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ブラックロック30周年、独自のリスク管理技術で長寿社会にソリューションを提供
2018/01/30 08:42
 運用資産残高(AUM)が約6兆米ドル(約650兆円)に達する世界最大の規模を有するブラックロック(BLACKROCK)は、今年で創業30周年を迎える。1月29日に「ブラックロック30年史」をテーマにメディア向けの説明会を開催し、ブラックロック・ジャパン代表取締役社長の有田浩之氏は、「創業当時、セルサイドに集中していたリスク管理のノウハウをバイサイドの立場で投資家に代わって活用していこうという使命感があった。その後、2度の大型買収を経てグローバルに展開する総合運用会社となったが、創業の起点となったリスク管理に重きを置いた経営こそ、ブラックロックの成長をゆるぎないものにしている」と語った。

 1988年に創業したブラックロックは、モーゲージ証券(住宅ローン担保証券)のトレーダーであったラリー・フィンク氏(現ブラックロックCEO)ら8名のパートナーによって創業。フィンク氏は創業にあたって「証券会社の人間ですら、モーゲージ債の価値分析は難しいと感じている。最終投資家である個人や法人は、もっと理解しないままに売買に参加しているだろう。リスク管理のノウハウがセルサイドに集中している現状は、健全な投資家を育成する環境とはいえない。自分たちがバイサイドに転じて、投資家と同じ側に立ってリスク管理を考えた運用を提供したい」との使命感が強くあったという。

 そして、1990年代にモーゲージ市場が急速に発展していく中、分析力で一目置かれる「モーゲージのブラックロック」として頭角を現した。96年以降にグローバルボンドの運用を本格化。1999年にはクレジットボンド(社債)に進出し、ピムコ(PIMCO)と並び称されるような債券の運用者に成長。同年にニューヨーク証券取引所に株式を上場した。

 有田氏は、「ブラックロックは成長の過程で、2006年のメリルリンチ・インベストメント・マネージャーズ(MLIM)の買収による株式運用部門の統合。また、09年にバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)の買収によるパッシブ運用部門の統合などを経て、現在の運用体制と規模を獲得してきたが、これらの経営統合においても揺らぐことがなかったのは、リスク管理への熱意だった。実際、リーマンショックをきっかけに、他社から資産のリスク分析を請け負うビジネスを発展させてきた」と語った。そして、現在ではリスク分析、および、運用プロセス全般のサポートツール「アラディン」を公的機関を含む多くの機関投資家に提供している。

 日本では、1999年に野村アセットマネジメントとの合弁会社、野村ブラックロック・アセット・マネジメントとして拠点を開設。米国債券運用のファンドを提供してきたが、06年のMLIM買収を機に、合弁を解消し、06年からブラックロック・ジャパンとして活動を継続している。現在、日本で預かっている運用資産は、公募投信等で5兆7296億円、投資一任など投資顧問部門で23兆9475億円にのぼる。

 有田氏は、今後の展望として「長生きのリスクに対し、どのようなことができるかということが大きなテーマ」と語る。「健康寿命が延びていくことに対し、金融資産の寿命が足りず、ギャップが拡大している。ここに、リスクマネジメントの観点から、また、資産運用を担う運用会社として何等かのソリューションが提供できる」としている。

 「日本においては、祖父母や父母の世代より、現役層の公的年金は不十分なものになってきていることは、誰でもわかっている。それでも、自助努力の年金準備が進んでいないのは、金融リテラシーの不足によるのではないかという仮説をたてた。現在、有識者にも参加していただく会議などを重ね、その結果を情報発信するほか、老後生活をリアルにイメージするシミュレーションツールなども開発している。将来の生活資金を確保するために、公的年金に加えて、自助努力でどの程度の準備が必要なのかを簡単に計算できるツールだ。さらに、認知症や介護ロボットなどの研究にも投資している」と、高齢社会を支えるインフラのひとつとしての役割を担っていきたいとしていた。
提供:モーニングスター社

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