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新興国ニュース



<新興国eye>大阪より物価や賃金が高いブラジル・サンパウロの中心部で生活する駐在員

2014-05-13 17:05:00.0

 4月、5月は人事異動のシーズン。多くの日本企業は3年から4年のローテンションで駐在員も代わっていく。新年度から初めてブラジルに駐在する人も多いが、いつも驚くのはブラジルの物価の高さである。特に、多くの日本企業の駐在員は、安全面を考えて、サンパウロの中心部であるパウリスタ大通り周辺のジャルジン・パウリスタという一画に住んでいる。通勤においても事務所に近いこの場所が好ましいだろう。では、物価が高騰しているサンパウロの中心部に住むのには、いくらぐらいかかるのであろうか?

 まずは家賃であるが、部屋には2種類あって、いわゆる家具つきで、契約すれば翌日から住める「フラット」と呼ばれているタイプと、ほぼ何もなくて、自らすべてを揃える(場合によってはスケルトンで内装工事も自分で行う)「マンション」タイプのものがある。フラットの家賃は、当然部屋の広さによって違うが、ワンルームで月額15万円、2ベッドルームになると25万円前後となり、ファミリー向けの3LDKともなると35万円超といったところである。フラットは家具、電話、テレビ、ケーブルテレビ加入料、水道費などすべて含まれているので高くなる。一方、マンションタイプの家賃はフラットより4万−5万円は安くなるものの、その分、家財道具を買ったり内装したりで、結局50万−100万円はかさむことになる。だから、アジアの感覚でブラジルに赴任すると大変なことになる。

 いくつかの企業の駐在員は住居の賃貸の申請を会社にあげても、ブラジルの物価の高さを信用してもらえず、なかなか稟議が通らないらしい。ひどい場合には、1年間も結局ホテル住まいだったという人もいる。よっぽどホテルのほうが費用はかかっているので、本末転倒のような気がするが、それが現実である。

 JETRO(日本貿易振興機構)が発表をしている各都市別のコスト例をもとに、サンパウロを日本の大阪と日系企業の進出が多いタイのバンコクと比較をしてみると、その実情に驚く。家賃はサンパウロが大阪の1.5倍で、バンコクの3倍。駐在員用住宅借上料も同じくサンパウロが大阪の1.5倍で、バンコクの2倍である。賃金も、中堅エンジニアはサンパウロが大阪より10%高く、バンコクの6倍にも達している。課長クラスの中間管理職も同様の結果となっている。注目すべきは、その伸び率である。比較できる11年を見ると、大阪は残念ながら、−0.5%、バンコクは7.18%に対して、サンパウロは8.9%でさらに差が開いていっている。

 昼食は普通の量り売りのレストランで1000円から1500円、夜はちょっとした場所で食事をすると、軽く一人5000円から1万円はかかる。家電製品は日本の1.5倍はするし、日本車は2−3倍の価格である。サンパウロで駐在員生活をするということは、本社の不理解に悩み、大阪より高い物価と格闘し、場合によっては自分より給与の高い自由奔放なブラジル人の部下に振り回される、いわば三重苦との闘いといえる。しかし、多くの駐在員は3年住むと、日本に帰りたくなくなるから不思議である。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社

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