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基調講演1

資産形成のためのアセットアロケーションと Jリート入門

  • ファイナンシャルプランナー 
    山口 京子氏

「年金2000万円問題」と資産形成

 「年金2000万円足りない問題」が騒がしくなっています。この問題に向き合うため、人生を俯瞰してみていただきたいと思います。大卒で就職して、今、30歳だとします。30歳から60まで働いて、定年を迎え65歳から公的年金が受け取れます。30歳〜60歳については、概ね、見通すことができます。子どもが成長し、住宅を購入し、子どもを大学に入れるなど、ライフイベントを思い描くことができるでしょう。

 女性の平均年齢は87歳です。2人に1人は90歳の誕生日を迎えます。つまり、30歳から還暦までと、還暦からカンオケまでが、ほぼほぼ同じ期間になります。現役時代と同じだけ老後があるのです。60歳から後に、何が起こり得るのか、はっきりしたことがわかりません。ここが、年金問題のテーマです。

対談用写真

ファイナンシャルプランナー
山口 京子氏

 現役時代には様々なライフイベントには、どうしてもお金が必要になります。そのお金を貯めながら、必要に応じて使いながら、さらに、一番長い老後に向けてもお金を貯めていかなければなりません。

 そもそも、年金だけで生活できると思っていた方は、いらっしゃらないと思います。お金に関して関心が少しでもある方は、年金だけで生活できないことはわかっています。問題は、いったいいくら貯めればよいのかということです。

 金融審議会「市場ワーキング・グループ報告書」でも取り上げていますが、老後の家計の収入は年金です。妻60歳、夫65歳の無職の夫婦で平均すると約21万円になります。支出は、総務省の家計調査の平均値を使うと26万円です。このため、1カ月当たり、足りない資金が5.5万円ですが、これは、会社に務めた夫、専業主婦だった妻のケースです。このケースで2人の老後30年あったとしたら、5.5×12×30で約2000万円という数字が出ます。あくまで平均の金額で計算した場合です。

 大事なことは、我が家のことです。たとえば、国民年金夫婦の場合、平均受給額が1人5万円くらいで、二人で10万円程度ですので、支出が26万円したら毎月15万円足りなくなってしまします。30年間で5000万円以上が不足する計算になります。しかし、国民年金の方は、お店をやっていたり、弁護士、農業など、60歳過ぎても仕事が続けられます。自分の収入で埋められれば、足りない部分を現金で用意することもありません。

 一方、ここでの支出の26万円については、住居費は1〜2万円です。今の退職世代の方々は持ち家比率が高いからです。これが、現在のように、東京で賃貸の一人暮らしで家賃を10万円支払っていますというようなことになれば、1人でも2人分くらいの支出が必要になったります。人によって、そのくらい違いが出てきます。

資産形成と資産取り崩しの考え方

 具体的な老後の資産形成については、まず、ご自身で年金がいくらもらえるのかをチェックします。そして、支出についていくら使っているのか? そして、足りていない部分を埋めることを考えます。

 たとえば、30歳で最初に投資できる額を考えます。手元の資金は、一部は普通預金に入れておきましょう。また、5年以内に必要なお金は定期預金など、お金を分けて考えることが大事です。資産形成の方法は、モーニングスターのシミュレーションを使えば、簡単にできます。老後の資金として運用できるお金が500万円あるとしましょう。その上で、毎月5万円の積み立てができ、目標として30年間で5000万円を貯めたい場合、必要な利回りは3.9%と出てきます。そのポートフォリオも出てきますので、このうち、先進国株式はETFか投資信託で、国内株式はというように、具体的なポートフォリオを作っていきます。

図表1:モーニングスターシミュレーション

図表1:モーニングスターシミュレーション

 今度は年金暮らしをして資産を取り崩す場合、たとえば、2000万円問題は、1円も運用しない場合の単純な割り算で計算しています。5000万円を毎月18万円取り崩す場合、23年で使い切ります。しかし、お金の寿命を30年に延ばすためには、年1.3%で運用すれば良いということがわかります。これもシミュレーションで簡単に計算できます、この場合のモデルポートフォリオは、債券の割合が多くなります。積み立てるばかりでなく、60歳以降の取り崩しのことも是非、考えていただきたいと思います。

Jリートの高い分配金利回りの魅力

 Jリートは、平均利回り3.87%あります。老後まで積み立てるポートフォリオで、日本株や先進国株の一部をJリートにするという考え方ができます。

 すでにある程度の資産を貯めておられる方は、資産全体の10%〜20%を入れておくと、年に2回の分配金を受け取ることができます。また、Jリートの決算月をずらして毎月分配金が入ってくるという仕込み方もできます。そして、Jリートの分配金を、株式投資等で積極的に運用するという考えもできます。預貯金に入れてしまうと、増えないお金になってしまいますので、分配金も運用して増やすという、ダブルで増やしていくイメージが面白いと思います。

 Jリートとは上場されている不動産投資信託です。昔のお金持ちは株と不動産を持っています。ただ、たとえば、個人で銀座、日本橋の一等地に不動産を持ちたいと思っても叶えることが難しいです。Jリートは、銀座や日本橋などの一等地の物件も持っています。そして、1万円〜70万円で1口投資できます。

図表2:J-REITの特徴

図表2:J-REITの特徴

 物件から入ってくる家賃が分配金としてもらえる仕組みです。高額過ぎて個人では持てない物件を投資法人として多くの人の資金を集めて持っているのです。また、管理して物件のメンテナンスや家賃を徴収すること、物件の入替などもプロの運用会社が行ってくれます。投資する人は何もしなくても良いシステムです。不動産は相対取引で流動性が小さいですが、Jリートは上場しているのでいつでも売れます。

 東証REIT指数はリーマンショックで大きく下がっていますが、この時に利回りは高くなっていました。今は平均が約3.8%ですが、投資法人によっては4%、5%のものもあります。税引き前利益の90%以上を分配すると損益として計上できるので、一般の企業よりも多くの分配金を出しています。NISAの枠が残っている方は、一般NISAで買うと、分配金に課税されません。

 また、日経平均株価など株価の動きに対してJリート価格の動きに相関がなくなってきています。現在、株だけ持っている人はJリートを持っておくこともリスクを分散する手段になります。Jリートには、オフィス、物流、ショッピングモール、ホテルなど投資対象が違います。どういうもので、どのエリアの物件に投資しているのかも大事です。

 投資の仕方もいろいろあります。ETFで買うという方法もあります。たくさんのJ-REITをまとめて買えます。Jリートに投資する投資信託もあります。

 一方でリスクは、空室などがあります。金利は現在最も低いですが、金利が上がるとJリートの借入返済の負担が増えます。また、地震のリスクもあります。建物だけではなく、投資法人に倒産のリスクもあります。分配金利回りが高いため、預貯金と金利を比べがちですが、Jリートには預貯金にはないリスクもあります。

 Jリートについては、それぞれの特長を良く調べて、無理のない範囲で投資しましょう。株式への投資のように価格変動のリスクはありますが、分配金の利回りが高いので、株式投資とは違った投資成果が期待できます。長期の資産形成を行う手段の一つとして検討してみてください。

この資料は投資判断の参考としてモーニングスターが情報提供しております。モーニングスターのレーティング情報は過去のパフォーマンスに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、モーニングスター株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権、知的所有権等一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar.Incに帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。

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