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新興国情報

航空関連業界が盛り上がりをみせるアフリカ
2011/04/01

チュニジアの国内を結ぶセブンエアーの機体。昨年7月下旬、チュニジア南部トズール空港での写真ですが、欧米からの観光客で埋まっていました

アフリカでは経済成長に合わせて移動需要が発生しているものの、アフリカは広く、道路、鉄道インフラも十分でないことから、航空需要が高まっています。

IATA(国際航空運送協会)の調べによると、アフリカ地域の旅客輸送量(RPK:Revenue Passenger Kilo、有償旅客キロ)は2004年から2010年の間に36.9%増加しています。世界の他地域と比較すると、成長著しい中東地域は同116%増、中南米地域が同47%増となっていますが、36%増という数字も決して低いものではないでしょう。

この需要拡大を受けて、アフリカでは新たな航空会社が続々と設立されています。今年の1月25日には、2009年に実質破たんに追い込まれ営業を休止していたセネガル国際航空が、セネガル航空として再出発。3月28日にはカメルーンで新たな航空会社Camair Coが運航を開始。また年内には、中央アフリカ地域政府共同でエアーCEMAC(CEMACは、中央アフリカ諸国経済共同体の略称)を誕生させる予定となっています。またアフリカの航空会社は競争が少なく価格が高い傾向があるのですが、格安航空会社も設立され始めています。

続々と航空需要が拡大する中、航空機産業もアフリカに注目しています。昨年9月21日、ボーイングは今後20年間で700機、金額ベースで800億ドル(約6兆6,000億円)の航空機が必要になると発表しています。これは前述のとおり需要が拡大していることに加えて、アフリカの航空会社が利用している機体の多くが製造から20年以上経過しているもので、燃料効率の面からも新型機の需要が増すとしています。

さらに機体需要を受けて、機体を購入するために必要なファイナンスについてもビジネスが拡大しようとしています。米GE(ゼネラル・エレクトリック)の航空機サービス事業法人で航空機のリースとファイナンスを行うゼネラル・エレクトリック・キャピタル・アビエーション・サービシズは昨年11月に、アフリカ諸国での新たな拠点設置を発表しました。同社は既にアフリカ諸国内に25億ドル相当の機体を14カ国で保有していますが、事業のさらなる拡大には拠点設置が不可欠と判断した模様です。なお拠点となるのは、南アフリカのケープタウンと、ガーナのアクラで、北アフリカ地域については、ドバイの拠点から管轄するとのことです。

空港建設・拡張プロジェクトも多く進んでいます。例えばセネガルでは、旅客増を見込んで首都ダカールに空港を新規に建設しています。プロジェクトコストは3.5億ユーロに上り、資金提供者はセネガル政府はもとより、民間からもBNPパリバやモロッコを本拠とするBMCEキャピタルが参画。プロジェクトの設計・建設にはサウジアラビアのサウジ・ビンラディン・グループを中心としたコンソーシアム、空港運営全般はドイツを本拠とするフラポートがあたるなど、多くの国、業種がこのプロジェクトに参画しています。

このようにアフリカでは、経済成長に伴い航空産業やそれを取り巻く関連産業が成長しつつあります。日本企業としても、三菱航空機のMRJはもちろん、ファイナンス、空港設計、建設、運営、人材育成、安全管理など多くの分野で、この需要拡大をうまく取り込むことはできるのではないでしょうか。何よりも、日本の航空会社がいつかアフリカへ直行便を飛ばすことを心から期待しています。

(佐藤 重臣)

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