
2010-07-29
モーニングスターが分類する類似ファンド分類の中で、2010年6月末時点からの過去6カ月間に資金流入の多かった類似ファンド分類を見てみた。
過去6カ月間(2010年6月末基準)に資金流入した類似ファンド分類は69分類中21分類だった。高い利回りを追求するファンドに資金が集まった結果、エマージング債券やREIT(不動産投資信託)を主要投資対象とするファンドに資金が流入したものと予想される(表1参照)。
表1の純資金流入ランキングで1位となったのは、「国際債券・エマージング(為替ヘッジなし)」。同分類の中では、毎月分配型のブラジル・レアル建て債券を主要投資対象とするファンドが上位を占めた。投資家は高い利回りを期待していることに加え、レアル高による為替差益を期待しているとみられる。第2位は「国際株式・REIT(為替ヘッジなし)」。1位と同じくREITの配当金による高い利回りを期待する投資家が多いことが予想され、1年以上月次ベースで資金流入が続いている。「国際債券・オセアニア(為替ヘッジなし)」もこうした投資家による資金流入が続いているとみられる。
一方、ファンドのパフォーマンスの良し悪しが資金流入動向に影響しているかについては、この期間では明確には判別できなかった。
| 類似ファンド分類 | 純流入金額 (百万円) |
トータルリターン(%) | ||
|---|---|---|---|---|
| 過去6カ月 | 過去1年 | 過去3年(年率) | ||
| 国際債券・エマージング(為替ヘッジなし) | 897,570 | -2.55 | 5.30 | -5.18 |
| 国際株式・REIT(為替ヘッジなし) | 655,813 | -5.81 | 24.79 | -22.64 |
| 国際債券・オセアニア(為替ヘッジなし) | 444,184 | -4.43 | 3.30 | -4.85 |
| 国際債券・短期(為替ヘッジなし) | 285,646 | -9.57 | -7.85 | -9.67 |
| 国際債券・低格付(為替ヘッジなし) | 207,207 | -1.93 | 14.15 | -7.67 |
| 国内債券 | 131,765 | 1.78 | 3.46 | 2.06 |
| J-REIT | 95,115 | 0.98 | -3.97 | -22.06 |
| 国際株式・アジア・オセアニア(為替ヘッジなし) | 48,094 | -5.64 | 11.16 | -12.18 |
| 日経225連動型 | 34,763 | -10.56 | -4.90 | -18.88 |
| 株式ブル型 | 30,894 | -23.26 | -14.79 | -42.31 |
出所:モーニングスター作成
1年未満ファンド、10億円未満ファンド除く
ランキング1位となった「国際債券・エマージング(為替ヘッジなし)」の過去6カ月間の資金流出入動向を見ると、全ての期間でプラスとなっており、純流入が続いている。しかし、流入超のファンドの本数と流出超のファンドの本数を比較すると、同期間では同分類に属する79本のファンドのうち流入超は33本であり、残りの46本が流出超となっている(図1参照)。個別ファンドごとの同分類の資金流出入動向を見ると、資金流入はブラジル・レアル建て債券ファンドなどの一部のファンドに集中しており、その他の新興国債券ファンドや、複数国の新興国債券に投資するファンドは資金流出傾向にあった。また、他の類似ファンド分類でも同様に一部のファンドに大幅な資金流入が見られた。
一方、同期間の「国内債券」の資金流出入動向を見ると、54本中45本が流入超となっており、「国内債券」全体で資金流入傾向にある。
出所:モーニングスター作成
アクセスランキング(過去1週間)
過去6カ月間の動向を見ると、話題性の高い分類でも一部のファンドに人気が集中している可能性が高いことが分かった。こういった投資家動向に関する情報を定期的にチェックすることで、ある程度、市場動向をつかむことが可能となる(例えば、モーニングスターのファンド別資金流出入ランキングや、ネット販社販売ランキングなど)。個別ファンドの動向に関しては、純資産額の増減を調べてみるとよいだろう。
また、ファンド購入の際には、人気の投資対象・テーマなどに着目するだけでなく、どういった特徴のファンドが自分の運用目的に合っているのかをきちんと把握する必要があるだろう。
(下村 優太)
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