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アナリストの視点(ファンド)

国内債券ファンドが抱えるリスク−デュレーションの長期化が示す価格変動リスクの増大

2012-08-09

日本国債の利回りは低下基調

 世界の経済情勢を見渡すと、欧州財政問題に対する懸念が続いていることに加えて、米国、中国での景気減速懸念が強まり、先行き不透明感が強まっている。投資家のリスク回避姿勢が強まっていることに加え、主要中央銀行にはさらなる追加金融緩和が市場で求められていることから、相対的に安全度が高いとみなされる国の国債に対する買い意欲が高まり、利回りの低下が続いている。米国、ドイツでは10年債利回りが過去最低水準にまで低下し、日本でも1%の大台を下回る水準にまで低下した(図表1参照)。こうした利回りの低下を背景に、モーニングスターカテゴリー「国内債券・中長期債」に属するファンドの2012年7月末までの過去1年間のトータルリターンの平均値は2.51%のプラスと堅調なパフォーマンスとなっている。

図表1:日本国債の10年債利回りの推移

図表1:日本国債の10年債利回りの推移

出所:モーニングスター作成

「NOMURA−BPI総合指数」のデュレーションは徐々に長期化

 こうした状況の中、国内債券型ファンドのベンチマークとして最も多く利用されている「NOMURA−BPI総合指数」のデュレーションの過去10年間の推移をみると、超長期国債の発行の増加を背景として長期化が進んでいる(図表2参照)。デュレーションとは、債券の金利変動に対する価格変化を表す指標で、例えば、債券の金利が1%上昇(低下)した場合、デュレーション1年の債券は額面100円につき1円下落(上昇)するのに対して、デュレーション3年の債券は3円下落(上昇)する。つまり、デュレーションの長期化は金利変化に対する国内債券ファンドの価格変動リスクの増大を意味している(デュレーションは投資資金の平均回収期間を指す指標としても用いられる)。

図表2:NOMURA−BPI総合指数とデュレーションの推移

図表2:NOMURA−BPI総合指数とデュレーションの推移

出所:モーニングスター作成

国内債券インデックスファンドへの影響は?

 「NOMURA−BPI総合指数」のデュレーションの長期化は、国内債券インデックスファンドの価格変動リスクの上昇に繋がる。

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 国内債券インデックスファンドは他の資産と比較してリスクが小さいことに加え、他資産と異なる値動きをすることからポートフォリオのリスク全体が抑える効果を持つため、資産配分の中心的な資産の一つと捉える投資家も少なくない。インデックスファンドを資産運用の中核と考える投資家も増加傾向にある中で、国内債券インデックスファンドの役割は大きい。デュレーションの長期化は、ポートフォリオ全体のリスクを抑えるべき国内債券のリスク上昇に繋がり、今後の投資家の資産配分に少なからず影響を及ぼす可能性があるだろう。

 なお、現状の主要インデックスファンドの純資産額をみると、国内債券インデックスファンドの規模はそれほど大きくはない(図表3参照)。また、デュレーションが長期化したとしても、他の資産に投資するファンドと比較して相対的なリスク水準は依然として小さい。ただし、金利変化に対する感応度は以前に比べて大きくなっているということは認識しておいたほうが良いだろう。

図表3:インデックスファンドの純資産額(2012年7月末時点)

図表3:インデックスファンドの純資産額(2012年7月末時点)

出所:モーニングスター作成
※1 各資産クラスは以下のモーニングスター類似ファンド分類に属するファンド
国内債券:NOMURA−BPI(総合)連動型、先進国株式:MSCIコクサイ(円ベース)連動型
国内株式:TOPIX連動型、先進国債券:シティ世界国債(除く日本、円ベース)連動型
※2 DC、SMA、ETFを除いて集計

(下村 優太)

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