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アナリストの視点(ファンド)

コストとパフォーマンス

2008-10-27

今回は国内株式ファンドのうち、モーニングスターカテゴリーで国内大型に属するファンドを対象にコスト(信託報酬等)とパフォーマンスの関係を見てみました。

 まず、図表(1)を参照するとコストが0.75%程度の低い水準(下図の赤線で囲っている部分)ではパフォーマンスはほとんど変わりません。これはコストが0.75%以下のファンドの多くが、パッシブ運用のインデックスファンドであるためだと考えられます。0.75%以下のコストのアクティブファンドもいくつかありますが、すべてDC専用、ラップ口座専用となっています。下図ではコストの高いアクティブファンドを比較する場合、赤で囲っているファンド群のパフォーマンスを基準とすると、どの程度のアクティブファンド(投信協会中分類でTOPIX連動型、日経225連動型に属するファンドをのぞいたもの、以下同様)がインデックスファンドを上回っているかが分かります。緑色の線はTOPIXの1年リターンですが、多くのアクティブファンドがTOPIX(配当込み)を下回っていることがうかがえます。高いコストを払っても1年という短期間ではインデックスをアウトパフォームするファンドはなかなか無いようです。




図表(1):1年リターンと信託報酬等の比較


出所:モーニングスター

 次に図表(2)についてもコストが0.75%程度の低い水準(下図の赤線で囲っている部分)を基に比較してみると、図表(1)と同様にインデックスファンドに勝っているアクティブファンドは少ないことが分かります。一方で、同じアクティブファンドの中でもコストが1.25%を下回るファンドと上回るファンドでアクティブファンドを分けてみるとコストが1.25%未満のアクティブファンドは35本中21本がTOPIX(配当込み)を上回っているのに対して、コストが1.25%以上のファンドでTOPIX(配当込み)を上回っているファンドは155本中わずかに38本と3割に満たない結果となっています。もちろんコストが安い方が運用益を毀損する割合が少ないため、パフォーマンスは高くなります。しかし、相対的に高い報酬を受け取る以上はより高いパフォーマンスが期待されるのではないでしょうか。




図表(2):5年リターン(年率)と信託報酬等の比較

出所:モーニングスター

 上記のプロットを見ると、コストの多寡とパフォーマンスの相関性は見受けられませんでしたが、コストが高くかつ、市場平均を下回るアクティブファンドが多くあることは明確となりました。もっとも比較したパフォーマンス自体に信託報酬等は織り込まれているので、上記で表したパフォーマンスから、さらにコストが差し引かれるということはありません。しかし、アクティブファンドはインデックスファンドに比べ、販売手数料も高くなっていることを考慮すると国内株式のアクティブファンドの選択はなかなか難しいと考えられます。




( 加藤 信之 )


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