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<新興国eye>ブラジル政治ドラマ第1幕の終了、民主運動党に改革の一手はあるか

2016-05-23 18:57:00.0

 すでに日本でもかなり報道されているようだが、5月12日に上院の投票において、過半数の賛成によってジルマ・ルセフ大統領の罷免審議継続が可決され、180日間の大統領職務停止が確定した。これによって、約1年近く続いたブラジル政治ドラマの第1幕はいったん終了となった。

 上院での投票では、圧倒的多数が弾劾に賛成をし、このままでは180日後に正式に罷免される可能性が濃厚となった。前大統領から上院下院議長、野党党首、さらに多くの有力議員が贈収賄調査の対象となり、地方判事に引っ掻き回されながら、ブラジリアにおいては、司法も絡めた魑魅魍魎(ちみもうりょう)の闘いを経て、第1幕は検察と民主運動党(PMDB)の勝利に終わったといえるだろう。憲法の規定により、副大統領である民主運動党のテメール氏が大統領代行となり、リオ五輪の開会宣言は、テメール大統領代行が行うことになりそうだ。

 いよいよ足掛け14年続いた労働者党(PT)が政権の座から降りるときが来た。この約1年の政治ドラマは、なかなか見応えのあるものであった。同じ民主運動党の下院議長で、贈収賄の調査リストのトップにいたクーニャ議長は下院議長の座を降ろされる直前に、見事にルセフ大統領と刺し違えて、弾劾審議を成立させた。

 今後、ブラジル国内では、労働者党政権とは何だったのかという振り返りが行われると思うが、経済的には贈収賄とばらまき政策で、ブラジルの屋台骨をしゃぶりつくして、ガタガタにしたことは確かである。

 ブラジルの国庫にはお金がなく、経済悪化で税収は落ち込み、海外からの信用はガタ落ちで、テメール大統領代行も八方塞がりのスタートとなるが、労働者党と長年連立与党を組んできたわけなので、自業自得である。本人は2年限定でその後の大統領選挙には出ないと言っているので、あまり人気を気にせず、思い切った政策も可能だが、先立つものがなければ厳しいだろう。

 大臣職もほぼすべてが入れ替わった。これまでの与党内部の名誉職的な指名ではなく、経験豊富で実力重視の布陣にはなっている。これまでのライバルであった民主社会党(PSDB)からも2人入閣し、多くの政党を巻き込んだ組閣となった。大臣ポストも31から23に減らし、労働者党政権自体に膨張した行政のスリム化にも取り組む意欲を示した。

 実は労働者党政権の隠れた負の遺産は、人事権の掌握をいいことに、あらゆる公共機関、半官半民機関などに経験も実績もない親類縁故者を大量に送り込んで、行政コストを膨張させるとともに業務効率を下げ、オペレーションを混乱させたことである。国庫に余裕がない今は、まずは無駄なコストの削減が急がれる。一時は労働者党に乗っかって甘い汁を一緒に吸った民主運動党政権がどこまでコスト削減に踏み切れるのか見定めておきたい。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

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提供:モーニングスター社

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