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アナリストの視点(ファンド)

「円高」でのファンドのパフォーマンスは

2010-07-15

 「米国はギリシャではなく、日本に似てきている」。ノーベル賞受賞学者のポール・クルーグマン教授はこうした表現で世界的なデフレへの懸念を示したが、6月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文でも低金利を「長期間」継続するとの文言を改めて示している点など、ユーロへの懸念に加えてこれまで順調な回復を示してきた米国経済指標も失速感が出ており、米国経済の二番底に陥る懸念が頭をもたげている。リスク回避の動きから、米国では10年国債利回りが一時3%台を割り込むなど、債券買いの動きが強まる場面が出ていた。

過去5年間のドル/円の推移(月次) 過去5年間のドル/円の推移(月次)

出所:モーニングスター作成

「円高」の影響は大きい

 一方、リスク回避の動きとともに強まっていたのが、外国為替市場での円高の進行となる。特に国内投資家にとって海外資産への投資比率が高くなってきている現状では、海外資産部分は為替の変動に大きな影響を受け、円高によるマイナス影響は大きい。そういった意味では、世界的な債券選好の動きの高まりに加えて、円高の影響を受けにくいといった観点からも日本債への投資を考慮に入れる時期に入っているのかもしれない。
 日本でも一時長期金利の低下(債券価格の上昇)傾向は強まったが、足元では中国が日本国債への投資を短期債中心に拡大しており、需給面や投資家の多様性といった観点でも国内債券市場にプラスに働く可能性があるだろう。ただ、日本での長期金利は足元で1.1%を下回る場面が出たが、他国と比較しても長期金利の低下局面は長く続いているだけに、今後の低下余地は限られるだろう。ただ、世界的なデフレ懸念が再燃する、もしくはリスク回避の動きが強まる場面では長期金利も再び低下余地を探る可能性もあろう。

過去5年間の主要投資クラスの年間トータルリターンの推移
(各年の6月末時点の過去1年間のトータルリターンを集計)

過去5年間の主要投資クラスの年間トータルリターンの推移

出所:モーニングスター作成

「ニッセイ日本インカムオープン」への資金流入が目立つ

アクセスランキング(過去1週間)

 過去の国内債券に投資するファンド(モーニングスターインデックス国内債券型〈単純〉)のリターンの推移を見ても、リターンの絶対水準は小さくとも、円高局面で他資産が大きくマイナスのリターンとなる中でプラスのリターンを記録している点は興味深い。特に直近では、国内債券に投資するファンドとしては、「ニッセイ日本インカムオープン」への資金流入が目立っている。また、絶対収益は小さくなることが予想されるだけに、より低コストなインデックス・ファンドを活用した投資も考えられるだろう。

日本の債券に投資するファンドの純資産上位ファンド(2010年6月末時点)
ファンド名 委託
会社名
純資産額
(6月末
時点)
トータルリターン
(%)
信託
報酬
率等
(税込)
売却時
信託
財産
留保額
スター
レーティング
6カ月 1年 3年
(年率)
ニッセイ 日本インカムオープン ニッセイアセット 88,382 1.46 3.30 2.37 0.92 0 ★★★
DLIBJ 公社債オープン(短期コース) DIAM 21,336 0.63 2.02 2.12 0.32 0.05 ★★★
ダイワ 日本国債ファンド(毎月分配型) 大和投信 20,357 2.12 3.30 3.25 0.32 0 ★★★★
ジャパン・ソブリン・オープン 国際投信 13,215 1.28 2.47 2.62 0.35 0.05 ★★★
野村 日本債券インデックスファンド 野村アセット 9,815 1.98 3.26 0.39 0 -
野村 短期金利連動型投信(安定型) 野村アセット 9,361 0.28 0.70 -1.59 0.20 0.1 ★★
ピムコ 変動利付日本国債ファンドクラスα ピムコ ジャパン 8,193 2.11 7.36 1.13 0.68 0 ★★
MHAM 物価連動国債ファンド みずほ投信 8,168 0.22 7.59 0.46 0.42 0.1 ★★
中央三井 日本債券インデックスファンド 中央三井アセット 6,475 1.89 3.03 2.72 0.53 0.1 ★★★
ノムラ 短期債券オープン 野村アセット 6,178 0.34 1.15 0.72 0.26 0.05 ★★

出所:モーニングスター作成
※純資産額単位:百万円 信託報酬率等単位:%

(渡邉 亮)

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