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<新興国eye>韓国大統領の南米ビジネス外交と日本批判

2015-05-19 13:26:00.0

 4月24日、韓国の朴槿恵大統領は南米歴訪として、コロンビア、チリを経てブラジルに到着した。ブラジルにとって韓国は世界7位の貿易相手国であり、韓国にとってブラジルは中南米最大の貿易相手国である。ブラジルからは主に資源が輸出され、韓国からは電子機器を中心とした付加価値の高い製品が輸出されている。完全にブラジル側の輸入超過状態であるため、貿易不均衡解消に向けて、ブラジル側は牛肉の同国への輸入解禁を要望したが、韓国側からは明確な回答は得られなかったようだ。その他に韓国が得意とする通信技術に関する技術交流や調査、温室効果ガス排出量削減に向けた2国間協力が確約された。

 通信分野ではビッグデータやウエアラブルな情報機器を媒介とした情報流通の技術開発や人材交流も盛り込まれている。また、ヴァーレとの共同事業でセアラ州に建設される製鉄所に投資をしており、間接的なものを含めると、1万9000人の雇用創出が見込まれるとのことだ。サムスンも今後5年間で500万ドルの投資計画を発表し、現代自動車は現有工場への投資継続を協議した。

 朴大統領はまさにトップ営業のために来訪した感があり、サムスン、LGといったブラジルでも大きくビジネス展開をしている大手韓国財閥系企業がブラジルの有力新聞に朴大統領ブラジル来訪のウェルカム広告を大きく掲出しており、これは安倍首相が14年夏にブラジルに来た時にはなかった華々しさだ。ブラジルでのサムスンの売上(13年)がソニー<6758>やパナソニック<6752>の10倍以上になっていることを考えるとやむを得ないかもしれない。

 ブラジル訪問後は、チリと同様に自由貿易協定を結んでいるペルーを訪問した。ペルーにおいても、両国間で主に5つの分野で協定を結んだ。5つの分野とは電子政府(政府の情報化、ネットインフラ強化など)、電子産業、科学技術、経済革新、健康素材である。さらには、別途空軍において、山岳地帯においてテロリストの巣くつの探査や麻薬の原料となるコカの葉栽培の場所を探すことを目的とした航空機の共同開発も行われており、すでに一機目が完成している。
 日本で航空技術を持った三菱重工業<7011>やホンダ<7267>は、中・小型機の独自開発に向っているが、そのすきを突くように韓国が受注したということだろう。ちょうど国の規模も人口もペルーと似ており、近年短期間で急成長した韓国との協力関係をペルーのウマラ大統領は重要視している。

 ブラジル同様に、ペルーにおいても韓国ブランドが携帯電話、家電、コンピューター、自動車などで市場を席巻している。ペルーにおいても訪問の主目的はビジネスの売り込みであるが、相手国も先進技術を望んでおり、良好な関係を構築している。

 そんな南米ビジネス行脚の中でも、どこの国への訪問においても忘れないのは、重要な朴大統領の政治テーマとしての日本批判である。世界で最も遠い親日国ブラジルに来てまで、ブラジル政府に期待することとして、北朝鮮の核開発問題への抑止力になることと同列に、日本の平和憲法改正の動きに対する懸念を表明しており、反日の国際的広報は徹底している。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

<関連銘柄>
 ボベスパ<1325>、iSエマジン<1582>、上場MSエマ<1681>、
 iS新興国<1362>、上場EM債<1566>

提供:モーニングスター社

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