今だから考えたい「長期投資」と「分散投資」の重要性



先行き不透明な時代の資産運用のポイント リスク商品の組入れと長期投資視点


1.不透明な時代、「家計」は逆に短期指向に
図(1)【我が国の公債残高と家計金融資産に占める現金・流動性預金比率】

図(1)【我が国の公債残高と家計金融資産に占める現金・流動性預金比率】

出所:日銀資金循環勘定及び財務省データより、モーニングスターが作成。
各年3月末(年度末)データを使用。現預金・流動性預金の直近のみ07年12月末。


 迫る少子高齢化の時代と長引く日本経済の低成長、増え続ける国や地方自治体の借入金。そうした中、日本の家計は、金融資産を長期で運用するのではなく、短期的な金融商品で運用したり現金として手元に置くなどの傾向を強めています。図(1)は、「日本の公債残高」と「家計の金融資産に占める現金と流動性預金(普通預金など)の合計数値の比率」を、同じグラフ上にまとめたものです。「国の借入金は返済できるのであろうか」といった不安に対し、家計は、現金に近い形で金融資産を手元に置き、身構えている現状が表れていると考えられます。




2.身構えるだけでは不十分
図(2)【資金を2倍にするために必要な運用年数】

図(2)【資金を2倍にするために必要な運用年数】

出所:モーニングスターが作成。元金500万円を複利運用した場合、何年で2倍の1000万円になるかを計算したもの。横軸は「年」。年末に50万円を新たに積み立てた場合のケースも示した。


 確かに、現金や流動性預金で手元にお金を置いておけば、運用失敗などのリスクは少ないでしょう。ただし、それではなかなかお金が増えないことになるので、将来が不安である現実に大きな変化はないように思われます。
 図(2)をご覧頂ければと思います。500万円の元金を2倍の1,000万円にするには何年かかるのか、年利回りの違いによって示したものです。年利0.5%の普通預金でいくら運用しても、元金を2倍にするまで139年を要してしまいます。言い方を換えれば、明治維新の翌年に当たる1869年から運用を始め、2008年までかかってしまう長さを必要にすることになります。
 これに対し、年利3%ならば24年で、同5%ならば15年で、500万円を1,000万円にすることができる計算です。これは現実性のある数値だと思われます。また、毎年末に50万円の追加資金を新たに積み立てていけば、年利3%ならば8年で、同5%ならば6年で元金を2倍に増やせる計算になります。
 やはり、金利は資産形成の上で無視できない要素であると考えられます。許容できる範囲内のリスクを取りつつも、ある程度の利回りを確保してゆくことは、重要なことだと考えられます。




3.長期投資で資産形成を
図(3)【年50万円積み立てていった場合の資産形成】
図(3)【年50万円積み立てていった場合の資産形成】

出所:モーニングスターが作成。年末に新規資金を50万円ずつ毎年追加した場合、元金500万円が当該年末(横軸)にいくらとなっているか(縦軸)を示している。


 図(3)をご覧下さい。追加資金を積み立てる方法の場合、20年後には年利3%の場合2,247万円、同5%の場合は2,980万円の金融資産を形成することができます。また、期間を30年間取ることができれば、前者では3,592万円、後者では5,482万円の資産となります。ある程度の利回りと資産の長期運用により、相当額の資産を形成することは可能だと思われます。




4.長期投資は短期投資に比べリスク軽減効果も

 投資を行う場合、安いときに買い、高いときに売れば大きな収益が上げられます。しかしながら、相場が底を打ったとき(安いとき)というのはプロの運用者でも判断できませんし、逆に天井に届いたとき(高いとき)も同様です。そこで相場の動きを見て、短期的に売買をするのではなく、中長期的な視点で投資を行うことで資産の確実な成長が図れます。図(4)のように同じ資産でも長期で持つことで最大リターンと最小リターンの幅が小さくなることが分かります。
 このように、長期投資は、資産形成に有効であるのみならず、短期で売買する場合に比べ、大きな損失を防ぐことが可能になります。




図(4)【海外債券の算出期間別リターン】
図(4)【海外債券の算出期間別リターン】

出所:モーニングスター、対象期間は1993年4月末から2008年4月末 使用した指数はシティグループ世界国債(除く日本)インデックス(円ベース) 3年リターン、5年リターン、10年リターンはすべて年率。


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