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資産管理のキホン

投資用途としての商業施設の特性(その2)

2017-03-03

 前回のコラムでは、J-REIT投資を行う際の用途分散の一つとして、投資市場及び収益構造の観点から見た「都市型商業施設」の特性についてまとめました。

 今回は、「郊外型商業施設」の特性について解説します。

郊外型商業施設の分類

 おそらく誰もが一度はイオンやイトーヨーカドーを訪れたことがあるでしょう。郊外型商業施設とは、これらイオンやイトーヨーカドー等のGMS(General Merchandise Store)と言われる、食品や日用品を中心とした総合スーパーや、ロードサイド型と言われる、幹線道路沿い等に小売り専門店が集約し駐車場を併せ持った施設を総称して言います。

郊外型商業施設の特性

 都市型商業施設と同様に、物販や飲食を目的とした施設であるため、テナントとなる事業主の多くは小売業や飲食業、個人を対象としたサービスです。

 一方、都市型商業施設と一般的に異なる点は、食品や日用品等の生活に密着した商品が多い点が挙げられます。従って都市型商業施設と比較すると、幅広く世代を対象に、来場頻度が高くなる傾向になり、結果として事業主は安定した収益を見込めるメリットがあります。

 マイナス面は、店舗毎の特徴が乏しく、どこも似たり寄ったりで、商圏が限定されるが故、近くに競合店舗が出来ると直接影響を受けやすい側面があると言えます。

REITにおける郊外型商業施設の収益構造

 REITが郊外型商業施設に投資する大きなメリットは、イオン等の核となるテナントと10年以上の長期の固定賃料のマスターリース契約が多く、従って長期に安定した収益を得ることが出来る点です。

 一方、ネット通販等の消費行動の変化や競合店舗の出現により、昨今GMSの撤退が続いています。GMSの事業環境は厳しく、賃料減額によるREITの収益の低下、更に撤退となると、一棟全体の収益がなくなるため減損リスクの可能性もあります。また都市型商業施設と比較すると、次のテナントが決まりにくく、不動産としての汎用性が低い点も指摘出来ます。

 このように事業主の運営依存度が高い不動産は、投資対象として難しい側面がありますが、一方で、誰でも店舗に自由に出入りできるので、個人には身近に感じられる施設です。

 地の利を活かして商圏が把握しやすく、店舗の繁盛ぶりも見えて、競合店舗の情報も入りやすいので、もしかしたら不動産投資のプロよりも、近くにお住まいの方の方が情報優位にあるかもしれません。

 最近の運用の事例としては、ユナイテッド・アーバン投資法人が運用する目黒区碑文谷にある「イオンスタイル碑文谷」は、40年以上前より「ダイエー碑文谷」としてダイエーの中でも基幹的な店舗でした。イオンとして復活し、その後老朽化や時代のトレンドに合わせ、昨年末イオンスタイル碑文谷として再度オープンしました。

 オープンして間もないのでその後の運用状況はわかりませんが、REITが関わって郊外型商業施設を再生させた取り組みとして注目の物件です。

 このようにREITが協力して郊外型商業施設の投資価値を上げることが、引いてはGMS事業のトレンドを変える時代になるかもしれませんね。

 次回は、物流施設の収益特性について解説します。

藤浪 容子【ふじなみ ようこ】

アイビー総研株式会社

経歴:
不動産会社にて不動産の賃貸・管理業務を担当。その後不動産証券化に関する情報サイトを立ち上げ、REIT創設時よりREITの記事執筆及び 分析を行う。
2007年アイビー総研株式会社設立に参画し、不動産投資ポータル「JAPAN-REIT.COM」の設立・運営を担当。

保有資格:
不動産証券化協会認定マスター

活動歴:
月刊プロパティマネジメント(綜合ユニコム刊)にて「J-REIT MONTHLY DATA FILE」連載。

不動産投信情報ポータル「JAPAN-REIT.COM」
アイビー総研株式会社ホームページ

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