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<新興国eye>ブラジルで繰り広げられるさまざまな闘い

2015-11-02 17:54:00.0

 ブラジルではこの時期、さまざまな闘いが起こっている。10月26日にようやく終結したバトルが、銀行職員のストライキ。19州で3週間にもわたって銀行職員がストを決行。その間、窓口業務は停止し、ATMでの取り扱いのみとなった。10%の賃上げと14%の食費増額で決着したが、一部の州ではそれを不服として未だにストを継続している。

 日本で3週間も銀行がストをしたら、大変なことになるのではないかと思うが、ブラジルは大手民間銀行が企業への融資をあまり行っていないことと、実はネットバンキング先進国であるため、ほとんどネットとATMで事が足り、さらに電気や電話料金等については、街の至る所にある宝くじ販売所(ロッテリア)で支払えるため、混乱を来さなかったようだ。

 ブラジルは1年働くと、1カ月の休暇取得が権利として労働法で定められているが、それを含めると今年の銀行員は1年のうち2カ月近く休んでいたことになる。

 政治のバトルは、魑魅魍魎(ちみもうりょう)なねじれ状況となってきている。現職の大統領対下院議長のバトルに、前大統領も加わった三つ巴の闘いになってきた。

 国税庁が10月26日に、ルーラ前大統領の三男の経営する会社に贈収賄の疑いがあるとして情報公開を求めるように連邦検察庁に推奨し、ついにルーラファミリーへ捜査の手が及ぶことになった。クーニャ下院議長はすでに、スイスにある複数の銀行の隠し口座が暴露されて、起訴も時間の問題。一方、ジルマ・ルセフ大統領も危うい。昨年度および今年度国庫の不足を補うべく、政府系金融機関に支払いを肩代わりさせたことが先に最高裁から違憲とされ、それを理由に法律学者と野党議員および一部与党議員がルセフ大統領の罷免手続きを請求しており、その進展はクーニャ下院議長に委ねられている。大統領と下院議長が、どちらが先に敵を追い落として、自分のポジションを守るかの闘いを繰り広げる最中に、両者を批判していた前大統領のファミリーに捜査の手が伸びたことで、関係性が複雑になってきた。

 ルーラ前大統領は、自らこしらえたばらまき施策で票田稼ぎの手段であった家族手当(ボッサ・ファミリア)を財政難から切り詰めようとしていたレヴィ財務相と彼を辞めさせないルセフ大統領を批判していたが、一転容認の姿勢を見せ始めた。その一方、クーニャ下院議長とも裏で手打ちをするのではという話も出ている。

 この政治バトルは当然、検察庁や裁判所との闘いでもあり、ブラジルの政治が近代化するかどうかの重要な局面なので、うやむやに闇に葬らず、真実をとことん明らかにするべきだが、何とかオリンピックまでには決着してほしいところだ。

 さらに、学生たちにもバトルの季節である。毎年10月に行われる全国高等教育試験(Enem)が24−25日に行われ、577万人が受験をした。この試験は、一部の公立大学の入学選抜と、私立大学の奨学金受給者選抜などに使われ、本人にとっても家族にとっても重要である。ブラジルの上位の国公立大学は、授業料が免除となるので、受験生は必死である。洋の東西、いや南北を問わず、受験はまさにバトルであり、さまざまなドラマを生んでいる。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社

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