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新興国情報

南スーダン独立、今後の発展で課題となる治安と教育
2011/07/15

先週7月9日に、国連加盟国193カ国目、アフリカ54カ国目となる国、南スーダンが誕生しました。

南スーダンについては、このモーニングスターのブログ記事(2月18日)でも既に取り上げていますが、インフラ、治安など様々な問題がありつつも、決して少なくない数の企業が既に進出をするか、もしくは高い関心を持って投資を検討しています。

独立に向けた歴史的な背景、同国で極めて重要な位置を占める石油資源、同国ビジネスに関心を持っている企業については上記の記事を見ていただくとして、ここでは南スーダンの国家開発にとって最大の課題になると考えられる治安と教育を取り上げます。もちろんインフラや個々の産業が拡大することは国の経済発展に不可欠なものではありますが、治安が安定しなければインフラも産業も発展することはできず、教育がしっかりしなければ、そもそも働くことができません。

治安については、南スーダンは依然として大きな課題を抱えています。北部からの独立により、南北衝突は今後少しずつではありますが減少していくことが期待されます。しかし、現在確認されているだけでも、南スーダン国内に9つの武装組織が存在し、対立をしています。今後南スーダンが政治・行政機構を立ち上げていくうえで、この武装勢力とどうバランスを取っていくのかが極めて重要な課題となります。

次に教育ですが、南スーダンの就学率はアフリカのなかでも突出して低いと言えます。各種国際機関の援助や政府による支援でアフリカでは全体としてみると実は初等教育就学率はかなり高水準になってきています。ユネスコの統計で見てみると2008年のサブサハラ(サハラ砂漠以南)アフリカ全体の初等就学率は102%(対象年齢よりも高い児童も入学するので100%を超えます)に達しているにもかかわらず、南スーダンでは2009年の同指標で72%。退学者を考慮した純就学率で見ると南スーダンは48%にとどまっています。

教育水準が低ければ、単純労働に従事せざるをえず、インフラも不足していることから、当面は製造業の発達は難しいと感じます。そう考えると、前回のブログでも指摘した通り農業というのは、同国の農地開墾余地の大きさや、これまで既に多くの国民が携わってきておりそれなりにスキルが蓄えられていることから、同国にとっては石油産業と同じかそれ以上に重要な産業であると考えます。

一方で、製造業ほどではないにせよ、農業も栽培方法の改良など、新たな技術の導入による生産性の向上が可能であることから、その意味でも教育水準の向上は喫緊の課題の1つでしょう。もちろん最初に示した通り、治安が良くなければ畑を耕すこともできず、一度武力衝突が発生し土地を離れることになればせっかく開発した農地も放棄されてしまいます。したがって、治安の維持もやはり重要課題となります。

(佐藤 重臣)

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