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新興国情報

もはや「危ない国」ではないカンボジア
2011/02/21

カンボジアでも一大イベントのバレンタインデー。女性に花を贈る習慣なので、臨時の花屋さんが街のあちこちに

カンボジアというと、いまだに「危ない国」というイメージがあるようです。若い方がカンボジアに行きたいと言うと親御さんに止められて行けないという話を今でも聞きます。しかし、カンボジアは既にアジアの普通の国となっており、テロもなく、治安も大きく改善しています。

プレアビヒア遺跡周辺のタイとの国境紛争についても、カンボジア北部のごく一部に限定されたもので、プノンペンやシェムリアップは全く平静です。あるカンボジア在住者に言わせると「尖閣諸島で問題が起きたときに東京は安全ですかと聞くようなもの」とのことです。

カンボジアはまだ地雷のイメージも強いと思いますが、被害者数はここ10年で大きく減少しています。外国人が被害を受けることはほとんどないと言ってよいかと思います。実は、カンボジアでは地雷の死亡者数は落雷の死亡者数よりも少なくなっているのです。地雷による2010年の死亡者数は71名、負傷は215名でした。これに対し、昨年の落雷による死亡者数は114名、負傷は58名でした(2009年は落雷での死亡140名、負傷59名でした)。

その他の死亡原因では、デング熱による死者は、2010年37名、2009年38名(患者数は2010年12,347名、2009年11,693名)。マラリアでは、2010年111名、2009年207名(感染は2010年6万人、2009年8万人)。交通事故による死亡は、2010年1,654名、2009年1,649名です。

また、カンボジアでは犯罪が多いとの古いイメージも根強いようですが、治安状況の改善も目覚ましいものがあります。

カンボジアの国家警察が発表した年次報告によると、カンボジアの2010年の犯罪件数は3,089件で、2009年の3,456件から10.6%減少しました。そのうち殺人、強盗などの重犯罪は、2010年は994件と2009年の1,117件から11.0%減少しました。しかし、性的暴行は、2009年の247件から2010年は321件と30.0%増加しているのが目立っています。

この統計については、軽犯罪については警察に届けられないことが多いとの指摘もあります。ただし、オーストラリア政府の支援を受けており、国家警察では「100%とは言えないが十分に信頼に耐える」としています。

なお、日本の2009年の重犯罪(殺人、傷害致死、強盗、強姦、放火)の件数は8,442件です。カンボジアは危ないとのイメージもまだ根強いようですが、少なくとも重犯罪については、日本と同程度に安全な国となっていると言えるようです(10万人当たり件数:日本7.0件、カンボジア7.4件)。

(鈴木 博)

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