こちらのサービスはログイン後にご利用いただけますモメンタムスコア変更銘柄(1月22日現在)
| 過熱→高値 | クボタ(6326)、ホンダ(7267)、シャープ(6753) |
|---|---|
| 安値→中立 | ダイヤモンD(3073・H) |
| 安値→売過 | 雪印メグ(2270) |
注目銘柄一覧
PDFファイルをご覧になるにはAdobe Readerが必要です。
※Acrobat Reader7.0以上推奨
創刊60周年によせて
本年8月14日、お陰さまをもちまして、弊紙は創刊60周年を迎えることができました。これもひとえに、読者の皆さまのご愛顧の賜物(たまもの)と、心から感謝申し上げます。
振り返りますに、産声を上げた1949年、この年は第1次ベビーブームのピークに当たり、実に270万人の方が生まれていらっしゃいます。特殊合計出生率も4.32人と、昨年の出生数109万人、出生率1.37人に照らし、隔世の感があります。
創刊60周年に当たり、これからの日本の経済と市場についてご案内しようと思うのですが、ご承知の通り、少子高齢化で人口の減少が想定される中、市場も国も縮小していくというのが総論としてあり、なかなか良い話が聞こえてきません。でも、果たしてそうなのでしょうか。
もちろん、戦後の復興期以降、家電製品、自動車をはじめとする耐久消費財が、人口増にも支えられ、付加価値を高めつつ広く浸透していった、そのような時代とは当然、事情が違ってきます。しかし、新しい産業、新しいマーケットは、その時々に生まれてくるものです。
日本の場合、キーポイントは、まずは高齢化対策でしょう。介護、医療、ヘルスケア、バイオなどの分野にビジネスチャンスの拡大が期待できるはずです。また、物があふれる中、文化活動やスポーツのように、精神的な満足感を高めてくれる「サービス」には、まだまだ発展の可能性が多く残されていると思われます。つまり、耐久消費財中心から、サービス業へという流れが起こる、そういうことではないでしょうか。
では、トヨタやソニー、日立などの製造業が生き残っていけないかというと、そうではありません。国内の市場が縮小しても、彼らには海外があります。おそらく中国、インドを中心とする、アジアの比率がどんどん高まっていくでしょう。いわゆる新興マーケットの中でどう生き抜くか、これからの製造業にとって非常に重要なポジショニングです。日本で作って輸出するのではなく、海外に製造拠点を設け、そこで海外の、アジアを含めた競合会社と戦っていくということです。
トヨタのように世界的にブランドを確立した会社は伍(ご)して戦っていけるでしょうし、ブランドがなくても、アジアの企業が一朝一夕で追い付けないような、技術的優位性を持つ企業は海外で十分、活躍できるはずです。少子高齢化による閉塞(へいそく)感を理由に日本株を否定的に見るのではなく、個々の企業、産業を見ると、まだまだ可能性はあるはずですから、それをいかに見いだすか。それがより重要になります。
もう一つは、環境です。オバマ大統領が打ち出したグリーン・ニューディール政策、これは非常に大きな流れを作るはずです。石油、天然ガスなどは、インド、中国におけるエネルギー需要の増加で、いずれ枯渇が懸念されますし、二酸化炭素(CO2)削減の側面でも、世界各国は協調して代替エネルギーの比率を高めていかなければなりません。
その中で、日本はどのように貢献していくのか。今までエネルギーは輸入に頼っていましたが、太陽光発電や、風力発電をはじめ、代替エネルギーについては、技術的な優位性も高く、輸出が可能です。これまで培ってきた電機、電子部品、自動車などにおける高い技術力をこの分野に生かすことができれば、ポテンシャルは相当な広がりを持つと考えられます。IT(情報技術)、インターネット関連で米国は高い優位性を誇っていますが、代替エネルギーの方がはるかに市場規模は大きく、世界的にもまれな技術的優位性、製造インフラを持つ日本は、世界をリードし、発展していける立場にあるはずです。
ただ、これまでの日本では、経済全体の成長により、業界内で立ち遅れている企業でも、ある程度の利益を得ることはできました。しかし、今後はそういう訳にいきません。優劣がより鮮明になるはずです。グローバルに展開できる会社、マーケットの変化に柔軟に対応できる会社、心の満足感を高めてくれる会社、そういうところは生き残り、その成長性が株価にも反映される。そのような時代に入っていくでしょう。
そういう意味で、銘柄の選定が、個人投資家にとっても機関投資家にとっても、非常に大切になります。機関投資家にしても、マーケット全体が上昇するのであれば、インデックスファンドで運用していればよかったのでしょうが、これからは225種をはじめ、インデックス採用銘柄における「優劣」がより鮮明になるはずですから、「優」の峻別(しゅんべつ)がとても重要になっていきます。
今後10年、20年と生き残り、世界に伍して戦っていける企業を見極めないといけないということです。そして、それはまさに弊紙が日々、追い求めているところです。いろいろな流れの中にある企業の本質をきちんと見極め、変化を把握し、一方で成長を見守る。その過程でそうした企業の情報を偏りのない形で紙面に反映させ、マーケット情報と合わせて、提供していく。そうした活動が、読者の皆さまの資産運用にお役に立てれば、これに勝る喜びはありません。
個人投資家の資産形成に資する。そして、それを通して資本市場の活性化に貢献する。創業時のこの使命感は今も不変です。重責を担うメディアとして、創刊60周年を機に、その使命感をさらに奮い立たせ、一意専心、尽力する所存です。今後も引き続き株式新聞をご愛顧いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

