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アナリストの視点(ファンド)

国際債券型ファンドに注目

2008-10-20

8月は世界的に景気後退懸念が強かったことから、投資信託への投資は消極的な動きでしたが、9月も米国の金融危機を背景に、世界的に金融不安が広がったため、一段と投資マインドが冷え込みました。株式市場を中心に波乱となっており、純資産額が減少しているファンドがほとんどとなっています。そこで今回は、9月にモーニングスターレーティングが付いている追加型株式投資信託で純資産額が10億円以上の1,008本について、9月の動向について見てみたいと思います。

 図表1は9月末の純資産が8月末から増加したファンドのうち、基準価格騰落率が上位の10ファンドを順に表示したものです。ちなみに、純資産が8月末から増加したのはわずか36本のみで、そのなかで、騰落率が前月末比プラスとなったのは4本だけとなっています。この10ファンドをカテゴリー別で見ると、上位4本が国際債券型、残りの6本が国内債券型となりました。株式型ファンドは、株式市場の波乱から国内外とも投資しづらかったと思われ、当然このなかには含まれていません。ただ、1位の「しんきん野村 世界国債ファンド」を始め、上位の4本は国際債券型といっても為替ヘッジを行っているファンドとなっています。9月は為替が円高傾向(ドルは対円で前月末から5.3%下落、ユーロも同7.4%下落)となっていたため、債券型ファンドでも、為替の影響を受けないタイプのファンドが選好されたと思われます。




図表1:基準価格騰落率上位順
(9月末の純資産が8月末から増加した36ファンド中)

順位 ファンド名 投信会社名 9月末
純資産額
(百万円)
8月末比
純資産増加額
(百万円)
8月末比
基準価額騰落率
(%)
カテゴリー
1 しんきん野村 世界国債ファンド 野村 2,057 6 0.69 国際債券型(H)
2 年金積立インデックスF海外債券(ヘッジ有) 日興 3,080 7 0.63 国際債券型(H)
3 損保ジャパン 外国債券ファンド 損保ジャパン 2,105 4 0.34 国際債券型(H)
4 (CS・ファンドS) 海外高格付け債A C・スイス 1,558 2 0.06 国際債券型(H)
5 アイエヌジー・日本債券オープン ING 1,956 15 -0.28 国内債券型
6 野村 日本国債インデックスF(確定拠出年金) 野村 1,061 13 -0.28 国内債券型
7 三井住友・DC年金日本債券インデックスF 三井住友 11,378 114 -0.33 国内債券型
8 DIAM 国内債券インデックスF<DC年金> DIAM 4,984 131 -0.33 国内債券型
9 DCニッセイ 国内債券インデックス ニッセイ 2,688 61 -0.33 国内債券型
10 三菱UFJ DC国内債券インデックスファンド 三菱UFJ 35,901 309 -0.34 国内債券型


 一方、図表2は9月末の純資産が8月末から100億円以上減少した79ファンドのうち、基準価格騰落率が上位の10ファンドを順に表示したものです。4位の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」を始めとして、純資産額の大きいファンドばかりとなっており、これまで人気(注目度)の高かったファンドが目立ちます。カテゴリー別の内訳を見ると、ほとんどが国際債券型で、円高傾向となると基準価格の低下が見込まれるため、こうした為替動向が純資産額減少に繋がったと考えられます。




図表2:基準価格騰落率上位順
(9月末の純資産が8月末から100億円以上減少した79ファンド中)

順位 ファンド名 投信会社名 9月末
純資産額
(百万円)
8月末比
純資産減少額
(百万円)
8月末比
基準価額騰落率
(%)
カテゴリー
1 フランクリン・テンプルトン 米国政府証券F フランクリン 171,356 -12,476 -4.60 国際債券型(F)
2 ワールド・ソブリンインカム 岡三 367,346 -47,964 -5.45 国際債券型(F)
3 ニッセイ/パトナム・インカムオープン ニッセイ 348,955 -31,575 -5.73 国際債券型(F)
4 グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 国際 5,346,061 -315,036 -5.79 国際債券型(F)
5 三菱UFJ 外国債券オープン(毎月分配型) 三菱UFJ 604,716 -42,373 -6.15 国際債券型(F)
6 グローバル・エマージング・ボンド・オープン 三菱UFJ 110,218 -13,609 -6.51 国際債券型(F)
7 世界三資産バランスファンド 野村 129,899 -11,939 -6.78 国際ハイブリッド・安定(F)
8 グローバル・ソブリン・オープン(3カ月決算) 国際 294,765 -22,360 -6.81 国際債券型(F)
9 DIAM 高格付インカム・オープン(毎月決算) DIAM 797,764 -76,843 -7.71 国際債券型(F)
10 ノムラ ファンドマスターズ世界債券Bコース 野村 138,512 -11,696 -7.74 国際債券型(F)


 ただ、今後については、さらに円高が進むとは言い切れません。もし一段の円高を予想するなら為替ヘッジありで、逆に円高一服、もしくは円安を見込むなら為替ヘッジなしで、国際債券型ファンドへ投資するのが現状では良いのではないかと思います。なお、株式型ファンドについては、株式市場の波乱が続いているだけにまだ手を出しづらい面がありますが、9月の下落率も大きかっただけに、リスクが取れるなら逆張り発想も一つかもしれません。




( 藤井 知明 )


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