投信フェア2019 in 熊本 採録投信フェア2019 in 熊本 採録

特別対談

「積立投信・つみたてNISA」を活用したお金の育て方

  • セゾン投信株式会社
    代表取締役社長 
    中野 晴啓氏
  • コモンズ投信株式会社
    代表取締役社長兼最高運用責任者 
    伊井 哲朗氏

長期投資を提供する独立系運用会社

中野氏:
私たちは独立系運用会社として大きな金融機関の資本に支配されず、独立した経営を続けている会社です。投資信託の運用の仕方に個性を大事にしています。
伊井氏:
独立系の運用会社の特長は、大手の系列ではないということに加えて、直販をやっているということがあります。
野菜や果物をスーパーで買うのではなく、農家から直接買うのが直販です。自分たち生産者が手塩にかけて商品をつくり、それを自分たちの手売りで始めました。10数年前は、私たちの作った商品を売りたいといってくださる金融機関は1つもなかったのです。
だんだん生産者の想いを伝えることが、お客様にとっても良いことではないかということが金融業界にも広がり始め、コモンズ投信もセゾン投信も、熊本銀行さんをはじめ福岡フィナンシャルグループのつみたてNISAで採用していただきました。
コモンズ投信は2008年10月に正式に登録され、2009年1月から運用を始めています。株式投資は、価格が上がったり下がったりする中で、安いところで買って高いところで売らなければならないというような投資をしているところが多いのですが、当社では持続的に成長するような会社に長期で投資をすることが大きなリターンにつながると信じて10年以上にわたって継続投資しています。
たとえば、平成30年が終わったところですが、平成元年の日経平均は30,200円台でした。その後、7,000円くらいの安値があって、アベノミクスで少し浮上して22,000円台で平成時代は終わりました。平成のスタートで買って、終わりで売るとマイナス26%でした。平成の時代はバブルが崩壊し、金融危機が何度かあり、デフレが長く続きましたので、利ザヤがなかなかとれない難しい環境でした。
平成のスタート時に東証上場企業は1,287社でしたが、株式の時価総額が平成のスタート時より増加したのは4割くらいしかありません。6割の企業は時価総額が目減りしました。しかし、時価総額が5倍以上になった企業が64社ありました。その筆頭は、日本電産で70倍になっています。2番目がキーエンスで60倍、3番目がビジョンで50倍くらいです。日経平均はマイナス26%ですが、本当に良い会社は大きな成長をしたのです。
たとえば、日本電産は、プロのファンドマネージャーは、ほぼ全員が1回は買ったことがある会社といえますが、多くは株価が3割、4割上がったら売っています。ところが、ずっと持っていた人は70倍になっているのです。これが長期投資の醍醐味です。
近年、金融庁が共通KPIを求め、お客さんのうちどのくらいが利益を上げているのかということを公表することを求めています。18年3月末でコモンズのお客様の98%が利益が出ていて1位でした。19年3月末はセゾン投信が98%で1位でした。
中野氏:
セゾン投信は運用開始から13年目に入っています。皆さまの生涯にわたってずっと投資を続けていただきたい。長期投資は、長い時間にわたって投資先企業をずっと支えることによって、びっくりするくらいの価値をその会社が実現し、その価値は、ちゃんと支えた資金に戻ってきます。それが、長期投資の大きなリターンのイメージです。相場は日々動いていますが、その価格の変化に一喜一憂していては、本格的な長期投資にはならないのです。
つみたてNISAは、政府としては、世の中のほとんどの人にやってほしいと思って作った制度なのです。なぜ、非課税制度が国策として導入されたのかという点から、お話ししていきたいと思います。
対談用写真

