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新興国情報

ベトナムは内需が長期的に拡大、台頭する大手食品メーカー
2011/02/08

ベトナムは中国と同様、1月1日の西暦正月よりも旧正月(ベトナムではテト、中国では春節)の方が重要です。証券取引所の休みが西暦正月は1日しかないのに対し、旧正月は5、6日あり、土日を入れると10日間くらいの長い休みになります。今年は1月31日から2月7日まで休場です。

休みが長いのでリスクヘッジのために手じまい売りがでることも少なくありません。実際に今年は「エジプト騒乱」で世界の株式が一時全面安となりました。そのようなリスクを回避するために手じまったり、テトに向けて現金を作るために売ることもあるようです。中長期で投資する場合にはそれほど気にすることはないと思いますが、多少そういった傾向があることは覚えておいてもよいと思います。

今年1月のCPI(消費者物価)上昇率は全体で前月比1.74%でした。部門別でみてみると、建築資材1.33%、衣類1.81%、家電0.77%のなか、食料品は2.47%と突出した上昇率です。これはテトに向けて食品を中心に物価が上昇する傾向にあるためです。日本でもお正月前はカニや数の子などの高級食材がよく売れるのと同じ現象です。また通常は都市部のハノイやホーチミンのCPI上昇率が高いのですが、テト前後は帰省により農村部でのCPI上昇率が高くなるのも特徴的です。

食品セクターでは、乳製品メーカーのビナミルク(VNM)や製菓のキンド食品(KDC)、マサングループ(MSN)などが有名です。

ビナミルクのヨーグルト

ビナミルクは乳製品メーカー最大手で、乳製品の国内シェアは約35%、ヨーグルトは95%超と大きなシェアを持っています。10年はミルクや砂糖など原料価格が上昇したものの、販売量の増加と値上げによってカバーしました。10年業績は売上高48.8%増、純利益51.3%増と好調でした。

キンド食品は華僑系の製菓企業で、月餅の国内シェアは80%と非常に大きいです。他にもクラッカーやクッキーなどを作っており、スーパーには必ず置いてあります。どんなものかと思い、一度缶クッキーを買って食べてみました。私には少しバターが多かったですが、それ以外は問題ない味でした。「ベトナムのクッキーって美味しいんだね」と一緒に食べた人も言っていたので、そこそこの技術はあると思います。10年中間業績は売上高3.6%増、純利益373.6%増と大幅増益となっていますが、財務収益が大きいだけで、本業ではそれほどうまくいっていないようです。

マサングループは投資会社形式で傘下企業の二本柱はマサンフードとテクコム銀行です。マサンフードは醤油の国内シェアが80%超、魚醤(ベトナムではヌックマム、タイではナンプラーと呼ばれる)が約60%と調味料の大手企業です。10年業績は売上高41.1%増、純利益341%増と大幅増益となりました。

ベトナムは平均年齢が若い国なので内需はどんどん拡大していくはずです。その面では食品などの内需セクターは長期的に魅力があると思います。ただし、注意が必要な点があります。株式や不動産が堅調だったとき、多くのベトナム企業が本業とは関係のない株や不動産に投資をして相場が崩れて大損しました。今でも不動産に投資している企業が結構あるので購入するときには気をつけた方がよいと思います。

(大鳥 洋子)

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