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新興国情報

クラスのみんながやっている?アフリカのフェイスブック事情
2011/03/04

日本でも最近注目を集め始め、北アフリカ・中東の反政府抗議活動でさらに脚光を浴びたフェイスブックですが、アフリカのその他の国ではどの程度普及しているのかについて今回はみていきたいと思います。

フェイスブックの統計情報を扱うソーシャルベーカーズ(socialbakers.com)の3月1日17時30分時点のデータによると、全世界のユーザー数が6億4,261万人。そのうち、アフリカ大陸のユーザー数は2,549万人と全世界の4.0%。世界で一番ユーザー数が多いのが米国で1億5,219万人。日本は255万人です。

フェイスブックのオンライン利用率、アフリカ48カ国が日本を上回る

アメリカの個別の国でみると状況は様々です。人口に対してのフェイスブックユーザー数である普及率をみてみると、アフリカ諸国で統計のある48カ国のうち、18カ国が日本の普及率2.01%を上回ります。アフリカ諸国で一番高いのがセイシェルで21.33%、二番目がチュニジアで20.79%、三番目がモーリシャスで19.61%。所得の高いアフリカ北部地域と南部地域の国が多いものの、必ずしも所得水準の高くないアフリカ西部の国々(ガボン、ガーナ、ガンビア、セネガル)やケニアも日本の普及率を上回っています。

一方、人口ではなくインターネットを使っている人のうちどのくらいの人がフェイスブックを利用しているかを表す数値(以下「オンライン利用率」)もあります。日本のオンライン利用率は2.58%。アフリカ48カ国のうち、オンライン利用率で日本を上回る国の数は、、、なんと48カ国。統計のある全てのアフリカの国が、日本のオンライン利用率を上回っています。

またその普及スピードがアフリカでは著しい。過去6カ月間のユーザー数の伸び率をみてみると、世界第一位が中国で2,639%増ですが、第二位が中央アフリカ1,688%増、第三位がチャド736%増、第四位がナミビア688%増、第五位が赤道ギニア663%増と、アフリカ諸国が続きます。日本も89%増とかなり高い伸び率ですが、アフリカの拡大スピードは文字通りケタ違いに高い。元々の人数が少ないということも理由ではありますが、それでも爆発的な普及と形容してもおかしくないでしょう。

ナイジェリアでは大統領もフェイスブックを積極活用

これにはいくつか理由があります。そもそもアフリカでインターネットを利用するのは、多少なりとも新しもの好きである人々であること。また、途上国で携帯電話やスカイプがアフリカで普及した理由の一つとして取り上げられる、コミュニケーション好きという傾向。また、親族や友人が先進国をはじめとした海外にいるケースが少なくないこと。これらが、フェイスブックの注目を集めている理由だと考えられます。

フェイスブックへの関心の高さを受けて、携帯電話会社もサービスの一部に取り込む動きを見せています。インターネットブラウザを搭載していない携帯電話ユーザーでもフェイスブックサービスを利用できるように、例えばナイジェリアのザイン(現エアテル・ナイジェリア)は2010年9月、SMSによりメッセージの送受信やステータスの変更を可能とするサービスを開始しました。またガーナでは携帯キャリアのティゴがティゴ・フェイスブック・フォンとして、フェイスブックボタンを搭載した携帯電話を今年2月に発表しています。

そのほかにも、フェイスブックをコミュニケーション手段として利用するアフリカ企業、NGO、政治家が増えています。ナイジェリアでは今年4月に大統領選挙が予定されていますが、現職のグッドラック・ジョナサン大統領は大統領選出馬発表を最初にフェイスブックを通じて行いました。その後も同大統領は、自身の政策に対する考え方をフェイスブックを通じて発信し続けています。同大統領はフェイスブックを利用する理由について、国外自国民に対して、自身の考えるナイジェリアの将来像やそこに向けた政策をアピールすることが大事だと考えているからだとしています(ちなみに同大統領はツイッターアカウントも保有しており、インターネット上の情報発信に積極的に取り組んでいます)。

日本企業のアフリカ進出、フェイスブックが重要度増す

このようにフェイスブックの拡大と呼応して、コラボレーションをしようとする人々が増えると、それに応じてさらにユーザー数も拡大する、という循環が起きていることも、利用者急拡大の一因でしょう。

こうして直近の成長率、成長余地、オンライン利用率などをみていくと、今後もアフリカ諸国でのフェイスブック利用者数はさらに拡大していくことはほぼ間違いないように感じます。このことから、アフリカ進出を考える日本企業にとってフェイスブックを活用したマーケティングの重要性が増していくことも、確実でしょう。また、アフリカのフェイスブックユーザー向けアプリケーションというのも市場機会としては魅力的かもしれません。

ちなみに、セネガルのMBA(経営学修士)時代のクラスメートの一人は、彼の子供の6歳の誕生日プレゼントにノートPCを買っていました。理由は、子供がフェイスブックに熱中していて、家のPCを占有してしまうから、ということでした。また、子供のクラスみんながフェイスブックを利用しているとのことでした。一番の新しもの好きは子供であり、広まるときには一気に広まるというのは、どこの国でも同じですね。

(佐藤 重臣)

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