セゾン投信株式会社
代表取締役社長

中野 晴啓氏

つみたてNISAは、国民の意識改革を促す政策

伊井氏:
金融担当大臣の麻生さんが、この6年半、ずっといい続けているのが、「日本だけが金融資産が増えていない」ということです。アメリカは、この20年で個人金融資産は平均で3.3倍に増えました。イギリスは2.5倍になっているが、日本だけ横ばいです。これは、金融機関にも責任があるといいます。本当に良い商品・サービスを提供していたら、こんなことにはなっていないだろうということです。
そこで、政府は非課税制度を作りました。実は、アメリカもオーストラリアも欧州も、非課税制度が出来て個人の金融資産が預金から投資信託や株式に流れるようになりました。日本では2014年のNISAから始まり、いよいよ大本命の積立で20年間やるという制度が出来たのが2018年です。国は、非課税制度をいろいろと出し、わかりやすくいうと、補助金を出して、何とか国民の資産を増やしたい。積立で投資信託を購入してもらうことによって、アメリカやイギリスのように国民の資産をすべからく増やしてほしい。そうしないと、日本の経済は良くならないと考えています。
中野氏:
つみたてNISAは、長期にわたって国が取れるはずの税金を取らないという制度です。「貯蓄から資産形成へ」といわれます。2001年に「貯蓄から投資へ」という言葉があったのですが、現在は「資産形成へ」になっています。「貯蓄から資産形成へ」というフレーズに変更したのですが、これは、大変重要なことです。このフレーズの中でつみたてNISAがあります。
日本の将来が不安で、このままで大丈夫かと心配して、皆さん、お金を使わないで銀行預金に積み上げています。その結果、1,000兆円近い預貯金になっています。日本の金利がゼロになって、かれこれ20年近い歳月が流れました。自分の大事なお金が新たな富を生まなくなって20年近くが経ってしまっています。
お金は新たな富を生む源泉であるはずです。それが産業界に投入され、産業界がそのお金を使って世の中に付加価値を生むのが資本主義社会の循環ですが、私たちのお金が銀行預金に留まっている限りは、お金は眠っているようなものです。ここに対する問題提起がつみたてNISAのベースになっています。
伊井氏:
その点では、麻生さんは、今では12億円ないと1万円の利息がつかないのに、国民のお金の大半がそこに行っているのはばかげているとおっしゃっていました。個人の金融資産は現在1,800兆円のうち1,000兆円くらいが預貯金になっています。
他の先進国は、GDPの60%くらいが現預金です。日本はGDP500兆円で考えると300兆円くらいあれば、普通の生活に困らないのですが、その3倍以上が現預金になってしまっています。これを経済に生きる資産に変えていかないと、アメリカやイギリス、オーストラリアのように資産が増えていかないということになります。
対談用写真

コモンズ投信株式会社
代表取締役社長兼最高運用責任者

伊井 哲朗氏

投資信託を利用している方は、日本全国で7%くらいです。そして、60歳以上の方が、投資信託利用者の7割を占めます。退職金などでまとまったお金が手に入った時に、運用しなければならないと思うのです。
ところが、アメリカは50%くらいの人が投資信託を保有しています。アメリカ人は、「60歳までにしっかり資産を作っておきたいので、投資信託を購入する。できれば1年でも早くリタイヤしたい」と考えます。日本は、お金を持っているから投資信託や株式投資をやらなければならないと考えるのです。「60歳資産運用デビュー」です。
アメリカは、60歳ではリタイヤしたいので、20代からしっかり資産形成していきたいと考えます。投資信託利用者の7割が投資信託を積立で購入しています。4割の人は、投資信託の積み立てしかやっていません。
現在、日本で50代の方々が、どうやって資産を作ったかというと、社内預金、財形貯蓄、従業員持ち株会、確定拠出年金のうち、1つか2つを使ってまとまったお金をつくっています。この4つの特徴は、「つみたて」「引き出しがしづらい」という共通項があります。
中野氏:
みなさま、とりわけアメリカの事例をしっかりご理解いただきたいと思います。アメリカ人の普通の方々は、今の日本人よりも相当豊かです。
なぜかというと、普通のアメリカ人は、私たち同様に、働いて給料をもらって生活している一方で、自分のお金を働きに出して経済活動の中でお金が育って大きくなって戻ってくるということをやっています。日本人は働くことで一生懸命にお金を稼いでいるのですが、片手だけです。アメリカ人は両手で稼いでいるのです。時間がたつほどに差が大きくなっていくのです。
この事実が、今回のつみたてNISAの制度設計に非常に大きな影響を与えています。目の前で、親しいアメリカ人の成功事例がある。日本人は、一切利息が付かない預貯金を大事に積み上げている。この発想の転換をみんなでやれたら、アメリカ人のように豊かな状態になれる可能性がある。足りないのは、私たち生活者にその気づきがないことなのです。
つみたてNISAは、「なぜ積立でしかできないのか」と疑問に思われるかもしれませんが、同じリズムで定期的に積み立てることによって長い期間積み立てることができます。非課税期間が20年間というのは、そのくらい長い期間をかけてコツコツやっていくことによって、結果的にびっくりするくらいの大きな資産ができるのです。私たち自身が、子どもを20年かけて大人にしたことと同じくらいの時間をかけてやっていくものです。

