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資産管理のキホン

転職、退職時には確定拠出年金はどうなるの?

2016-02-19

 こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。

 確定拠出年金の特徴のひとつとして「ポータビリティ」があります。これは会社をかわっても、会社をやめても個人残高を持ち運べる(ポータビリティ)という意味です。

 しかし、多くの方が転職、退職時の手続きについて「ハードルが高くて面倒」と思ってしまうところなので、今回は損せず持ち運びをするための「ハードルの越え方」を解説したいと思います。

 確定拠出年金制度があった会社を辞めると、人事の方から「確定拠出年金の個人残高を移換するように」と書類を渡されます。ここが第一のハードルです。なぜなら多くの方が「確定拠出年金って何?」って思うからです。

 確定拠出年金は毎月の給与とは別に会社が掛金を拠出してくれる福利厚生制度です。このお金は会社が個々の社員の老後資金専用口座に拠出し、そのお金を社員本人が運用する仕組みになっているのですが、結構ここが分かっていない人が多いのです。

 なんだか分からない会社の制度・・・そんな風に思っているんですよね。そのため、会社からいきなり書類をもらうと、とっても面倒になってしまうわけです。でも、その書類はとっても大事なものなので、なくさないようにしましょう。これで第一のハードルはクリアです。

 なんだか知らないけど、会社がかけていたお金があるのだそうだ、と分かると、そのお金を使いたくなりますよね。さあ、ここで第二のハードルです。「確定拠出年金は原則60歳まで引き出しができない」という点です。そもそも老後資金用にと会社が積立をしてくれていたので、解約できなくて当然なのですが、にわかに「個人残高がある」と分かると使いたくなりますよね。でも、残念ながらそうはいかないのです。確定拠出年金の個人残高は今すぐには使えないとあきらめる、これが第二のハードルの越え方です。

 次のお勤め先が決まっている方は、新しい会社に確定拠出年金制度があるかどうかを確認しましょう。もし会社にあれば、前の会社から受け取った書類を新しい会社に持っていけばすべてまるく収まります。ハードルはもうありません。

 問題は、お勤め先が決まっていない人、あるいは決まっているけど、会社に確定拠出年金がない人です。その方たちは、ご自身で「個人型」に残高を移す必要があります。これが第三のハードルです。

 第三のハードルには6か月間というタイムリミットがあります。これを越えるとますます面倒なことになるし余計なお金がかかるので、先延ばしせずさっさと越えることをお勧めします。

 さて第三のハードルの越え方ですが、最も簡単な方法は、退職した会社からもらった資料に書いてある金融機関に電話をかけて「個人型に移したい」と言うことです。こうすれば、手続きに必要な書類を送ってくれますから、あとは言われた通りに手続きを進めたらよいだけです。

 しかしここにトラップがあります。手数料です。これまで会社でやっていた確定拠出年金は企業型です。これから自分で手続きをするのは個人型です。何が違うかというと、企業型は毎月かかる手数料を会社が負担してくれますが、個人型は個人で負担しなければならずこれがまた結構な重荷なのです。

 先ほどお伝えした確定拠出年金の書類に書いてある金融機関に電話すると、簡単に個人型に残高を移換できますが、必ずしもその金融機関の手数料が他と比べて安いとは限らないのです。

 では、どうしたらいいの?安心してください、こちらのサイト(モーニングスター 個人型確定拠出年金の総合ポータルサイト)で金融機関の比較検討が簡単にできますよ。

 ここまで来たらあとは金融機関に個人残高移換のための資料請求をするだけです。どうですか?ここまで分かれば、楽々3つのハードルが越えられますね。

 でも、実はみなさんにはもうひとつ越えていただきたいハードルがあります。それは「運用の勉強」です。確定拠出年金は、やっているだけで節税という大きなメリットを得られます。

 でも、どうですか?みなさん。今まで年末調整で税金が戻ってきても、それを貯金した試しがないでしょ?確定拠出年金も同じです。節税しても、意識しないとそのお金は無くなってしまいます。だからこそ、皆さんには運用の勉強も頑張ってしてもらって、ご自身の資産形成に積極的に関わっていただきたいのです。

 ハードル高すぎますか?でも、このハードルを越えたら、なによりも自分のためになりますよ。

山中 伸枝【やまなか のぶえ】

株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役

経歴:
1966年 岩手県宮古市出身
1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業
「心とお財布をハッピーに!」をモットーに、お客様のお金の不安に丁寧にむき合ったコンサルティングを中心に活動、得意分野は年金と資産運用

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