fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース



[an error occurred while processing this directive]

<新興国eye>ブラジルの失望多きゆく年と課題だらけの来る年

2014-12-22 15:42:00.0

 ようやく30度を超す暑い日差しとなり、毎日午後には驟雨(しゅうう)が降る夏を迎え、街はクリスマス一色で装飾やイルミネーションに溢れているが、経済停滞により盛り上がりに欠けるクリスマス商戦とともに14年も間もなく終わろうとしている。
 振り返ってみると、今年もブラジルは話題に事欠かない1年であった。まずは何と言っても、開幕直前まで競技場のいくつかが完成しないのではないかと、FIFA(国際サッカー連盟)をはじめ多くの関係者をヤキモキさせたワールドカップであろう。8割程度の完成の中で何とかやりきったところは、いかにもブラジルらしいところだ。
 ちょうど1年前のコンフェデレーションズカップで政権を揺るがすほど全国的に広がったデモがあっただけに、ワールドカップ反対で大会を中止せざるを得ないほどの過激なデモが起こるのではと心配したが、さすがサッカーが国技のブラジルでは、始まってみれば街は黄色のユニフォームに溢れ、それも杞憂に終わった。

 ワールドカップ後、ブラジル大統領選挙に突入したが、ここでもドラマが起こった。元ペルナンブッコ州知事で第3位候補だったカンポス氏は、経済界の支持が高く、中間層以下に人気のあるマリーナ女史を副大統領候補に据えて選挙を戦っていたが、乗り込んだ小型飛行機が選挙活動中に墜落し、死亡。急きょマリーナ氏が候補に立ち、弔い合戦となり一時はジルマ・ルセル現大統領に迫る勢いがあったが、終盤のネガティブキャンペーンで失速。連立与党と最大野党の一騎打ちとなった。
 現職有利に進む中で、国営石油公社ペトロブラスを舞台にした連立与党全体を巻き込んだ贈収賄事件が発覚。これで与党は終わりかと思ったが、ニュースや新聞を見ない多くの低所得層へのばらまき政策が功を奏し、大統領選挙戦史上まれにみる僅差で現職が再選された。大統領も社会政策を第一と叫んで再選を果たしたが、国民の半分を敵に回してあと4年間の政権運営は難しいと考え、再選後は経済重視に舵を切り、対立候補が挙げていた民間人を取り込んだ新しい財務、企画、開発商工大臣を先日発表した。

 14年は結局、GDP(国内総生産)の成長率はほぼプラスマイナスゼロ、自動車の販売台数も2年連続でダウン、インフレ率もターゲット上限の6.5%を超えるかもしれず、個人消費も1ケタ前半の伸びで終わりそうだ。
 新閣僚が発表した政策は経済界も好感を示しているが、いずれにしても短期間での経済回復は難しいという認識で一致しており、14年を底として15年は少しずつ上向きになることを期待したい。
 ブラジルは、今まさに急成長の踊り場に差し掛かっているといえるが、すでにASEAN(東南アジア諸国連合)全体に相当する経済規模、そして自動車販売世界第4位、化粧品販売やビール消費量など多くの分野で世界上位の消費市場が生まれている。
 今回の政財界を巻き込んだペトロブラスの贈収賄事件により、入札に参加できなくなる大手企業が出て来ていたり、賢くなった消費者は、価格よりも品質を重視する傾向が出てきており、15年は日本企業にとっても多くのチャンスがありそうだ。来年は日本ブラジル外交関係樹立120周年でもあり、ぜひ日本企業のブラジルでの奮闘を期待したいところだ。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社

関連ニュース

Recommended by logly

いま見られている記事

    ピックアップ