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新興国情報

高度成長の国「カンボジア」
2011/01/28

プノンペン初の高層ビル、カナディアタワー。カナディア銀行や中国銀行が入居している

カンボジアは「高度成長の国」ですよと申し上げるとびっくりされる方が多いようです。日本から見たカンボジアのイメージといえば、「内戦・地雷、秘境、貧困」という方も多いかと思いますが、実態は、東南アジアの普通の国で、活気溢れる国となっています。

経済統計を見てみますと、カンボジアの1998年−2007年の10年間の平均成長率は9.3%で、昭和の日本のあの高度成長時代と同等の成長率となっています。また、この10年間のアセアン諸国(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど)と比べてみても、最も高い平均成長率となっています。また、2001年−2010年の10年間の平均成長率は7.7%で、世界第9位となっています。

成長をけん引してきたエンジンは、まずは、縫製業です。プノンペン周辺の洋服の工場を見学させていただくと、まさに「ミシンの海」です。数千名の女工さんたちが一生懸命に洋服を作っています。そんな工場がいくつも稼動していますので、カンボジアからの輸出の8割は縫製品となっています。このほかにも、建設、観光などが経済をけん引してきています。忘れてならないのは、農業です。カンボジア国民の約8割はまだ農村部に住んでいますので、最近の好調な農業生産、農産物価格の上昇などによる堅調な農業の発展は、経済成長を下支えしてきました。カンボジアは、水、土地、人といった農業の基本要素に恵まれているため、農業の将来的ポテンシャルにも期待が集まっています。また、天然資源(石油、ガス、鉱物など)についても開発が進められており、今後の経済成長への貢献が期待されます。

カンボジアでは、他のアジア諸国と同様に、海外からの投資誘致に努力しています。経済特別区(SEZ)も21カ所が認可され、ベトナム国境近くのマンハッタンSEZ、プノンペン近郊のプノンペンSEZなどでは、既に工場が稼動しています。また、シアヌークビル港に隣接したシアヌークビル港SEZも日本の支援で2011年末には完成の予定です。日本からの投資は、まだ大きくなっていませんが、スズキなどのオートバイ関係から始まり、今後は軽工業(靴、縫製)、部品産業(ミネベア)などの進出が動き始めています。

2009年はリーマンショックの影響でマイナス成長に落ち込みましたが、2010年は4.8%に回復、2011年は6.8%の成長が見込まれています。今年は株式市場の創設も予定されており、SBIホールディングス100%出資のSBIプノンペン証券も営業を開始しています。また、製造業を中心に日本企業の進出もさらに進むものと期待されています。チャイナ+1、ベトナム+1の国として、カンボジアからは目が離せません。

このモーニングスターでは、今後毎週月曜日にカンボジア経済の動きを中心に、カンボジア・プノンペンからビビッドな現地情報をお伝えして参ります。カンボジア総合研究所では、毎日更新のブログ「カンボジア経済」、ウィークリーのメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」も発行して、日本語による情報発信を行っております(無料です)。ぜひご覧ください。

(鈴木 博)

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