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新興国情報

カンボジアの豊富な地下資源、権益めぐり各国の動き加速
2011/02/14

シアヌークビル港から見渡す海。この沖合の海上で石油の探査が進んでいます。港にも石油掘削関連設備が建設される予定です

カンボジアには地下資源も豊富です。まずは、石油・ガスです。カンボジアの南、シャム湾の海底には、豊富な石油・ガス資源が眠っています。すでに周辺のタイ、ベトナム、マレーシアでは開発が進められていますが、カンボジア領海では、生産準備が進められている段階です。最も進んでいるのは、6つの鉱区のうちA鉱区で、シェブロンや三井石油開発などが権益を保有しています。商業生産開始は2012年末ごろになるものとみられていますが、カンボジアに大きな利益をもたらすことが期待されています。また、タイと領海が合意されていない海域についても有望とみられていますので、タイとカンボジアによる共同開発などが両国間で協議されていましたが、最近の関係悪化でとん挫しているのは残念な状況です。この石油・ガス資源は、カンボジア経済にとってだけでなく、カンボジア政府の財源としても大変大きな効果があるものとみられており、商業生産のなるべく早い開始が期待されるところです。

次は鉱物資源です。カンボジアの山岳部には様々な鉱物資源があるとみられています。アルミの原料となるボーキサイト、金、銅などが有望とみられています。昨年、JICA(国際協力機構)は「カンボジア鉱業振興マスタープラン調査」を完成させています。様々な結果がカンボジア鉱工業エネルギー省のサイトに掲載されています。

さらに、カンボジアでは宝石も産出されます。北東部のラタナキリ州や西部のパイリン州が有名です。ラタナキリ州の「ラタナ」は宝石を、「キリ」は山を意味するとのことです。ラタナキリで産出される「ラタナブルー」は、ラタナキリを訪れる観光客にも人気があります。

レアアース、レアメタルについては、まだ本格的な調査が行われていないため十分な情報がありませんが、地質などの条件をみると「可能性はある」(JICA調査団関係者)とのことですので、日本としても期待されるところです。

これらの有望な地下資源を求めて、すでに各国は動きを早めています。石油・ガスについては、海上6鉱区のうち2鉱区は中国が権益を獲得しています。鉱物資源については、オーストラリア、中国、韓国などがコンセッション契約を締結しています。オーストラリア企業は、ラオスの鉱物資源開発でも実績があり、生産開始時期の憶測が最近カンボジアの新聞を賑わせています。日本もJICAの調査を足がかりにカンボジア鉱業セクターへの進出が期待されます。

(鈴木 博)

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