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債券・為替ニュース



FXを極める=「ドル・円の戦後最安値更新はもうない」

2011-11-25 19:40:00.0

 75円32銭。
 年内は、もうドル・円の戦後最安値更新はないとみている。年内は。

 23日、勤労感謝の日で東京勢が休みを取るなか、ドル・円は静かに日足一目均衡表の「雲」の上限を突破した。

 10月31日、当局の大規模(すぎる)介入で「震え上がった」投機筋はドル売り・円買いで攻勢をかけることを「忘れた」。安住淳財務相の表明後、断続的な指値介入の時間帯に転じたことで、市場では「今回は当局の手法が異なる」との見方が一般化。その後、覆面介入観測がくすぶり続けるなか、ドル・円は何とか命脈を保ってきた。

 もちろん、11月に入ってのドル・円の底堅い推移は、ユーロ圏各国を覆い尽くした財政懸念に根ざす投資家のリスク回避の賜物に他ならない。各国の株価指数が下落してリスク回避志向が高まれば、ドル高(高金利通貨安)によってドル・円が上昇。一方、欧州の諸問題への警戒度がいくぶん和らいで投資家のリスク許容度がやや高まる際には、ドル安(高金利通貨高)主導でドル・円が「きちんと」下落した。

 11月第2週の後半が好例。9日、イタリア10年債利回りが「危険水域」7%の大台を突破すると投資家のリスク回避行動が強まった。しかし、同利回りは10日、11日と急速に低下。するとどうだろう。投資家のリスク許容度は修復され、ドル売りが進行。ドル・円は下落した。そう、これは10月31日の介入直前まで頻繁にみられた、ドル・円の戦後最安値更新のパターンである。

 12月が、来る。年末の接近でドル需要が高まる。「金融危機前夜」という様相のなかでの年越しとなりそうな本年は、格別、ドル需要が高まるものとみられる。

 EFSF(欧州金融安定化基金)をめぐる議論。詳細は今月中にまとめる、と欧州のリーダーたちは啖呵(たんか)を切ったが、結論のおぼろげな姿すら見えないまま、11月最終週の幕が開く。いま、ドイツのメルケル首相は、寝ても醒めても、原則や規律しか唱えない。

 今週、ユーロ圏各国国債への売り圧力はついにドイツに及んだ。「ユーロ圏の安全資産」として資金を一手に集めてきたドイツ10年債の利回りは、同国債入札の異例なほどに振るわない結果を受けて急上昇を開始。ドイツとフランス。この2大国でやっと、やっと維持してきたユーロ圏の信用力は風前の灯で、EFSFの拡充をめぐる議論は前に進まない。

 そして、火の粉は遠く日本まで及んだ。

「日本国債は格下げに近づいている」(S&P<スタンダード・アンド・プアーズ>のアナリスト)
「(日本の公的債務残高は)持続不能な水準」(IMF<国際通貨基金>)

 ユーロ圏の盟主・ドイツの国債まで売り圧力に押されて市場関係者が動揺するなかで伝わった日本国債への警告。「ついに来たか」。冷たい汗を覚えた。24日から連日、日本10年債は売り圧力を浴びた。利回りは1%台を回復。

 しかし、為替市場はケロリとしている。それもそのはず、「日本国債は、その圧倒的部分を日本の投資家が保有している。長期的に貯蓄率や人口構成が変わるまで、海外投資家の保有分が格段に増えるまで、財政のリスクプレミアムの上昇による日本国債への猛烈な売りは想定できない」との見方が多い。「長期金利は1%割れが続き、さすがにここから買うわけにも行かず、売りのタイミングを待っていた。そのときに悪材料が出たというだけ。今後、押し目買いは必ず入るとみている。今回の国債売りはあくまで一時的なポジション調整に過ぎない」(準大手証券)との指摘が出ている。ニッポンの財政懸念に伴う円売りはお預けのようである。

 もっとも、ドル・円が冒頭のような「季節要因」という「甘やかな理由」で底堅い推移を続けるだろうか。この、何でもかんでも起こって来た年の瀬に。

 警戒したいのはクロス円。微妙に値を保っている、ユーロである。ユーロにはリパトリ(資金の本国回帰)の買いが流入する分、対円、対ドルでの下げ幅が大きくないとみられている。高金利通貨が対円、対ドルの日足チャートにこれでもかと陰線を連ね、軒並み安値を記録しているのとは対照的である。

 しかし、真にユーロ圏が「瓦解」(がかい)に向かったらどうだろうか。ユーロは全面安を免れまい。たとえば、ベルギーとドイツの10年債の利回り格差からすれば、1ユーロ=100円割れが妥当とされる。ユーロ・円が暴落となれば、ドル・円は持たない。

 予断を持たず、相場の動向を見つめる必要がある。そして、ニッポンの財政危機も。(和田崇彦)

◎関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、為替取引に当たっては自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。

提供:モーニングスター社

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