アナリストの視点

重要イベント相次ぐ、株式相場急落に耐性のあるカテゴリーを探る

2018-06-07

 今月(2018年6月)は、世界の金融市場を揺るがす可能性のある重要イベントが多数予定されています。12日には史上初の米朝首脳会談が開催されるほか、12−13日にFOMC(米連邦市場公開委員会)、14日にECB(欧州中央銀行)理事会、22日にOPEC(石油輸出国機構)総会が予定されています。米朝首脳会談では北朝鮮の非核化を巡る議論が、FOMCとECBでは金融引き締めに対する当局のスタンスが、OPEC総会では現行の協調減産を緩和するかがポイントとなります。このほかにも、貿易政策を巡る米国の動きが市場に影響を及ぼす恐れがあります。これらのイベントを受けた金融市場の動きを予想するのは困難です。ただ、日米ともに足元の株価が高値圏にあることから、ネガティブな材料が出た場合には、調整幅が大きくなる恐れがあります。そこで、過去3年間(2015年6月−2018年5月)を対象に、株式相場急落時に耐性のあったカテゴリーを見ておきたいと思います。

「中国ショック」「Brexit」時のリターン上位カテゴリーは?

 具体的には、2015年8月と2016年6月を取り上げたいと思います。2015年8月は中国が人民元を切り下げたいわゆる「中国ショック」が、2016年6月はイギリスのEU(欧州連合)からの離脱が決定した「Brexit」が発生した月で、TOPIX(東証株価指数)はそれぞれ前月比で9.7%、7.4%下落しました。それぞれの月におけるトータルリターンの上位10カテゴリー(ブル・ベア型除く)を見ると以下となりました(図表1)。

 双方の月で重複するカテゴリーをみると、「国内債券・中長期債」「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」「国際債券・物価連動債(為替ヘッジあり)」「国内債券・物価連動債」の4カテゴリーとなりました。この4カテゴリーは、株式相場の急落局面で相対的に強みを発揮する可能性があるといえそうです。

「国内債券・中長期債」「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」は過去1年間で流入超過

 これら4カテゴリーの足元(2018年5月までの1年間)の純資金流出入額を見ると、「国内債券・中長期債」が691億円、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」が819億円の流入超過となりました(図表2)。今月の重要イベント後に金融市場でリスクを取る動きが強まった場合には、債券に投資するカテゴリーには逆風が吹く可能性がありますが、この2カテゴリーは年初から株式市場が堅調に推移する中でも、比較的安定して資金が流入していることから、大きな問題はないとみられます。逆に、イベント後にリスク回避の動きが強まった場合には、流入基調が強まりそうです。

株式市場急落時に支えが期待される個別ファンドは?

 最後に、「国内債券・中長期債」と「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」を対象に個別ファンドを見ておきたいと思います。両カテゴリー内で、「2015年8月と2016年6月の月次リターンが共にプラス」「2018年5月末時点のレーティングが4ツ星以上」「同月末時点の純資産額10億円以上」を充たすファンドを見ると、「国内債券・中長期債」に該当ファンドがありました。「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」には該当ファンドがありません。条件を充たす「国内債券・中長期債」ファンドの中から、2018年5月末時点の過去3年間のトータルリターン(年率)の高い上位5ファンドを取り上げると、以下となりました(図表3)。

 なお、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」では、レーティングが3ツ星であることを除くと条件を充たすファンドとして、「国際機関債オープン(為替ヘッジあり)」があります。重要イベントを受けて株式市場が調整する場面では、これらのファンドが支えとなる可能性がありそうです。

(武石 謙作)

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