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新興国情報

セネガルではテレビは「?」に1台!韓国企業進出実態
2011/02/25

テレビではありませんが、我が家にあった家電の一つ、LG電子製エアコンです。これは古い機種で新たなものと交換したのですが、それもLG電子製。その他、電子レンジ、テレビ、洗濯機は全てLG電子製でした

2月20日に「Africa Study Forum Japan」という勉強会の場でお話をさせていただきました。勉強会では、はじめに私がセネガルの概況を説明したうえで、「日本企業がセネガルでテレビを新たに売り込むとしたらどうしたらよいか」をテーマに参加者の間で議論するという形式をとりました。

実は当日、私のセネガルMBA(経営学修士)時代の同僚が偶然日本に来ていたのでゲストに招き、議論に加わってもらいました。そこで改めて感じたことは韓国企業の進出が確実に進んでいるということです。今日は、セネガル人(以下「彼」で統一します)が語る、セネガルのテレビ市場、特に中間層以上の薄型テレビ市場での韓国企業の実態について書いてみたいと思います。
(なおこれはあくまで当日参加した彼個人の感覚なので、必ずしも信頼性の高いデータというわけではないことをご了承ください)

圧倒的なシェアを誇る韓国製薄型テレビ

セネガルで販売されている薄型テレビは先進国並みか、それ以上です。韓国のLG電子やサムスン電子が販売する薄型テレビは、大きさにもよりますが価格帯として10万−30万円程度。

彼にLG電子とサムスンのシェアは?と聞くと中間層で約7割程度、その他企業は?と聞くとソニー、パナソニック、シャープ、サンヨーなどの名前が出され、そのシェアが約2割とのことでした。シェアとは裏腹に、日本企業のブランドも浸透しているようです。

しかし興味深いことに、彼はこの話をする前、LG電子を韓国企業だと認識していませんでした。また同時に、パナソニック、シャープなど一部の日本企業を、日本の企業であると認識していませんでした。

イメージについては、「韓国企業」と聞くと高品質でリーズナブルな価格、「日本企業」と聞くと高品質だけれども高い、というイメージだと言います。

これは逆に言えば、日本製品を持って行ってリーズナブルな価格で商品を提供すれば、「日本企業製品は高いはずなのに、意外と安い。品質は良い」という感覚で受け入れられる可能性があるということになります。

全国に張り巡らされた流通網を持つ韓国企業

彼によれば、LGやサムスンは、それぞれで販売代理店を現地に抱え、販売代理店は全国を網羅し、どの地域でも必ずその販売代理店は1店舗はあるということです。また、全国をカバーできるようなネットワークを持っている他の企業はちょっと思いつかない、ということでした。

この流通網の確保というのは新興国では特に重要です。先進国から遠く離れて情報がキャッチしづらい現地の需要を熟知し、ニーズを吸い上げることが販売戦略、製品戦略、プロモーション戦略の全ての基本になるからです。そして新興国ではインフラ網が未整備であることから、全国的にカバーできるようなソフト面・ハード面での体力を持った企業は決して多くありません。新興国進出における重要な先行者利益の一つです。

なお首都ダカールに昨年オープンした同国初の近代的なショッピングモールには、そのショッピングモールのターゲット顧客層である富裕層をキャッチするため、サムスンが販売店を構えています。大型の薄型テレビに加えて、携帯電話、エアコン、洗濯機、冷蔵庫など同社の製品が、ゆったりとした空間の中に並べられています。流通網の一つであると同時に、重要なブランド発信拠点としての位置付けであることが分かります。

テレビによる積極的なプロモーションが行われている

彼によれば、セネガルには国内に10チャンネルほどのテレビ放送局があり、日常的にLG電子、サムスン電子のテレビ販売のCMがテレビで流されているということでした。他には、幹線道路沿いの看板での宣伝、スポーツイベントのスポンサーによるプロモーションもあります。ちなみに、都市部中間層以上は間違いなく保有していると言える携帯電話を使ったプロモーションというのは見たことがないということでした。

いかがでしょうか。彼によれば、中間層以上を大体世帯所得2万ドル以上とすると、100万人、20万世帯がセネガルには存在するということです。この市場を大きいと考えるか、小さいと考えるか。また今は小さいけれど大きくなると考えて投資をしておくのか、それは企業の経営判断になります。しかし、少なくとも韓国企業はこの程度の市場規模でも、確実にその歩を進めているということだけは確かです。

ところで、今回ゲストに呼んだ彼の家には、テレビが2台あります。家が広いから?子供が多いから?正解は、「奥様が2人いるから」でした。複数人の奥様を持つことはイスラム教徒としては全く問題ないのですが、複数人を持つ以上「平等に」愛さなければいけない。したがって、テレビも奥様1人につき1台必要なのだということでした。もちろん、全てのセネガル人がこういう判断基準で複数台のテレビを購入しているとは思えませんが、こういった文化的な理解も、海外進出を考えるうえでは重要な視点ですね。

(佐藤 重臣)

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