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新興国情報

アフリカ中部・東部の中小企業対象のPEファンドが設立間近
2011/06/03

欧米ではアフリカ諸国企業向けのプライベート・エクイティ(PE、未公開株)ファンドが数多く存在します。投資家は国際機関・政府援助系から、純粋な民間投資家まで。調査会社のEPFRグローバルによれば、2009年9月までの1年間で、アフリカ地域を対象としたファンドに、6億6,000万ドル(約537億円)が流入したとされています。

例えば有名なところでは、米国のカーライルがアフリカ向けファンドの設立を計画していると報道されています(ファンドの規模について、ロイターは5億ドル、フィナンシャル・タイムズは7億5,000万ドルとしています)。

アフリカ向けプライベート・エクイティが対象としている業界は幅広く、天然資源から、通信、エネルギー、運輸、農業、金融、医療などあらゆる業界が対象になっています。投資先の企業・プロジェクト規模も様々で、大規模プロジェクトから小規模なプロジェクト、中にはマイクロファイナンス機関向けに出資を行っているプライベート・エクイティも存在します。

そのようなプライベート・エクイティの一例として、来月にも設立される予定のバティアンファンド(Batian Fund)を紹介します。

投資家は、ノルウェーの政府系投資ファンドのノルファンド、ケニアの東アフリカ保険、ボツワナのイマラ・セキュリティーズです。

ファンドの規模は1億ドル。1件当たりの投資額は1,000万ドル未満で、マイノリティ出資(少数株主としての出資)を行います。投資回収期間は2年間を想定しています。

投資先セクターは、金融、情報通信技術、インフラ関連とされています。農業や天然資源セクターについては、投資回収期間が長いため対象外としています。

投資先は、アフリカ中部、東部諸国の中小企業。具体的には、企業価値は500万ドル〜2,500万ドルの企業を対象としています。主な対象国はケニア、タンザニア、ウガンダ、ザンビアで、それに加えてモザンビーク、ジンバブエ、ルワンダも対象に入るとのこと。

アフリカで企業価値が500万ドル〜2,500万ドルの企業なんてそんなにあるのか、と思われるかもしれませんが、バティアンファンドのコリヤーCEO(最高経営責任者)によれば、対象となる企業は地域内に2,000以上あるということです。

アフリカに限った話ではないですが、スタートアップと大企業の間に存在し、リスクマネーの調達が難しい中小企業「ミッシング・ミドル」がアフリカにも存在しています。企業の資金調達において、小さなベンチャーであればベンチャー・キャピタルが出資し、大企業になれば機関投資家が出資することに加えて、株式市場での調達、銀行からの調達なども可能になります。このことは、銀行セクターが発達していないアフリカでは特に大きな問題となります。

日本を例に引くまでもなく、経済成長にとって中小・中堅企業の成長は不可欠です。銀行セクターが未成熟である以上、今回のような中小企業向けファンドによるリスクマネーの有無、およびその基盤となる投資環境の良し悪しが、アフリカ諸国経済の発展を左右する大きなポイントの1つになることは間違いないでしょう。

(佐藤 重臣)

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