿易摩擦は変動要因ではありますが、最終的には米国企業の利益につながっていくのではないかと考えています。
株価は業績に連動しています。米国S&P500とEPS(1株あたり利益)の推移を重ねてみるとその傾向は明確です。そして、米国企業のEPSは、2020年、21年は2ケタ成長が予想されています。2018年が法人減税で23.7%増益をしたため、2019年の増益率(4.3%)は伸びが小さく見えますが、2020年以降に再加速します。長期的には企業業績の進展を受けて株価も上昇していくのではないかと考えられます。

世界経済の長期展望

山口氏:
野村アセットマネジメントの青柳さんから、世界経済の長期的な見通しをお話しいただきたいと思います。
青柳氏:
世界のGDPは、2000年から2018年まで18年間で約2.5倍に拡大しました。そして、世界の株式市場の時価総額(企業の価値の総額)は、同じ期間で約2倍になりました。このように、経済が拡大すると、株式の価値も拡大する。これが資産形成に株式市場を活用している根拠になります。では、これから2030年に向けて、世界のGDPや株価は、どうなるでしょう?
GDPは、2つの要素で拡大します。まず、生産にかかわる人口の増加。そして、技術革新に基づいた生産性の向上です。技術革新は間違いなく起こるのでしょうが、どの程度の生産性向上が実現するのかは予測が難しいため、ここでは人口の側面に限って、これからを展望します。
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野村アセットマネジメント株式会社
投資信託営業部 共同部長 地域金融機関担当

青柳 篤宜氏

2000年に約61億人だった世界の人口は、2018年には約24%増の76億人に拡大しました。そして、2030年までに約86億人と12%増えると見通されています。このように、人口が2030年にかけて12%拡大するのであれば、これまでの成長を当てはめると、GDPは7割程度、株式市場の時価総額は5割程度増加していくことになります。ここでは、経済の規模が拡大方向にあるということ、そして、企業の価値がプラス方向に拡大していく見通しであるということをご理解いただきたいと思います。
人口の見通しは、ほぼ確実に予測することができます。現在30歳の人は、10年後は確実に40歳になっています。ここに死亡率などの数値を入れて計算すると、大きくは違わない将来が予測できます。国連・世界銀行が推計する2050年の総人口は97億人、そして、2100年には110億人です。非常に長期の見通しにおいても株式市場の価値が増加していく可能性は極めて高いといえます。
グローバルに活躍する企業に投資することは、長期的には資産形成にとって大事です。

上手に資産を形成する「積立投信」の魅力

山口氏:
上手に資産運用する方法が「積立投信」ですが、まず、積立を始める前に知っておきたいことはあるでしょうか?
藤井氏:
実際に投資をしようと思うと、足元の投資環境が気になってしまいますが、一番大事なのは「ゴール」です。資産運用は自分の人生を豊かにするための手段ですから、何をしたいのかという目的を明確にすることが大事です。
「ゴール」を決めたら、今いる地点を確認し、どのようなコースをたどれば良いのかを考えます。資産運用で大事なのは、そのお金が退職後の資金のためなのか、住宅を買うための頭金なのかという目標を明確にすることです。目標が決まると、「いつまで」に「いくら」必要かが見えてきます。
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フィデリティ投信株式会社
投信営業部長

