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アナリストの視点(ファンド)

金関連ファンドに脚光

2011-08-11

一段と騰勢強まる金価格

 2011年7月の1ヵ月間でファンドのトータルリターンをみると、東南アジア圏の株式に投資するファンドの好パフォーマンスが目立つ中にあって、ランキング上位には金関連に投資するファンドなども目に付く(図表1参照)。欧州、米国でくすぶる財政不安、世界景気の減速懸念などを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる金の需要が高まっている格好だ。

図表1 7月末を基準とした過去1ヵ月間のトータルリターンランキング
順位 ファンド名 会社名 カテゴリー トータルリターン1ヵ月間(%)
1 アムンディ・インドネシア・ファンド アムンディ 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 11.17
2 (オーロラF) タイ投資F 野村アセット 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジあり) 10.68
3 (野村ブル・ベアS4)円高ユーロ安トレンド4 野村アセット 為替ベア型 9.82
4 ダイワ・ライジング・インドネシア株式F 大和投信 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 7.43
5 (野村ブル・ベアS4)円高ドル安トレンド4 野村アセット 為替ベア型 7.35
6 BR・ゴールド・メタル・オープンAコース ブラックロックジャパン 国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり) 6.94
7 ING・インドネシア株式ファンド アイエヌジー投信 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 6.83
8 MHAM 金先物ファンド(ロング型) みずほ投信 コモディティ・その他指数連動型 6.67
9 インドネシア株式オープン 国際投信 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 5.97
10 (ノムラ・アジア)インドネシア・フォーカス 野村アセット 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 5.83
11 PCA インドネシア株式オープン PCAアセット 国際株式・エマージング・単一国(為替ヘッジなし) 5.49
12 ブラックロック・ゴールド・ファンド ブラックロックジャパン 国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし) 5.29
13 アムンディ・りそなアセアン・ファンド アムンディ 国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし) 5.18
14 ラッセル・アジア増配継続株100A ラッセル・インベストメント 国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジあり) 5.12
15 野村 金先物投信(ブラジルレアル)毎月 野村アセット コモディティ・その他指数連動型 4.86

出所:モーニングスター作成
DC、SMA、ETFを除く。7月末時点で純資産額10億円以上のものに限定。

 8月に入りインドネシア、タイ両市場を含む世界の株式相場全体が大乱調となっているのに対し、金価格は騰勢がおさまる気配がみられず、歴史的高水準にある(図表2参照)。マーケットの先行き不透明感が強まる中、金関連ファンドは当面、有効な投資対象として存在感を示し続けることになりそうだ。

図表2 NY金の年初来の価格推移(2011年7月末まで)
記事タイトル

出所:QUICK Astra Managerを使用しモーニングスター作成

金投資の特徴

 金は基軸通貨ドルが他通貨に対し下落するような局面で、金そのものが価値を有する安全資産として買われるケースがみられるほか、インフレヘッジ目的としても投資の対象となりやすい。株や債券といった伝統資産との連動性が低いことから、ポートフォリオに組入れることでリスク分散も図られる。一方で、近年では工業用途や新興国での装飾品用途など実需も高まりつつあり、金価格を下支えするとともに、景気の影響も過去に比べ受けやすくなっている。

 詳しくは、モーニングスターのサイト内コーナー「話題のファンド」の、「金・原油関連」の項をご覧頂きたい。

金関連ファンドには多様性も

 以下に主な金関連ファンドをいくつかピックアップしてみた。

図表3 主な金関連ファンド一覧
ファンド名 会社名 カテゴリー トータルリターン(%) 純資産額
(百万円)
1ヵ月間 6ヵ月間 1年間
ブラックロック・ゴールド・ファンド ブラックロックジャパン 国際株式・グローバル・
除く日本(為替ヘッジなし)
5.29 2.34 14.84 21,691
三菱UFJ ゴールド・インカム・プラス・F(毎月) 三菱UFJ投信 安定成長 0.83 - - 11,644
BR・ゴールド・メタル・オープンBコース ブラックロックジャパン 国際株式・グローバル・
除く日本(為替ヘッジなし)
4.82 2.84 15.92 9,868
BR・ゴールド・メタル・オープンAコース ブラックロックジャパン 国際株式・グローバル・
除く日本(為替ヘッジあり)
6.94 2.66 17.15 4,539
MHAM 金先物ファンド(ロング型) みずほ投信 コモディティ・
その他指数連動型
6.67 19.22 34.74 3,654
MHAM 金先物ファンド(ショート型) みずほ投信 コモディティ・
その他指数連動型
-6.61 -17.93 -29.15 3,574
野村 金先物投信(ブラジルレアル)毎月 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
4.86 25.01 44.16 1,219
三菱UFJ 純金ファンド 三菱UFJ投信 コモディティ・
その他指数連動型
2.99 - - 945
ジャパン・ゴールドファンド(ブル2倍型) ITCパトナ コモディティ・
その他指数連動型
5.56 25.87 44.91 821
野村 金先物投信(豪ドル)年2回 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
7.89 27.67 51.44 665
ジャパン・ゴールドファンド(ベア2倍型) ITCパトナ コモディティ・
その他指数連動型
-6.04 -26.38 -39.90 497
野村 金先物投信(豪ドル)毎月 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
7.96 27.31 50.90 437
野村 金先物投信(ブラジルレアル)年2回 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
4.81 25.91 45.92 412
野村 金先物投信(南アフリカランド)年2回 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
6.03 23.17 38.52 54
野村 金先物投信(南アフリカランド)毎月 野村アセット コモディティ・
その他指数連動型
5.97 22.77 38.20 49

出所:モーニングスター作成
トータルリターン、純資産額とも2011年7月末基準

 金関連のファンドは、モーニングスターのカテゴリーではコモディティに分類されるものが中心で、金価格への連動を狙うものが大半となる。一部、ショート・ポジションのファンドもあるので注意が必要。資源国通貨の通貨選択型ファンドなども存在する。

 こうした中、「ブラックロック・ゴールド・ファンド」は金鉱株を中心に、南アフリカ、オーストラリア、カナダ、米国などの金属の採掘や精練を行う企業の株式に投資しており、関連ファンドの中でも純資産額が2011年7月末時点で約216億円と比較的規模が大きい。同ファンドは2011年1月から6月までの半年間、月間での資金の流入超過が継続し、合計で約125億円の純流入となる人気ぶりだ。ただ、あくまで海外株に投資するファンドであるため、ポートフォリオにヘッジ効果を持たせる目的で金関連ファンドを探している方は、自分の投資目的を見直しながら判断する必要があるだろう。

 2011年3月に設定されたばかりの「三菱UFJ ゴールド・インカム・プラス・F(毎月)」は、金価格の動きを反映する上場信託だけでなく、金産出国通貨建てのソブリン債などにも投資し、金価格の値動きをとらえつつ、利子収益の確保および値上がり益の獲得を目指す。また、直近では、金ヘッジを活用しながら新興国債券に投資する「野村エマージング債券投信(金コース)毎月分配型」、同「年2回決算型」といったファンドが設定されている。このように、金関連ファンドも幅が広がってきている。

 このほか、「金価格連動型上場投資信託」<1328.OS>や「SPDRゴールド・シェア」<1326.T>などの金ETF(上場投資信託)も当然ながら有力な投資対象となり、金投資の選択肢は思いのほか多様と言えるだろう。

(松尾 繁)

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