

迫る少子高齢化の時代と長引く日本経済の低成長、増え続ける国や地方自治体の借入金。そうした中、日本の家計は、金融資産を長期で運用するのではなく、短期的な金融商品で運用したり現金として手元に置くなどの傾向を強めています。図(1)は、「日本の公債残高」と「家計の金融資産に占める現金と流動性預金(普通預金など)の合計数値の比率」を、同じグラフ上にまとめたものです。「国の借入金は返済できるのであろうか」といった不安に対し、家計は、現金に近い形で金融資産を手元に置き、身構えている現状が表れていると考えられます。

確かに、現金や流動性預金で手元にお金を置いておけば、運用失敗などのリスクは少ないでしょう。ただし、それではなかなかお金が増えないことになるので、将来が不安である現実に大きな変化はないように思われます。
図(2)をご覧頂ければと思います。500万円の元金を2倍の1,000万円にするには何年かかるのか、年利回りの違いによって示したものです。年利0.5%の普通預金でいくら運用しても、元金を2倍にするまで139年を要してしまいます。言い方を換えれば、明治維新の翌年に当たる1869年から運用を始め、2008年までかかってしまう長さを必要にすることになります。
これに対し、年利3%ならば24年で、同5%ならば15年で、500万円を1,000万円にすることができる計算です。これは現実性のある数値だと思われます。また、毎年末に50万円の追加資金を新たに積み立てていけば、年利3%ならば8年で、同5%ならば6年で元金を2倍に増やせる計算になります。
やはり、金利は資産形成の上で無視できない要素であると考えられます。許容できる範囲内のリスクを取りつつも、ある程度の利回りを確保してゆくことは、重要なことだと考えられます。

図(3)をご覧下さい。追加資金を積み立てる方法の場合、20年後には年利3%の場合2,247万円、同5%の場合は2,980万円の金融資産を形成することができます。また、期間を30年間取ることができれば、前者では3,592万円、後者では5,482万円の資産となります。ある程度の利回りと資産の長期運用により、相当額の資産を形成することは可能だと思われます。
投資を行う場合、安いときに買い、高いときに売れば大きな収益が上げられます。しかしながら、相場が底を打ったとき(安いとき)というのはプロの運用者でも判断できませんし、逆に天井に届いたとき(高いとき)も同様です。そこで相場の動きを見て、短期的に売買をするのではなく、中長期的な視点で投資を行うことで資産の確実な成長が図れます。図(4)のように同じ資産でも長期で持つことで最大リターンと最小リターンの幅が小さくなることが分かります。
このように、長期投資は、資産形成に有効であるのみならず、短期で売買する場合に比べ、大きな損失を防ぐことが可能になります。
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