山口 亜紀氏

時間と金額を考えた時、どのくらい運用すれば良いのかが分かります。目標によっては運用することなく、コツコツと預金をすれば良いということになるかもしれませんし、収益性の高い運用が必要になるかもしれません。老後の資金は一般論で1億円、数千万円、最近は二千万円などともいわれますが、人によってその金額は様々です。
預金の金利0.01%でお金が2倍になるには、だいたい7200年間かかります。増やすためには何か運用しなければならないのですが、20%増やしたいと考えた時に、期間という考え方を加えると、それほど難しいことではないということがお分かりいただけます。
たとえば、年率3%で毎月1万円の積立であれば20年間で328.3万円になります。20年間で約37%増えています。このように現実的に落とし込むことができます。
「やればできる」と思って、いつまでも始めない方がいらっしゃいますが、運用の成果は、期間が長くなるほど効果が高まります。より早く始めることが重要です。「やれば伸びる」という考え方で取り組んでいただきたいと思います。
また、「あればできると」と思って、まとまったお金ができるまで投資を始めない方もいらっしゃいますが、投資信託は1万円からできます。銀行などでは5,000円からとか、より小さな資金で積立が可能になっています。たとえば、子どもが生まれた時に、毎月1万円を積立開始したとすると、20年後に240万円です。運用でプラスαの成果が得られるかもしれません。小さな力でもコツコツ積立てることで、大きな力になります。
山口氏:
まず、何年後にいくら作りたいかというゴールを決め、そこから逆算して、今いくらの積立をしていけばよいのかということを考えていただきたいと思います。続いて、積立投資のメリットについて岩瀬さんにご紹介いただけますか?
岩瀬氏:
積立投信で行う「時間分散」の重要性について話したいと思います。たとえば、2000年1月末から2018年12月末まで、この間の日経平均株価は2万円で始まって、アップダウンがあって2万円に戻っています。この期間、228カ月を日経平均株価に毎月5万円を投資した場合、投資額1,140万円に対し、評価は約1,800万円になります。リターンは57.8%です。日経平均が下がって上がっただけなのに1.6倍になっています。
積立の魅力は、値下がり時の効果、「下がっても嬉しい」ということです。積立投信は、下がれば下がるほど、口数をたくさん買うことができます。この効果をドルコスト平均法と言われています。下がるほどに購入する口数が増えていきますので、少し上がっても利益にすることができます。

図表2:値下がり時の効果、「下がっても嬉しい」のが時間分散=投信積立

下がった時に「口数を溜め込む」ことが、その後の上昇時に花開くーそれが投信積立のポイントです。

図表2:値下がり時の効果、「下がっても嬉しい」のが時間分散=投信積立
  • ※上記グラフは考え方の一例を示すことを目的としており、将来の運用成果等を約束するものではありません。また、手数料・税金等は考慮していません。
  • ※積立投資が必ず利益があがることを保証するものではありません。
  • ※日興アセットマネジメント作成
山口氏:
既に投資している方には、「いつ買うのか」というタイミングを計ることが非常に難しいと感じられると思います。高値掴みのリスクを避けるために、時間分散の効果を使っていただきたいと思います。最後に、青柳さんから積立の具体的な効果についてご紹介ください。
青柳氏:
ITバブルのピークである2000年12月末から2018年12月末までの日本株、米国株、6資産合成(国内外の株式・債券・リートに6等分投資)の動きを振り返ってみます。日本株と米国株は、スタートから2−3年で約4割下がっています。非常に難しい時期のスタートだったのですが、先ほどGDPも世界の株式市場の時価総額も2〜2.5倍に拡大する中で、6資産に投資した場合、一括投資で約3倍になりました。
そこで実際に、2000年から2018年まで、毎月3万円を積立てた場合、18年間で651万円になります。米国株ですと約1,564万円、日本株で1,028万円、6資産合成では1,169万円になります。運用成績が一番良いから単純に、積み立ては米国株で実施すれば良いというものではありません。
6資産に投資すると値下がりが少なめになります。2009年2月末にリーマンショック後の最安値の時に、スタートから8年2カ月間、297万円を積立てた時に、もし、どうしても現金化しなければならなくなると、米国株は約4割マイナスの178万円にしかなりません。6資産合成は約2割減の238万円です。2割の損も嫌ですが、損失は米国株の半分になります。
積立投信を何でやるかという時には、皆さまのリスクの許容度によります。価格のブレ幅が大きくブレても良いのか、大きくブレるのは嫌なのかという、それぞれの考え方によります。また、期間が5年後なのか、20年後なのか、20年後はきっちり日にちが決まっているのか、それは多少前後しても良いのかなどによっても変わります。
何もしないで現金を持っているよりは、何らかの積立投信をした方が長期的には良い成果が得られると思います。

図表3:各資産と6資産合成指数のパフォーマンス比較

図表3:各資産と6資産合成指数のパフォーマンス比較
  • 2000年12月末を100として指数化
  • 期間:2000年12月末〜2018年12月末、月次
  • 出所:ブルームバーグ等のデータを基に野村アセットマネジメント作成
山口氏:
積立というと、どうしても若い方がされるというイメージをお持ちになっているかもしれませんが、大切なことは時間を分散することです。人生100年時代といわれ、60代の方、70代の方も、ご自身のゴールを20年後の90歳や100歳に置いていただく必要があると思います。時間を分散して購入できる積立投信を是非、お使いいただきたいと思います。
また、税制面での優遇措置のあるつみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を使っていただくと、さらに税制面でのメリットがあると思います。是非、ご自身に合った商品で積立投信をご活用いただきたいと思います。

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