つみたてNISAを継続することが資産形成の道

伊井氏:
資産形成で大事なことは、始めることと続けることです。
さきほど、セゾン投信やコモンズを利用している人は98%が利益が出ているという話をしましたが、実は、いろんな金融機関と比較しても、長く積立投資を継続している人の比率が高いという特徴があります。多くのネット証券で積立投資をされている人が多いのですが、聞きますと平均2年で止めてしまうそうです。1年で40%の人が辞めてしまっています。
コモンズやセゾン投信で積み立てをされている人は、5年以上続けておられる方は、プラスのリターンになっている方が多いです。なんとか頑張って3年は続けていただきたいと思います。できれば、一生積立をやっていただきたいと思います。
中野氏:
アメリカの方々が60歳までに積立で資産を作ったという話がありました。日本の超高齢社会は、実際のデータでみると、驚くほど長寿化しています。「人生100年時代」というフレーズが定着してしまいましたが、本当に100歳まで生きてしまう時代です。
よくシニアの方と話をしていると、「あと5年もすれば、あの世だから、積み立てなどは子や孫の話」という言い方をなさるのですが、後5年で希望通りあの世に行けることはまずないのです。そこから20年、25年の人生があるのが現在です。この事実を虚心坦懐に受け入れる必要があります。どの世代においても十分に長い時間があります。
人生軸で投資を続けていくことは、超高齢社会で生きていく上でとても必要なことです。長く投資を続けることで、お金を育て続ければ、自分が使っていっても、お金の目減りをゆるやかにできる。お金が育ち続けると、お金が尽きることを心配しなくてもよくなります。
今までの常識は「60歳までにいくら貯める」だったのですが、それを捨てていただいて、人生ずっと死ぬまで投資を続けながら、素敵な人生を自分で実現していきましょう。この意識改革をしていただきたい。全ての方々に便利な制度がつみたてNISAなので、そこから始めていただくと、積立投資の効果を実感できると思います。
伊井氏:
実は、アメリカも35年前は、今の日本と同じでした。アメリカは、国が年金を準備できないので、非課税制度を作るので、自分たちで資産形成してくださいと制度を変えました。アメリカがこの20年間で資産が3倍以上になったのは、全部自助努力です。国が保証してくれないので、自分たちで非課税制度を使って給与天引きでやらざるを得なくなってやり始めたのです。その結果、現在の豊かさを手に入れました。
中野氏:
実は、日本という社会が大転換期にあることを私たちは自覚しなければいけないと思います。かつての高度成長時代を未だにイメージして生きてきてしまっていますが、実際には今の日本は20世紀の日本とは違います。
高度成長時代には一億総中流社会と言われましたが、今、そのようなことをいう人はいません。ここから令和の社会は、一億総中流社会ではなく、格差社会だと思います。この格差社会は歴史的な必然です。これを克服するためには、格差で生き残るために自分で考えて行動するということに尽きます。これからは、自分で考えて決断して行動する人だけが、生き残れる側になれるのです。ご自分でできる範囲で、つみたてNISAを始めていただきたいと思います。

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