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新興国ニュース



<新興国eye>不況、不景気、通貨安、贈収賄事件のブラジルは進出のチャンス

2015-02-26 07:42:00.0

 新財務大臣であるジョアキン・レヴィ氏は、ブラジルがカーニバルで浮かれている時期にも、国際的信用を取り戻そうと精力的に海外を周り、ブラジルの現状と新しい施策を説明した。まずはダボス会議に出席し、15年は基礎的財政収支を黒字化するために緊縮財政をとり、GDP(国内総生産)は「ゼロ成長」になることを示唆。2月18日には米国の投資家回りに奔走し、14年のGDPがマイナスになる可能性があること、そして15年も非常に厳しい年になるという現状を説明するとともに、増税や公共投資削減は16年の景気再浮上のための施策であることを訴えた。

 今年は内資・外資を問わず、ブラジルの企業にとっては試練の年になりそうである。年初から公共料金の値上げラッシュ、輸入関税の引き上げなど、消費が減速し企業の販売量が落ちている中での製造コスト増というダブルパンチ。輸入販売をしている会社にとっては急激なレアル安で三重苦といえる。
 そうした状況下で起こったペトロブラスの巨額贈収賄事件は、これまで大きな雇用を生んできた石油産業と大手ゼネコンを中心とした建設業が打撃を受け、リストラ・減給に着手をせざる得ない状況となり、その下請け企業においては多額の未収も発生し、存続が危ぶまれる企業も出てきている。

 しかし、実はこのようなブラジルの苦境は、裏返すと今後進出しようとする企業にとってはまたとないチャンスである。
 第一に、レアル安。ドルで投じた資本金は14年初めに比べると20−30%増しになっているし、一気に販路やシェアを取るためのM&A(企業の合併・買収)には絶好機である。経済の先行きに不安を感じている経営者も話に乗りやすい。
 次に、政策金利が現在12.25%なので、資本金を多めに入れておけば、何もしなくても年利10%前後がつく。ブラジルのメガバンクは世界的に見ても高収益体質で安定しているので、リスクも少ない。さらにレイオフが始まり失業率が上がると、人件費の上昇も抑えられ、安い賃金で人材を確保できる。
 また、巨額贈収賄事件のペトロブラスは、今は資金繰りにも詰まり大変な状況だが、業務がストップしている部署も多い。国営企業のため、取引ができるようになるまでにプレゼンをしてから会社登録をし、最低1年は掛かると言われている。まさに、今が参入のチャンスである。
 ペトロブラスは最盛期には年間十数兆円の売上を誇った巨大国営企業であり、いずれは必ず再生する。その取引先として大手ゼネコン5社の経営陣が逮捕され、全社が一気に公共入札からいなくなったので、建設関係の企業にも大きな市場が生まれている。公共事業が減るとはいえ、上位5社が競争から除外されるだけであるから残る市場は魅力十分。これまでは談合など裏の活動が必要だったりしたが、今回の一斉検挙により、今後は技術とコスト重視になっていくため、日本企業にとっては戦いやすい。

 15年は日本企業にとってもブラジル参入の絶好機だが、16年以降の回復時に恩恵を手にするには早期に準備する必要がある。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社

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